今回は色の話ではなく、先日へむれんが受験した色彩検定についてのお話。
何年か前、興味本位で受け始めた「ファッションコーディネーター色彩能力検定」 であるが、面白くなって勉強を続けるうち、とうとう1級受験にまでこぎつけた。
いわゆる「色彩検定」とは、色彩に関する科学的知識、色彩がもたらす心理効果、 現代社会における色彩の機能・役割、文化・歴史と色彩との関わりなどの知識を 持ち、さらには自ら安全面・機能面・経済面・社会への影響などを考慮しながら 建築やファッション、インテリア、工業製品、広告などの分野での実践的な カラーコーディネートを提案し、それに対し理論的にも美的にも納得できる説明を する能力・・・を判定する資格である。
というような、難しいことが教科書には書かれている(笑)。
さて、それで実際にどんな問題が出たのか。
色彩検定は1級から3級まであるが、出題範囲はどの級もほとんど変わらない。 ただ、級があがるにつれ、同じ内容をより正確に、より詳細に知っている 必要があるようだ。
具体的には、一番代表的なのが「色彩体系」。現実に表現できる全ての色を、 近い色同士並べていって体系化する研究が大昔から世界中で行われていて、 それらの中でも特に有名だったりよく使われたりする理論を覚える。
それがなんの役に立っているかというと、例えば自分がデザインした広告を 印刷所で印刷してもらうとき、どういう色で表現して欲しいかを伝えるために 使われる。体系化された色には全て記号や番号がついており、それを伝えれば 本物の色を見せなくてもほとんど同じ色で印刷してくれるわけだ。
その他には人間が「色」を認識する仕組み、JIS(日本工業規格)による 安全色の規定とその意味(例えば赤は危険を表す)、同じくJISによって定められる 色の名前、染料の種類とその特徴、カラーコーディネイトの仕事の進め方や 一般的なルールなどなど。
ファッション関係の資格だと思われがちだが、その適用範囲は実に広い。 へむれんの勤めるコンピュータ関係でも充分に役立つ資格である(役立ってないけど)し、 普通に生活していくうえでも知っておくとなかなか便利な知識が多い。
試験そのものは、3級・2級はマークシート方式で、半分以上が4者択一。 ごくわずかに穴埋め式の記述問題がある。
1級は1次試験と2次試験に分かれており、1次はマークシートと記述 (以前は論述もあったようだが、近年は2・3級と同様の穴埋め式)、 2次は実技試験である。
1級の1次試験に合格すると、その年の2次に落ちても次年度に限り1次試験が 免除される。
というわけで、実際にへむれんが受験してきた1級1次試験、2次実技試験の 様子を、今後2回に分けてお話したいと思う。
色彩検定を実施している機関:
A.F.T (社団法人 全国服飾教育者連合会)
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