『インタートップ』 富士通のひん曲がった根性の象徴

『インタートップ』 富士通のひん曲がった根性の象徴

 購入までの経緯  携帯用端末で,インターネットに入れて,メールの確認が出来る機器が欲しいとは 以前から考えていた.ほぼ同じ時期にSHARPからパワーザウルスと,富士通から インタートップが登場して俺様をかなり迷わせた.                 本当は今回見送って,次世代の携帯機器に期待をするつもりだった.然し,手元の OASYS-POCKET 3に,かなりガタが来ていた背景もあって,中古売り場を覗いてみた. そこにインタートップの親指シフトがあったのだ.                 同時にパワーザウルスのカメラ付きが並び,正直なところ,どっちにしたものかと 迷ったが,結局,携帯ワープロ的な使い方を考えていた基本的な目的を優先させた. あるいは失敗だったかも知れぬと思っているが….                 実際,インタートップは発売開始早々,中古市場に流れて来ていた.この場合は, 大抵,製品自体が期待外れなケースが多いのである.金融絡みでの未開封品と違い, 製品を判断する一つの材料にはなると考えられる.                 買った途端に失望  親指シフトマシンの代替え機として,他の多くを期待せずに,思い切って買った. 頭からの思い込みとして,少なくとも,OASYS-POCKET 3程度の機能はあるのだろうと 決めつけていたのである.が,世の中は甘くない.                 文書作成に使う『テキストノート』機能が,極めて素っ気ない仕様で愕然とした. まず,行の右端左端の文字数を指定出来ない.画面の四十文字限定である.これより 短い文字数の場合には,テメェで勝手に改行する.                 大体,富士通は連綿として,進化のない旧態依然たる機能を継承して,新製品だと 客を欺いてきた.例えば,OASYS-POCKETシリーズては,常に,バックアップの電源が 外れたりするとプログラムが消えて使えなくなる.                 この場合,もはや自力で元に戻すことは出来ず,サービスセンター送りしかない. 俺様は,これで何度,富士通のサービスセンターに足を運んだか分からない.然し, 富士通は,この欠陥を3代受け継いで改善なし….                 実は,インタートップにも同じ欠陥が内在している.ただ,バックアップの電池が 取り出し不能で,常に充電される仕組みで,発生しにくくしてあるだけに過ぎない. この電池は取り出すと元に戻せない構造だという.                 つまり,メモリ内のプログラム消失が理由ではなく,電池を挿入するサービスだと 思わせて今までの欠陥ではないと思わせる? 通常作業に使用する電池を取り出して しまえばバックアップ用も確実に消耗してしまう.                 結局,この欠陥だけはしっかり陰に隠れて受け継いでおきながら,文書作成機能を 意図的に後退させているのだ.多分,自社のワープロ専用機が売れなくなる恐れから 敢えて,そんな仕様にしてあると俺様は邪推する.                 例えば,OASYS-POCKET 3とほぼ同じ機能で,登場して何年も経過したモデム内蔵で フロッピーディスクドライブを内蔵した携帯ワープロOASYS 30-AD405の実売価格は, インタートップよりも三万円高い現実があるのだ.                 もしインタートップに,ワープロ専用機と同じ機能を搭載してしまったら,もはや ワープロ専用機に走る人間はいなくなるだろうと思う.少なくともOASYS 30-AD405は 売れる見込みはなくなる.だから機能を間引いた.                 実際,わざわざある機能を削って製品に搭載するのは,かなり面倒な作業だろうと 想像する.手抜きの富士通が手間暇かけて,文書作成機能を弱体化させ,ワープロに 花を持たせた.Vzエディタても乗せて使うか…?                 インターネットへの接続機能  例えば,俺様はインタートップがあれば,出先からでも自分のホームページにある アクセスカウント位は確認出来るだろうと思ったが,これもとんでもない間違いで, この部分は,全く表示されず,目的は果たせない.                 Windows 95に慣れたインターネットへの接続と比較すると,かなりの違和感の中で 行わねばならない覚悟が必要である.プロンプトを選択すればDOS/Vマシンにも なる.FTPとかTELNETも使えそうだが….                 残念ながら使い方がWindows 95上とは違うようで,現実にはまだ使用していない. 結局,当初の目的であった文書作成機能も,インターネット機能も,パソコン通信も 一つとして満足なものはない.ナンジャこりゃ….                 数少ない利点は?  辛うじてE−mailの送受信が出来る点が一つの救いかも知れぬ.この程度なら パワーザウルスの方が良かったかも知れぬと思える.然し,出先での文書作成機器の 位置づけで我慢するしかない.                          この記述は,インタートップ上で行っている.主に喫茶店で文書作成をする俺様は OASYS-POCKET 3では,キータッチの音が甲高く周囲に響くことが気になっていたが, インタートップでは,これがほとんど聞こえない.                 特にひどい不都合  パソコン通信機能では『自動ログイン機能』のパスワード送信がうまく行かない. 何か余計なゴミを一緒に送っているとしか思えない.俺様は,niftyへの加入を していない.だから,そこの仕様と合わないのか?                 然し,今までのOASYSワープロによるパソコン通信では,出会ったことのない 現象である.従来の機能を間引いたことで予期せぬ欠陥が生じたか? 親指シフトを 用意した点でワープロ扱いなのだろうと判断する.                 更に,困ったことには,パソコン通信の掲示板に,テキストファイルで書き込みを しようにも,その送信機能がない? マニュアルの記述がお粗末で,仕様の詳細など 分からない.ワープロ通信の方がより簡単である.                 インターネットにアクセス中,何故か暴走してキー操作が一切不可能になることが かなりの頻度で発生する.裏側のリセットキーを押して,改めて電源投入して復旧を 図る….これは欠陥なのか仕様なのか不明である.                 素直にワープロ専用機に内蔵させたAutoComの機能でも乗せれば,かなりの 不都合は体験せずに済んだと思うのだが,ユーザーの利益より企業利益優先の姿勢が 歴然で,ひん曲がった根性の象徴的現象は見物だ.                 結局『安物買いの役立たず』である.絶対的にノートパソコンとは違うのである. この中途半端なハイテク機器とは,ワープロ専用機でもなく,Windows 95でもない. 苔が生えたフロッピーもない486マシンである.                                        ** 悪魔 **       ・目次に戻る