新たに発見した疑惑の数々…

新たに発見した疑惑の数々…

 週刊新潮10月30日号に依れば、通り魔事件で重傷を負った少女の両親は,A少年の 両親と,双方の弁護士立ち会いで面談していた.部屋に入るとA少年の両親は,既に 土下座していた.父親は相当にやつれていたとか.                 被害者側が「何か思い当たることはありましたか?」と問えば「私たちには,全く 思い当たるものがない」と答えたという.一度は,精神科の診断を受けさせた過去が あるのに…,と加害者側は,その部分に憤慨する.                 俺様の周囲から聞かれる感想は,謝罪したからには,何か強い確信があったからに 違いないと受け取る者が多い.然し,現実には,身内の話よりマスコミの話を信じる 衝動は避けられない.それでも心当たりはない….                 被害者も世間も,A少年が犯人であることは絶対的な確信になっている.だから, 自分の息子が生首を家の中に持ち込んで風呂場で洗ったとされるのに,何らの異常な 雰囲気を感じないとは信じ難い…と不審感を抱く.                 然し,冤罪とは,全く事実無根であるところに煙を立て,火の手を上げることだ. 一方で謝罪して置きながら,心当たりはないと言うのは,自分たちに責任なしとする 意味にも取れる.心情的にも不利になってしまう.                 あるいは,その意味で強情な親なのかも知れぬ.然し,土下座までしていながら, 敢えてそんな発言をするのは,やはり偽らざる実感があるのだろうと思えてしまう. 最近,先の本の中から様々な疑惑を発見している.                 鍵の切断方法の謎                               まず,鍵の切断方法である.犯人逮捕の前は,ノコギリで切れば出る筈の金属片が 現場から発見されず,このテの鍵を切断する一般的な方法とされるボルトカッターが 使われたと推測された.この矛盾は見捨てられた.                 池に捨てたとされる鍵の捜索は,何故か早々と諦めた捜査当局である.然し,鍵の 切り口は,何で切断したかを裏付ける重要な証拠物件になる.ノコギリで切れば出る 切り屑のない矛盾に,明確な説明はされていない.                 それでも産経新聞の記者が,ノコギリで鍵の切断実験を試みたところ,1〜2分で 簡単に切れたそうである.然し,切り屑のなかった理由についての説明はされない. まさか冤罪であろうとは想像もしていないようだ.                 路上の血痕が無関係と発表された経緯                      遺体発見の後,現場付近の路上に,点々とした長さ2キロに渡る血痕が発見される 騒ぎが持ちあがった.多くの報道関係者が,その血痕に沿って歩きながら取材した. 警察発表に臨んだ記者の関心は,血痕に集中した.                 この記者会見の冒頭で,この血痕は長さ1.6キロ,大きさ5ミリから2センチで 人血,O型と判断.更にDNA鑑定をすすめる…と発表された.それを聞いた会見に 臨んだ記者の誰もが,被害者の血液だと確信した.                 この記者会見は,更に続いて事件に関わる様々な質問がなされた.突然「27日夜, 単車の男性が近くで転び,膝に怪我をして血を流して歩いていた」と唐突に言った. 先ほどの説明は何だったのか? と騒然となった.                 その記者会見場に新たな情報が持ち込まれた訳でもなかった.もしバイクの一件が 本当ならば,DNA鑑定を進める…と発表した時点で,既に明らかになっていた筈で 記者は不審を感じたが,結局,これに納得した….                 当時のマスコミ情報では,こんな経緯は報道されず,バイクの男性からの連絡で, 血痕の謎が解明されたとした.本当にこの男性は実在するのだろうか? 捜査一家の 課長の頭の中で,突然生まれたとしか思えぬが….                 たとえば,バイクが転倒する事故は珍しくない.然し,血を点々としたたらせて, 1.6キロも歩いたとする例は聞いたことがない.記者の印象では,大量の血液を, 体内から抜き取り保管したかと疑問視していた….                 具体的に俺様に当てはめると,日頃,喫茶店まで歩いて通う距離が2キロである. この間,ずっと自分の血をしたたらせながら歩くとしたら….ちょっと寒気がする. そんなに血が出れば洋服を裂いてでも血を止める.                 首を置いた時間の謎                              目撃証言から,正門前の首は午前5時前にはなく,5時10分までの間に置かれたと 公式に発表された.当然,警察の鑑定の結果も踏まえてのことだろう.然し,少年の 供述では,午前一時に窓から抜け出して置いた….                 もしかすると,五時前後では,A少年の犯行が不可能な状況があるのか? 当時, 執拗に報道されたのが,正門前にある高台から現場を双眼鏡で覗いていた中年の男が 目撃されている.リポータが現場で真似までした.                 結局,この中年男も幻の存在だったのか? 不審な目撃情報は,A少年の逮捕で, ことごとく一掃されてしまった.俺様には,少年の行動力では果たし得ない部分が, 全て幻にされ,心の闇で隙間を埋めた他と思う.                                         ** 悪魔 **       ・目次に戻る