参考文献一覧

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「MS天国」「MS地獄」で参考にしている資料を紹介します。

末尾の※印は5段階でその資料の使用度を表わしています(※が多いほど高い)。また、それぞれに対する自分なりの感想も加えてみました。参考にしたり、楽しんでもらえれば幸いです。

なお、各資料は発行者のアイウエオ順に並んでいます。


朝日ソノラマ/『機動戦士ガンダムI』『II』『III』

旭屋出版/『MOBILE SUIT GUNDAM THE MOVIE I』〜『VIII』

角川書店/『NEWTYPE100%コレクション機動戦士Zガンダムメカニカル編1』『2』『機動戦士クロスボーンガンダム1』〜『6』

講談社/『コミックボンボン緊急増刊 機動戦士Zガンダムを10倍楽しむ本』『ガンプラ・ジェネレーション』

大日本絵画/『宮崎駿の雑想ノート』『月刊モデル・グラフィックス』『GUNDAM SENTINEL』

竹書房・『ガンダム画報』

ティーツー出版/『機動戦士ガンダムMSパイロット名鑑[一年戦争編]』

バンダイ/『機動戦士ガンダムプラモデルシリーズ解説書』『EBシリーズ「MS大図鑑」 Part1』〜『8』『MS大全集』『M.S.ERA』

ホビージャパン/『月刊ホビージャパン』『GUNDAM WEAPONS』『08小隊戦記(1)』『一年戦争史』『機動戦士ガンダムRPGアドバンストエディション』『ガンダムメカニクスI』〜『III』

ムービック:大河原邦男画集

メディアワークス/『機動戦士ガンダム大図鑑 1』『2』『データコレクション機動戦士ガンダム 2』『8』『MS ENCYCLOPEDIA』『機動戦士ガンダム [MS大全集98]』『機動戦士ガンダム ムーンクライシス上』『下』『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』『サイドストーリーオブガンダムZ』

ラポート/『機動戦士ガンダム大事典 【一年戦争編】』『機動戦士ガンダム宇宙世紀vol.1歴史編』『vol.2大事典編』『vol.3伝説編』『vol.4総括編』


朝日ソノラマ/機動戦士ガンダムI〜III※※)

TV・映画版のガンダムと、小説版との折り合いをどうつけるかというのは、我々にとっては古くからある問題だ。現実問題、どの程度参考にするかはともかくとして、TVや映画を前提としている多くのガンダム本にはない視点がこの本にはある。宇宙世紀世界をより深く理解するためにはたいへん有効なテキストと言えるだろう。

 

旭屋出版/MOBILE SUIT GUNDAM THE MOVIE I,II,III,IV,V,VI,VII,VIII(※※※)

心の師匠であり、現実の仇敵である与謝野折檻さんに「旭屋の持ってないんですか!? アレは買っといた方がいいですよ」と怒られて買いました。うーん、確かに言いたいことはわかる。『ガンダムセンチュリー』の永瀬唯氏とかが絡んでるし。宇宙世紀世界とかSF的科学考証なんかについては文句ないでしょう。

でもね、でもね。俺は「ガンダムファン」じゃなくて「モビルスーツファン」なのよ。一番好きなシリーズはファーストでもポケ戦でもなく「MSV」なのよ。そういう奴なんですよ俺は。だからある意味、メディアワークスのクソのようなMS本の方が、実はうれしかったりするんだなコレが。MSデータみたいのがない訳じゃないけど、それ自体は他の本でも事足りるっちゃあ足りるしね。そういうことです。

 

角川書店/NEWTYPE100%コレクション機動戦士Zガンダムメカニカル編1(※※※)

角川書店/NEWTYPE100%コレクション機動戦士Zガンダムメカニカル編2(※※※)

