さて随分間があいてしまったが、1級2次試験の報告。
しつこいようだが2次試験は実技である。色彩検定の実技って一体 何をやるの?というのは当然の興味だと思う。
一例で言うと、問題用紙には塗り絵のような輪郭線だけのイラストが 書かれていて、そのイラストに色をつけるためのいくつかの条件が 提示されている。その条件にしたがって与えられた色紙の中から色を選び、 解答用紙に切り貼りして答える、という形式。
イラストは服を着た人物であったり、家具が配置された部屋であったり、 建物の外観であったりと色々である。
条件として提示されるのは、1次試験までに学習した用語が出てくる。 色の組み合わせ(配色)にはいくつかの代表的なパターンがあって、 それぞれに名前が付いている。教科書の丸暗記ではなく実践的に意味を 理解していなければ答えられないわけだ。
そういうわけで、2次試験の受験票の持ち物欄には「筆記用具、身分証明書、 受験票、はさみ(カッター不可)、のり」と書いてあった。 これだけ見ると、なんだか楽しそうな試験である。
で、これが試験会場で配られる「色票」と呼ばれる色紙。
紀伊国屋などの大型書店でも購入することができる。紙質などによりいくつかの タイプがあるが、この一般的な199aは650円。
この色票は日本色彩研究所という機関が定めたPCCS(日本色研配色体系)と いう規格に従って選ばれた色が納められている。詳しいことは省くが、色調(色の イメージみたいなもの)を示すアルファベットの記号と、赤・青などの色相を示す 1〜24の数字とですべての色が表現され、それぞれの色紙の裏面に印刷されている。
出題に応じてこの中から色を選び、解答欄の大きさに合わせて切り取って、 のりで貼るのだ。
作業の効率化を図ってへむれんはテープのりを持参したのだが、 試験直前になってテープのりを紙に付ける時の「カリカリ」という音が うるさくないだろうかとちょっと不安になっていた。
が、実際に試験が始まってしまえばそれどころではなかった。紙をめくる音、 はさみで紙を切る音、はさみを置く(というより放り出す)音、とにかくやたら うるさくて、テープのりの音なんか全く聞こえなかったのである。 あんなに騒がしい試験会場をへむれんは初めて見た(笑)。
さてそれで、試験のできばえであるが・・・。
何となくわかっていただけるとは思うが、実際のカラーコーディネートに 「これが正解」などというものはないのである。色彩検定じゃなくても、 多くの実技試験には1対1の回答などない。
採点の効率化を図ってか、近年は出題されるコーディネートの条件は かなり細かく、誰が答えてもほとんど大差ないくらいまで限定されてしまう ような内容になってはいるのだが・・・それでも答えはひとつではない。
試験勉強中にも、参考書には模範解答しかなく、合っているのか間違って いるのかよく分からない状態で不安に思っていた。 「身近に誰か先輩がいれば・・・」そうすれば、正解とまで行かなくても、 どこに気をつければいいかなどの手引きが得られるのだ。 ここが独学の厳しいところである。
よって、本番の試験もできたのかできなかったのか、よく分からない状態で 終わってしまった。
しかも、今回は問題用紙と解答用紙が一体になっていて、問題用紙を 持ち帰ることができなかったのである。従って答えをメモすることも できず、答え合わせもできないまま、発表を迎えることとなった。
・・・「不合格:Bランク(あと5〜10点)」
残念ながら今回はあえなく敗退。一体どこがあと5〜10点だったのか、 合格ラインは何点なのか、全く分からないのが不親切と言うか・・・ それにこだわらず、まんべんなく勉強しろよという意味なのかもしれないが ・・・試験の結果はともかく、通知には大いに不満である。
まぁでも、何を言っても言い訳、努力が足りなかったということだ。 来年は1次試験が免除ということもあって、2次の勉強に充分時間をかけられる ので、今度はきっと!・・・の思いであと1年がんばる次第。
色彩検定を実施している機関:
A.F.T (社団法人 全国服飾教育者連合会)
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