創世記

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一日め、神はおっしゃった。

『光あれ』

(中略)

六日め、神がアダムをお創りになっていた時、突然携帯が鳴ったので神の手元が少しだけ狂い、アダムは不完全なものになってしまった。

ただでさえ不完全な人間を一人ぼっちにしておくのは哀れだとお思いになった神は、アダムの肋骨を一本折り、それを元にもう一人の人間・イブをお創りになった。

男女で肋骨の数が違うのはどうかとお思いになった神はイブの肋骨も一本折り、それをご自分の携帯のストラップにお付けになった。神はこれをよしとされた。

七日め、神は携帯に着メロを登録するため休息をおとりになった。

以来、人間は失われた肋骨を求めて、携帯ストラップに付けるマスコットを集めることに熱中するようになった。 しかし集めても集めても肋骨がもとに戻るはずはなく、人間の心は決して満たされることがないのであった。


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