ガンダム20周年ということで復刻されたニュータイプの別冊。他にキャラクター編の1、2も再販されているが、キャラに興味はないのでパス。金もねえし。この本はいわゆるアニメ誌の別冊という感じで、TV画面から取り込んだ図版がやけに豊富、一方で深く突っ込んだ解釈や考察は少ない。ま、そういうのは模型誌の方が強いからね。したがって直接参考になったところは少ないが、いろいろ図版を眺めているのは楽しかったし、ある程度想像力も刺激されたので星3つ。

 

角川書店/機動戦士クロスボーンガンダム1〜6(※※)

意外と面白かった。長谷川裕一はドイツ人になぶり殺されても文句は言えないような「どロリコン」であることは間違いないし、最終的にストーリーが「世界の危機」にまで広がってしまうのも不満と言えば不満だ。ガンダムのサイドストーリーは基本的に、「誰も知らないところでひっそりと起こった話」にするべきだと思うのだが、どうだろう? そんなにしょっちゅう世界が破滅する危機に襲われてばかりいるのか、宇宙世紀という時代は?

しかし一本のマンガとして読めば、それほどヒドい出来ではないと思う。ま、表紙にガンダムと書いてなければ俺も買わなかっただろうし、定価で買うのはちょっと高いかもしれない。でもまあ、あまりにお寒いガンダム出版事情の中で、「まあまあの出来」は「かいしんのいちげき!」と容易に摩り替わってしまいやすいのだ。少し目が曇ってるのかもな、俺は。

 

講談社/「Zガンダムを10倍楽しむ本」(※※※)

ネット上のガンダム友達に教わったレア本。ボッタくることで知られる(らしい)神保町のカスミ書房で\6000しました。基本的には「Z」放映直前に出た本で、それに関してはコレといって目新しいものはないのだけれども、注目したいのは終わりの数ページ。現在では入手困難なMSV、MS−X関連の貴重な設定画が盛りだくさん。この手の設定は講談社の発注によって起されたものらしく、従って講談社以外の出版社から再録される可能性はたいへん低いものなのである。1999年2月の時点では\6000でも目玉が飛び出ましたが、その後いろいろあって今はもっと上がっているんじゃないでしょうか。オタクってやあねえ。

 

講談社/ガンプラ・ジェネレーション(※※)

先の「Zガンダム10倍本」の中古価格をおそらくつり上げたであろう、ガンダム20周年記念本。その中心は「プラ狂」だが、MSV関係でも見逃せない画稿などがチラホラ。とまれ、ストリームベース対談を実現させたのはさすがというか、やられたというか。悔しいなあチキショウ。

 

大日本絵画/宮崎駿の雑想ノート(※※※)

ガンダムと直接の関係はありませんが、史実と創作を巧みに織り交ぜ、如何にリアリティのある嘘をつくかという点においては、とても参考になります。この本は読み物としても楽しいし、「あーそういうこと、本当にあったかもしれないな」と思わせる技術も上手です。真似したいもんです。

代表でこれ1冊出してますが、他にもWWUものを中心とした戦記ものは有形無形の経験値となって自分を支えていると思います。サブロー・サカイの「大空のサムライ」とか、小林源文の劇画とか、「Panzer」「戦車マガジン」「航空ファン」「Gun」「Arms Magazin」「コンバット・マガジン」、その辺挙げてけばきりがないですが、一時期流行った「架空戦記」ものは一切入ってません。だって読んだことないもん。面白いのか、アレって?

 

大日本絵画/月刊モデル・グラフィックス※※※※)

最近ガンダム系に関してはHJの方が強いようですが、センチネル連載時のものを中心にバックナンバーは役に立ちます。また別冊である「Project Z」「Mission ZZ」に関してですが、アプローチの仕方は参考になるものの内容そのものは素直に受け入れられません。センチネルで見事に昇華され、確固とした存在になっているZプラスやG-Vに比べ、レイピアTやエプシィなんかはいまいち「弱い」ような……。この辺はもう感覚の問題ですけどね。1990年6月号(Vol.68)を持ってる方、いくらなら売ります?

