「色彩」に関心がある、というとファッションなどの華やかなイメージが あって、同じモノでもカラフルなものを選ぶと「ちゃらちゃらしてる」とか 「余計なもの」と思われがち。
でも実は、「色彩」には驚くべき力があるのです。それは皆さんが、 普段の生活の中で無意識に感じている、「色の言葉」。
私が色にこだわるアイテムに文房具があります。
一般的に文具・事務用品というと無彩色(白・黒・グレーなど)が中心で、 赤や黄色の色付き文具なんてものは若い女の子が「かわい〜」という感覚で 使うものという感じがしますね。
しかし色を事務用品に取り込むことは、作業効率のアップに効果が あるのです。次にその例をお見せしましょう。
たとえばあなたが、上司に頼まれてある書類を探すとします。 下の二つのボタンをクリックすると、それぞれ書類が並んだウィンドウが出てきます。 どちらの方が、早く目的の書類を見つけられますか?
例えば仕事で使う書類やノートの色を、プロジェクトの 種類や年代別に統一して使い続けると、自分の中にその仕事と色との 関連付けが無意識に出来ていきます。そして色の印象というのは、 文字の情報よりも長く、正確に残っているのです。
何年かたって、再び昔の資料を探し出すという場面で、 キャビネットの中に大量に並ぶファイルの中から探し出すとき、 直感的に色を連想できた方が探しやすいはずです。
また、自分以外の人にその資料の所在を伝えるときにも、 書類の名前を言うより色などのイメージで伝えた方が 資料の詳細を知らない人にも間違いなく、しかも素早く目的の資料を 見つけ出すことが出来ます。
そう、「色彩」とは文字や会話といった言語よりも、はるかに脳への 伝達スピードが速い「言葉」なのです。
「色彩」について知識を深めることの意義が、こんなことからも わかると思います。