「 風物詩 」

都会の 電光温度計が
体温計かと 思うような温度を
表示している
見回せば この街に
熱の逃げ場は どこにもない
建物の陰さえ 暑さ揺らめくのが見える

日が落ちて ビルより高く 花が咲く
日中 空を見ることを 忘れた人々が
闇を彩る 花を見る
うだるような 暑さに
愚痴こぼしたくなる この季節も
楽しげに思える 魔法の風物詩
取り戻された笑顔が
大輪に 照らされている


大きな景色へ

玄 関 へ