またガンダム記事だけでなくミリタリー関連の記事はHJやモデルアートより読み応えがあり、資料的価値も高いです。「世界の駄っ作機」なんかは最高。「MS天国」も、「ガンダム世界の駄っ作機」目指して精進を重ねる毎日です。

 

  
大日本絵画/GUNDAM SENTINEL(※※※※)

「MS天国」は今のところ一年戦争中心ですが、その前後の足場がしっかりしているにこしたことはありません。「Z」や「ZZ」をここまできっちりと固めてもらえれば、一年戦争についてもだいぶやりやすくなります。また理屈づけやアプローチの仕方など、直接ではなくても参考になる部分はいくらでもあります。特に富野やサンライズやバンダイでない側の人間が誠実にガンダムと関わろうとする時、どのような態度であるべきなのかについては非常に役に立つでしょう。やっぱりすごい本ですこれは。

 

竹書房/ガンダム画報(※※※)

これが意外とクリティカル。ガンダム20周年に粗製濫造され続けるガンダム本の中でも、かなりの完成度を誇っている。これ一冊あれば、SIDE7辺りでマヌケな質問なんかしなくても済むんじゃないかなあ。宇宙世紀内よりは、外から見たのデータが多いし、若干の間違いがない訳でもない(MSスペックの数値など)。しかしこれだけの情報がきっちりまとめられているのは、素直に賞賛したい。確かに値段はかなり高い(2400円)が、全ページカラーだし、俺は納得しているよ。

 

ティーツー出版/機動戦士ガンダムMSパイロット名鑑[一年戦争編](※※※※)

つまらん。ご苦労様ってカンジ。だから俺はモビルスーツが好きなんだよ。キャラクターとかどうでもいいんだよ。[一年戦争編]ってことは、その後も出るのだろうが、買わないと思う。ただ、MSやMAに付随した情報がなきにしもあらずなので、それは押さえておきたいが、特に目新しい情報もなさそうだ。深く読み込んだ訳ではないからまだなんとも言えないけれど、そもそも深く読み込もうって気にさせてくれない本であるのは確か。

そういうのが好きな人だけ買ってください。

 

バンダイ/機動戦士ガンダムプラモデルシリーズ解説書(※※※※※)

「MS天国」の原点とも言えるものです。これがあったからこそ、或いは全てのMSについてこういう文章が欲しかったからこそ「MS天国」を始めたようなもんです。特にMSVシリーズのものはとてもいい出来で、かつては擦り切れるまで何度も読み返したものです。オダマサマン万歳!また「ポケ戦」シリーズのものもいい感じですが、MGシリーズに関してはモノが高額なため、持ってません(買えません)。チラっと見た限りでは、それほど大事なこと書いてあるようにも見えなかったし……作る気もないプラモデル買うのは、モデラーとしても許せない気がしますしね。

   

バンダイ/EBシリーズ「MS大図鑑」 Part1〜8(※※※※※)

「ガンダムセンチュリー」を持ってない私にとっては、それに代わる役割を果たしてくれるものです。他の資料が一切なくても、これさえあればなんとかなるというスゴイもの。一度再販されましたが、現在では入手困難なのではないでしょうか。私も「戦略戦術大図鑑」持ってません。……今、いくらぐらいするんだろう。

   

バンダイ/MS大全集(※※※)

EBシリーズに次いで参考にしています。「逆シャア」公開記念で出た本だから……10年経ってるわ。多分、これが進化してEBシリーズになったんでしょう、よう知らんけど。量、信頼性ともにそこそこで、特にスペックなんかは意外なものが載っててお役立ちです。

   

バンダイ/M.S.ERA※※※)

体裁は写真集ですが、一年戦争以前の状況について、確認程度に使ってます。あと英文表記についてもお役に立ってますが、信頼性はいまひとつか。「星一号作戦」を「Operation Star 1 Star」と書いてあるのは何か根拠があってのことなのでしょうか。「Star 1」でいいと思うんだけど……こういう怪しげな記述があると、他の部分の信用もガタ落ちするんだよな。そんなこともあって星は3つ。

