「 嘘つき 」

どんなに嘘をついてみても
本当の事は 無くなりはしない
硬いアスファルトから伸びる 雑草のように
塗り固めた嘘の合間から 真実が覗く

小さな嘘の上に またひとつ小さな嘘を重ね
些細な衝撃に 崩れ落ちることに怯え
いつか真実を 忘れ去ることを願いながら
束の間 自分の心にさえ 嘘を付く

疲れ果てても 強張る笑顔に
誰も 気付かない
そんな器用さが 仇となっていく

それでも まだ
本当の事は 無くなりはしない


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