ピアニスト平田フミトのホームページ

楽曲解説

Nuestra Vida 
(ヌエストラ、ヴィダ、私たちの生活、命)

この作品のテーマはVida (生活、命)です。あらゆるエネルギーを音楽から感じて頂ければこれに優る喜びはありません。音楽は感情の表現でありコミュニケーションだと思います。Vidaのエネルギーが自然に沸き上がってくるような作品を創ることが僕のモットーです。

60秒のVida こんな曲を1曲目にやりたいと思っていました。最も伝わりやすい楽音=人声(平田、ゲタ夫)をメインにイメージした小曲です。録りを進めていくごとに何度となく妙な盛り上がりが訪れて気がついたらとんでもない時間になってました。
Evening Dance 6/8拍子の可能性を僕なりに追求して書いた曲ですがそれを遥かに超えた素晴しい作品が生まれました。様々なダンスが楽しめる大曲です。
Salvador めくるめく展開するスリリングな一瞬をイメージしてみました。救世主(サルバドール)は果たしてどのような運命を私たちに与えてくれるのでしょうか?
Isla Delfin イルカの島。という意です。僕は彼等を見てると何故か穏やかな安らいだ気持ちになります。ゆっくりと、ゆったりと、でも時には生死を賭ける嵐やトラブルも訪れます。
Luna De Amor 僕はある日不思議な男に会いました。その時からこの曲は彼に歌ってもらえたらと思ってました。生まれてはじめて作詞をしました。何かがこの曲を導いてくれました。
Agua Elegante カネボウのCM(肌美精)に提供させていただいた曲(即興演奏=インプロビゼーション)をサルサとコラボレーションしてみました。不思議な趣きのあるラテンジャズになったと思います。
Buenos Dias 僕の曲が出来る時は何故か起きがけの早朝が多いんです。1枚の紙きれからこんなに素晴しいグルーブが生まれるなんて驚きです。
Van Van Express 軽快なドライブはいつも順調とは限りません。車だっていろいろ大変なんです。という以前の愛車に捧げた曲です。
Gracia(Solo Piano)
Dedicated to Motohiko Hino
お別れの日、帰宅してふとんにはいったらトコさんがドラムをチューニングしている姿がまぶたに写りました。すぐにピアノの前に座りました。この曲をくれたのはトコさんです。ありがとうございました。


アルバム完成によせて 

このアルバムを作ろうと企画を始めたのは確か昨年(1998)の10月頃だったと思います。それから1年、素晴しいプロデューサーと制作スタッフに恵まれて僕の予想を遥かに上回る素晴しい作品が出来たことを心より感謝致します。個人的には世期末のフュージョンをやるんだ!と意気ごんでおりましたが実際にはそんなちっぽけなカテゴリーでは入りきれない程のスケールの大きい新世界が生まれたと思います。また僕の曲を鋭い時代のセンスで捉え、発展させ、演奏してくれた素晴しいミュージシャン達に心より大きな拍手を送ります。そして僕のスタンスと音楽的感情をしっかりとうけとめて常にクリエイティブな環境を用意してくれたプロデューサー・高橋ゲタ夫さん。エグゼクティブプロデューサー・生平容一さん。クリアーで深みのある音を的確に捉えてくれたエンジニア・徳永陽一さん。蛯原美智子さん。僕の新しい一面を引き出してくれた三上洋子さん。サトウヤスオさん。堀米真紀さん。素晴しいデザインを提供してくれた宮部たかしさん。その他本作品の制作に関わった全ての方々に心より感謝致します。

       平田フミト


平田フミト:NUESTRA VIDA:に寄せて

平田フミトは素晴しい作曲家だ。曲が良いからこそ、演奏者が自分なりのイメージを自己の中に直ちに取り込み素直にインプロバイズすることができる。曲によっては多少、繊細な技術を要求されるものもあるが、彼の同朋達は見事に自己表現の手段の一つとしてしまう。こんな素晴しい仲間をもっている平田フミトは本当に幸せ者だ。
どうしても今世紀の内に今の自分をアルバムに表現したいと練り上げたこの作品集は、心の解放を願いながらも、常に何かに緊張している。この時代の空気を吸い込んで即座に吐き出された*ヒラータ*の素顔が見える。そこには、JAZZもLATINもFUNKもCLASICさえも融合させ、激しく時にはゆったりと滑らかに展開されていく美しい世界がある。
これからも、平田フミトと彼の親愛なる楽士たちが織り成す愛あるコミュニケーションを見守りつつ、共に、切磋琢磨してゆこうと思う。 

        高橋ゲタ夫(Producer)  1999 / JUNE / 18