   

ホビージャパン/月刊ホビージャパン(※※※※)

マスターグレードとバーチャモデラーでイケイケのHJ。ホームページ作ったはいいが、意味もなく画像重い上内容スカスカだぞちきしょうめ。リンクしてるけど。マスターグレードのインストのおかげでいろいろ煮詰まっている部分もあって、それは有り難い限り。YMS-14は25機造られて、テキサスでシャアが使ったのはそのうちの1機、残りの24機は「キマイラ」へ渡ったとかね。この考え方は随分前からあったにはあったけど、今ひとつはっきりしなかった。でももう、これで決着でいいんでしょうね。しかしガトー機については今一つすっきりしない。ガトーが「キマイラ」に参加してたとは思えないし。ま、バックナンバーも役に立ちます。

   

ホビージャパン/GUNDAM WEAPONS(※※※※)

これもかなりイイ感じ。特にMS-06Rのやつは素晴らしい。ゲルググとGP01は買ってないが、それ程必要ではないと判断したため。あとMS-06F/Jのやつを探してるけどない。買っときゃよかった。最近のHJ本誌に載った分はたいがいここで再構成されるので、これだけでいいかも。

   

ホビージャパン/08小隊戦記@(※※)

HJのくせにこりゃ何だ? 08小隊自体がクソだと思っているけど、このムックも最低。明らかな間違いやいーかげんな記述が多すぎて、まともそうな部分にもちっとも信頼がおけない。08小隊に関するものを除き、ガンダム世界で新しい知識や理論付けなど得るものは全くなし。他の本で事足りる。ペッ!

   

ホビージャパン/一年戦争史 (※※※)

ホビージャパンの雑誌『RPGマガジン』の別冊。最初は使えないと思っていたけど、案外いけるかも。ガンタンクに関する理屈付けなんかはなるほどと思わされた。イタダキィ! 他にもいろいろ新説・新解釈を展開しているようだけど、残念ながら素直に信用はできない。多少の間違いはあるけど、ここで問題なのは主に「先走りすぎ」なところ。

TRPGなんで仕方ないが、ルウム戦役やソロモン攻略戦など有名な戦闘に関して、それぞれの艦隊名や艦艇数をきっちり書きすぎている。これをそのまま受け取っていいものか?言っちゃあ悪いがHJごときがそんなことまで「決めちゃって」いいのか?残念ながら、「あくまでゲームをするため、便宜上設定したもの」としか受け取れない。悪いけど、おいしいトコだけつまみ食いさせてもらうね。

あと所々についてる「ストーリー」らしきものも何だかな。「ドジでかわいい女の子が一生懸命ガンバガンバ」することに一定の需要があるのはわかるけど、下手な同人誌みたいなことやって欲しくないなあ。面白きゃ何でもいいんだけど、死ぬほどつまらんかった。こんなもんなら要らんから安くしてくれ。

 

ホビージャパン/機動戦士ガンダムRPGアドバンストエディション(※※)

上の「一年戦争史」の補足・追加拡張版、といったところか。相変わらずTRPGしない人にはなんのことやらさっぱりである。資料として「使える度」は「一年戦争史」よりもさらに落ちるが、まったく使い物にならないという訳でもない。趣味で買うものですな。

 

ホビージャパン/ガンダムメカニクスI(※※※※)

20周年記念出版、だろうか。A5サイズのカード形式で、各MSについてのカラー図版と裏には解説。図版は大きくて色もまあきれい。解説もどこかの丸写しではなく、一応考えられているようだ。個人的にはアッガイの解説文、どこかで読んだことあるような気がしているのだが……。作りも高級っぽくて、資料本というよりカードコレクション的なニュアンスが感じられる。今後もシリーズが続くようなので、できればMS-Xなんかも取り上げられるよう、期待したい。

