解けた正門前の血痕の謎

解けた正門前の血痕の謎

 最近,読者からのメールで,現場周辺の神戸の町にばら蒔かれたと週刊誌が報じた 冤罪冊子の連絡先を教えられた.早速,電話で扱っている書店を聞いた.俺様の住む 地域にはなかったが,最短の書店を聞いておいた.                 ない場合を想定し直接郵送して貰う手配もしたが,津田沼駅前パルコ内の芳林堂で 入手した.『神戸小学生惨殺事件の真相』『続・神戸小学生惨殺事件の真相』という 二冊の大きさの違う小冊子だが内容は濃厚である.                 現場の状況について,目撃者などから詳細な聞き取りを行なった結果を踏まえて, 更に,専門家の意見なども添えての現場に密着した土着の冤罪説である.週刊新潮で 批判されたような薄っぺらい内容では絶対にない.                 むしろ,週刊新潮で『話にならない』とする批判が,どこから生まれるのか理解に 苦しむばかりである.この冤罪冊子の存在を取り上げようともしないテレビ報道は, 警察とグルになって,でっち上げに加担している.                 この冊子に書かれている疑惑と,警察発表の矛盾を明確に解き明かすことが報道に 求められる使命ではないのか? 独断先行した,徹底した犯人扱いの報道の後では, 冤罪が明らかになっては困る都合もあるのだろう.                 冤罪冊子の内容を見て驚かされるのだが,マスコミ報道しか知らない我々は,首が どのように切断されていたのかも知らされていない現実を思い知らされる.誰もが, マネキンの首のように斬られたと信じていよう….                 冤罪冊子に依れば,頭部には,首の部分が全くなく,第二頸椎(その一部は構造上 脳に食い込んでいる)が切られている.平らなコンクリート上で出来る断ではない. 首を仰向けに垂らして切断する必要が出てくる….                 首は置いた場合に非常に安定しやすい形に切られていた.顎が床に密着して視線は 45度上を向き,目撃者の視線と合うような形で置かれていた.死斑の状況からは, 頭部は凍結されて切断された可能性があるという.                 目撃者の証言でも,頭部がビッショリと濡れていたという.ここで俺様が,ずっと 謎として捉えてきた現場の大量の血痕の謎も解ける.凍った首が置かれて時間経過の 中で,血液が溶けて流れ出したと考えられるのだ.                 この冤罪冊子では,放映された現場の血痕と少年の供述に見られる矛盾については 触れていない.医学的所見と新聞配達員の目撃証言で,その可能性を指摘しただけの 冷静な表現だが,期せずして俺様の疑惑が解けた.                 二冊の冤罪説を読むと,これまで数カ月間のマスコミ報道は,一体何だったのか? 何一つとして,現場と犯人に関する具体的,現実的な報道に接していない状況の中に 置かれていることを,俺様自身が思い知らされる.                                        ** 悪魔 **       ・目次に戻る