〜ミュージカル〜
「カルメン」
STORY
1820年代のスペインはセビリア。
抜けるような青い空に輝く太陽の下、煙草工場の前を行き交う人々。
物売りや兵士、男達の活気が町に響き渡る。<広場>
やがて煙草工場の昼休みを告げる鐘の音と共に
束の間の休息を待ちかねた女工達が工場から溢れ出す。
女工達は軽やかに歌う。恋の駆け引きは<煙草のけむり>の様だと・・・。
しかしそんな彼をもカルメンは振ってしまう。
客の去った店にジプシー盗賊団のダンカイロとレメンダードがやってきて
今度の密輸の大仕事について愉快に話し出す。<うまい話>
実はパスティアの店は盗賊団のアジトだったのだ。
カルメンはホセの事が気にかかり、独り沈んでいると
外からホセの歌声が聞こえてくる。<アルカラ竜騎兵>
二人はお互いの気持ちを確かめ合い、
ホセの為にカルメンはジプシーの踊りを踊る。<小さな踊り>
帰営時刻がきて帰ろうとするホセにカルメンは悲しみ、背を向ける。
ホセは心を閉ざしてしまった彼女に自分のカルメンへの愛の強さ、
深さを語り掛け指輪を送る。<おまえが投げた花を(花の歌)>
彼もカルメンを見た途端その魅力の虜になってしまう。
しかし、カルメンは彼に名を告げると疾風のように走り去ってしまった。
スニガにカルメン逃亡の責任を追及されたホセは
一カ月の営倉入りにされてしまう。
ホセは牢の中で幼なじみのミカエラへ手紙を綴りながら
故郷へと思いを馳せる。<故郷>
一方、パスティアの店ではカルメン達ジプシー女による
歌や踊りで連夜店は大盛況である。<ジプシーの夜に>
客の中にはカルメンに夢中で、付き合うよう執拗に
迫ってき、あのスニガ中尉の姿もあった。
その時エスカミリオが彼の勇気と技を賞賛し熱狂する群衆と
共に店みやって来る。<用意はいいか(闘牛士の歌)>
ホセの真剣な気持ちに心動かされたカルメンは彼に連隊を辞めどこか遠くへ二人で行こう
と懇願していると、突然カルメンを呼ぶスニガの声がする。
カルメンはスニガをあしらいに行くが、思いを拒まれた彼はいきなり彼女に襲いかかり、
助けようとしたホセはスニガと決闘になる。
激しい剣の応酬の末、ホセはスニガを殺してしまう。
呆然とするホセにカルメンは手を差し伸べる。<自由の天地>
暫しの沈黙の後、ホセは新しい世界への一歩を踏み出す。
一年後、セビリア郊外の山中にある洞窟の中ではジプシー達が
大仕事の成功を喜んでいた。<ジプシーの踊り>
その賑わいから離れた所にいまだジプシー暮らしに馴染めないでいるホセがいる。
そんな彼とカルメンとの心のすれ違いもまた大きくなっていた。
外に見回りに行った男達を待っているフラスキータとメルセデスは、
無邪気にラ・ロリョーナのカード占いに興じている。<未来を占っておくれ>
カルメンも占いをしてみるが、彼女が引いたカードは死に神!<何度やっても同じこと>
その時遠くで銃撃の音が。竜騎兵が襲撃してきたのだ。
逃げる途中カルメンを庇ったホセは銃弾に倒れる。
その頃、ホセの故郷では母親が臨終の床にいた。
ミカエラはホセを連れ戻す決心をして旅立つ。
<何を恐れることがありましょう>
一カ月後、ホセはグラナダの屋敷でカルメンの
手厚い看病のもと、傷も回復していた。
しかし、この屋敷を用意してくれたのはエスカミリオだった。
その事を知ったホセはカルメンを賭けてエスカミリオに決闘を挑む。
駆けつけたカルメンはホセに
「あんたなんかもう愛していない!」と言い放つ。
失望したホセは迎えに来たミカエラと共に故郷へ帰る。
実はカルメンはミカエラから
母親の死が近いことを聞いていたのだ・・・。<あたしが投げた花を>
エスカミリオとセビリアに戻ってきたカルメン。
ラ・ロリョーナのカードは予言する。「光の中、一つの命が終わる・・・。」
闘牛を待ちかねていた人々の熱狂的に二人を迎える。
<街の声><闘牛士をたたえて>
闘牛場へ向かうカルメンの背後にホセが現れる。
ホセは今もなお変わらぬ彼女への愛を語る。<死のデュエット>
そんな彼に「誰にも私の自由は奪えない。」
と言って、カルメンは指輪を投げ返す。
ホセはカルメンの行く手を阻み、ナイフを抜く。
闘牛場からは闘牛の開始を告げるファンファーレが鳴り響き、
今、最後の運命のカードが開かれようとしている。
<やっちまいな>
事態の収拾にきたスニガはカルメンを縛り上げ、
牢へ入れるようホセに命令する。<セギディーリア>
あなたは私を愛してる、だから縄を解いて。
私はパスティアの店であなたを待っている・・・と。
ホセは呆然として縄を解いてしまう。
縛られたふりをして広場まで連行されてきたカルメンは、
突然ホセを突き飛ばし一気に駆け出す。
逃げる途中カルメンは一番獰猛な牛を見事倒し、
一躍英雄にのし上がった闘牛士エスカミリオと出会う。<ビバ・エスカミリオ>
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