 

ホビージャパン/ガンダムメカニクスII(※※※※)

上記のヤツの第2弾。一部のMSV、MS-Xに加え、0083や08小隊モノが扱われている。可もなく不可もなく、といったところか。決してヌルい内容ではないが、かといって「うっひょ〜」という訳でなし。というのも俺自身、ガンダム考証学のフロントラインに立っているから、というと自信過剰か。でも少なくとも、かなりそこに近い場所にいることは確か。従って「MS天国」の参考には大してならないが、決してクソ本でもないはずである。

それにしてもガンタンク、あんなことになっちゃったのね…。

 

ホビージャパン/ガンダムメカニクスIII(※※)

第3弾。もはや時代は「Z」に移っており、従って俺的にはもうどうでもイイ感じ。です。

 

ムービック/大河原邦男画集 (※※※)

いやあつい買っちゃったけど画集だから特に資料になることはないんだよ。しかもこう言っちゃなんだけど、イラストレーターとしての大河原センセははっきりいってヘタだしね。でも好きなの。それにあのムーブメントの渦中を経験した人間にとっては、懐かしいイラストの数々を見ているだけで幸せ。なんつーか、「ああ、俺ってほんとガンダム好きなんだなあ」ということが再確認できてよかった。ノスタルジーだけで\2400というのは人によっては高いかもしれない。Zガンダム以降からガンダムに入った人は買わなくていいと思う。

 

メディアワークス/機動戦士ガンダム大図鑑 1〜2(※※)

バンダイEBシリーズとそっくりの装丁の、Vガンダム本。「MS天国」に直接役に立ったことはないが、間接的にも…ないわ。EBシリーズより質はやや落ちる。文章も変な繰り返しや無内容なものが多いし。ま、Vガンダムについて知りたい人にはいい資料かも。入手も比較的容易みたいだし。しかし今思えば、「データコレクション」シリーズの劣悪な内容がある程度予想できたな、この時点で。

   

メディアワークス/データコレクション機動戦士ガンダム A〜D(※)

クソ! EBシリーズの極めて悪質なコピー。どうしようもねえなちきしょう、ひでぇよまったく。間違いも多いし、なんか「ガンダムの本出しゃバカが買うから儲かるだろう」みたいな底の浅いサル知恵が見え見えだ、買ったけど。よく知らねぇ奴が偉そーにガンダム本作ってんじゃねぇよ、スッタコがぁ! EBの丸写しならともかく、水増ししてるだけだから有意な情報量は減ってる上、写し間違いも多い。しっかりしろよメディアワークス!

一番笑ったのはZ-MSVのガンキャノンディテクターとメタス改について。「地上戦で活躍した」のがG・ディテクターで「ハイメガキャノン」持ってるのがメタス改なんだけどこれ、バンダイがかつて出した「MS大全集」に載った時、絵と説明文が入れ替わってたんだよな。ところがこの本、その間違いが「そのまま丸写しに」されている。バーカ!

唯一評価できるところは、現在入手が容易、ということだけだろう。他のいい本持ってる人は、買わなくていいです。これで¥880?いい商売してやがんな、ケッ!

ただ(8)の「F91編」に関しては、一応買いだと言っておこう。F91映画本編ではなく、その周辺にまとわりつく「F90」や「シルエットフォーミュラ」などのMSを扱っている資料は少ないからだ。私自身、これでビギナ・ゼラとかをちゃんと知りました。別にどうでもイイ機種だけどさ。

 

メディアワークス/MS ENCYCLOPEDIA機動戦士ガンダム [MS大全集98](※※※)

ガンダム20周年記念ということで出たMS本。しかし内容はかつてバンダイが出していた「MS大全集」を基本的に丸写しした上、「08小隊」などの新しいネタを加筆しただけ。したがって前の間違いや誤植なんかも丸写しにされている。他にガンダム本を一切持ってない人なら、\1900はお得かもしれない。マニア度が高いほど、がっかり度も大きい本だろう。

 

メディアワークス/機動戦士ガンダム ムーンクライシス上・下(※)

松浦まさふみ氏によるオリジナルガンダムコミック。俺がもうちょっとキレやすい若者だったら、ソッコーで燃やしてたな。「ガンダム的にどうの……」という前に、一本のマンガとしてクソ。まあそんなこと言ったら、たいがいのガンダム作品がそうなんだけどさ。同人でやってくれよ。

 

メディアワークス/機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91(※)

やすだひろしによるオリジナルガンダムコミック。以下同文。

 

メディアワークス/サイドストーリーオブガンダムZ(※)

近藤和久氏によるオリジナルガンダムコミック。よくこんなの出版したなあ。「とんち番長」の最終回よりヒドいぞ。だってオチてないよ? 全然尻切れトンボで終わってるじゃん。こんなことしていいの? 怒られないの? 世の中ってそんなもんなの? ガンダムにまつわるビジネスが、いかにヌルくてなあなあで甘ったれたものであるかを痛感できる一冊。

あくまで「途中まで」と考えれば、言いたかったことがわからんでもない。確かにティターンズがハイザックやマラサイ使うのはヘンだもんな。ジオン側が使った方がスッキリはするもんな。でも俺のスタンスとしては、そこまでのちゃぶ台返しをするつもりはないから。それはもう「解釈」の域を超えてるっつーかさ。

 

ラポート/機動戦士ガンダム大事典 【一年戦争編】(※※※※)

TVシリーズのガンダムについて、アニメファン的なアプローチをしている。模型畑の自分にとっては、ある意味異質な本。「当時の」考え方を尊重しているので、現在の定説とは食い違う面もあるが、編集後記にもそれはきちんと明示してあるので、使う側としては安心して割り切れる。ガンダム本作るなら、こういう愛に裏打ちされた誠実な態度が欲しいもんだ。聞いてるか、メディアワークス! 星は4つだが、MSデータ的な分量が物理的に少ないため。資料そのものとしては、5つ星あげたい気分です。

 

ラポート/機動戦士ガンダム宇宙世紀vol.1歴史編(※※)

アニメック編集としての視点から、当時のガンダムブームを振り返る、という感じ。ガンダム世界における多くの設定・解釈がどのように成立していったのか、その一端が垣間見れて興味深いといえば深いが、そんなもん別にどうでもいいとも思う。俺はアニメファンじゃなくて模型ファンだからなあ。アニメ誌一冊も買ったことないし。

当時の内実暴露は悪くないが、少々自慢話っぽくてうざったい感がなきにしもあらずである。あと「知らなかったでしょ、ほんとうはこうなんですよ」的な人を小馬鹿にした態度の割にはしょーもない間違いもあったりしてムカツキ度2割増し。白系ロシア人なんて人種がいるとは、知りませんでしたなあ。

役に立つといえば立たんでもない、という感じ。Zや逆シャアやF91辺りからガンダム業界に足を踏み入れた人、あるいはアニメが大好きな人にはとてもいい本なのかも知れない。年表成立の経緯はともかく、年表として特に目新しい情報があるわけではない。他の本でも事足りる。vol.2のメカ・用語編に期待。

 

ラポート/機動戦士ガンダム宇宙世紀vol.2大事典編 (※※※)

上の歴史編に続いてでた大事典編。メカ・キャラの用語集、とでもいいましょうか。以前同じラポートから出ていた『機動戦士ガンダム大事典 【一年戦争編】』と、基本的に内容は同じ。という訳で、前のを持っている人にはコレクターズアイテムだろう。正直言って、ややガッカリ。各MSやMAの英字表記があるのはちょっとうれしいかな。

 

ラポート/機動戦士ガンダム宇宙世紀vol.3伝説編 (※)

更に第3弾。昔「ガンダム伝説」という本があったが、これはそれを更に狭く深くしたような感じかなあ。アニメックというアニメ誌の視点から、当時のガンダムムーブメントを振り返るものである。というとvol.1とどう違うのか説明しづらいが、こちらの方がより「想い出話」色が強いのは確か。著者自身も認めているが、書いてるうちにガンダムの話なんだかアニメックの話なんだかわかんなくなっちまってる。「ガンダム」と銘打ってこんだけ強引な「アニメック中心史観」を展開されてもなあ。当時を知らない若いモンは信じちゃうじゃないのよ。

俺は決して「アニメファン」ではなく、戦記や兵器やメカが好きなプラモデルおたくである。さして視聴率もふるわず、おもちゃも売れなくて打ち切りになったアニメが、いかにして20年もの間衰えぬ人気を維持するビッグタイトルに成長していったのか。その原点は間違いなくアニメファンやSFファンであり、20歳前後の「大きいお兄さんお姉さん」達であったろう。

しかしあのムーブメントをハナタレ小学生として経験したオイラ自身も、間違いなくあの空気を吸い、ブームを支えた「実感」を持っているのである。ジャリタレはジャリタレなりに。再放送、そして映画化へという流れまではそれなりに記録されているのだが、その後「Z」へ至るまでの「間」がほとんど語られていないのは、その世代としては残念である。

しかしそれも当然と言えば当然だ。「その後」、極論すれば「アニメ新世紀宣言」というイベント以降のガンダムシーンは、ムーブメントを作った人達ではなく、それに乗っかった人達のものだったからである。主役はアニメファンとアニメックではなく、モデラーとホビージャパンになったのだ。あとボンボンとか。だからアニメックが「その後」を語ることがないのも、至極当たり前の話なのだろう。

かつての「大きいお兄さん」達がこうしてエラソウに語っているのをみると、当時のクソガキとしてはなんとなくやっぱ悔しい。俺らにもなんか言わせろ。そういう気持ちがある。やっぱその世代はその世代として、プラモデルを中心としたガンダムムーブメントを振り返ってみたいよな。いつかどこからか、そういう本が出るといいなあ。「ストリームベース」とは結局何だったのか? とかね(モデルグラフィックスみたいだ)。

だいぶ話がずれたがこの本、「MS天国」の参考文献としては価値ゼロである。しかし一冊のガンダム本としては、それなりに価値のあるものだと思う。が、いずれにせよ俺は「過去がどうであったか」より「これからどうなっていくのか」の方に興味があるのだ。今現在のガンダムシーンの末端を、及ばずながら担っている一人としては、ね。

 

ラポート/機動戦士ガンダム宇宙世紀vol.4 総括編 (※)

いわゆる「ファースト」以降のガンダムについて。設定資料や、アニメ制作のスタッフリストなど。これは要らないね。アニメックがまがりなりにも他の本と差別化してきた「制作スタッフとの関わり(=癒着)」の構造が、「Z」以降ではなくなってしまっていること。それがいい意味では「ギョーカイの内幕ばらし」だし悪く言えば「一方的なアニメック中心史観」でもあったのだけれど、「Z」以降は単なるアニメ誌。つまり他の本でも事足りるということ。マジ要らんです。

 

その他、ガンダムへのあふれると、ほんのちょっぴりの想像力♪

や、笑い事じゃなくて。本当、愛は大事っすよ。「ただ好き」なだけの恋と違って、相手のイヤなところも含めた全てを受容できる深い愛。ガンダムやザクだけじゃなくて、ジュアッグやペズン・ドワッジにも同じだけの気持ちを注ぎ込める愛。私を支え、突き動かしているのは間違いなくそれです。後は兵器に関するちょっとした経験値と、ちょっとした想像力、うまい嘘をつくためのテクニック。この辺はまだまだ修行中ですが、とにかく「MS天国」はそんなものから作られています。これからもどうぞよろしくッス。


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