やっぱり変化した? 血染めの現場映像

やっぱり変化した? 血染めの現場映像

   A少年の精神鑑定の結果が,間もなく明らかになるとする報道の中で,殴打事件の 直前のA少年の行動が明らかになったとして,少女を執拗に付け回すストーカー的な 犯行の前兆とも言える行動があったと報じられた.                 報道は『もしこうした少年の行動を関係者が真剣に考えていたなら,一連の事件は 起きずに済んだのではないか』と取って付けた報道の理由を述べる.だが,俺様には 鑑定の結果に圧力を掛ける意図が感じられるのだ.                 直接,犯行の具体的な経過が明らかになったとする報道ではなく,犯行とは,直接 関係があるとも断言出来ない行動である.然も,そんな事実は,首斬り事件の後の, 執拗なマスコミ取材を以てしても分からなかった.                 A少年の逮捕前に,学校関係者の中には,A少年を犯人だと思っていたと,今頃, 執拗に報道される理由は何なのか? A少年の逮捕後から,マスコミは,執拗に彼を 攻撃するが,事前に自ら知り得た情報は何もない.                 全ては逃げ腰の警察発表の後に,遅れを取った分を取り戻すかのように,あたかも 以前から犯人と分かっていたかのように徹底してA少年を叩く.最近の報道の中でも A少年を真犯人と決めつけて関連報道を繰り返す.                 この中の,首が置かれていた現場の一点が,以前は画面一杯に,流れ出た真っ赤な 血が映し出されたのだが,最近の関連映像では,この血の色が完璧に消されている. 然し,遠景で写す現場には鮮血の色が歴然とする.                 あるいは,違う報道機関の映像なのかとも考えられるが,然し,片方に鮮明な血の 色が残り,近接での撮影ではそれがないのは,どう考えても不自然である.現場には そんなに大量の血痕はなかったと印象付けるのか?                 少なくとも俺様が,現場に残る大量の血痕と,少年が首を持ち帰ってジャブジャブ 洗ったとする疑問点を指摘した段階では,頻繁に血染めの拡大映像が関連映像として 紹介されていた.ビデオに録画した訳ではないが.                 ただ,専門的に斬り落とされた首の中に,どれくらいの血液が残るのか? これは 今の段階で調べようがない.法医学関係の本も,一部参考にしてみたが,明確な答は 出せない.まさか試してみる訳にも行かぬし.^_^;                 ただ,彼を絶対に犯人だと信じてやまない人間は,少年が首を逆さまに保存して, 血液が流れないようにしたとか,ビニール袋に血液を保存しておき,現場に置く際に それを流したに違いないとA少年の犯行を信じる.                 ただ,報道される少年の供述では,捜査員の『血がようけついとったやろ?』との 質問に『それほどでもなかった.ジャブジャブ洗ったし…』と答えている.そこから 血液を保存した猟奇的な供述は一切報道されない.                 ましてA少年は,自宅に首を置いた中で,首と一緒に残した文書を作成している. 置いた首が,うるさく喋るので口を切り裂いたと供述している.逆さまに置いたとも 思えないのだが….果して,何が何処まで本当か?                 また,A少年が犯人だと確信する知人は,被害者の遺体を運ぶにも,遺体を毛布に 胎児のような姿勢にして包み込んで,転がして行けば,現場に運び込む事も可能だと 執拗に彼の犯行を信じて疑わない姿勢を崩さない.                 マスコミが,もし公正な報道をする姿勢を貫くならば,自らの既報情報と,供述の 内容と比較をして矛盾点を徹底して検証する必要がある筈だ.弁護士でもなく,また 医者でもない俺様が,その検証が出来る訳もない.                 ただ,幾ら血液が残ってしようと,その全体量は,頭蓋骨を空の入れ物にした量を 超えるものではあり得ない.俺様がテレビ画面で見た血液の量は,そうした絶対量と 比較しても,切断されて間もない首としか思えぬ.                 当日に切断して,すぐに置いた量とも思える量である.当日の早朝,A少年が首を 斬って置いたとすれば合理性も生まれる.然し,いかに例外的な事件とは言っても, 俺様には,中学生にここまでやれるとは思えない.                 町で見かける中学生を,いかに観察しても彼らの中から,ここまでやれる人間が, 本当に出現するとは思えない.然し,既に『A少年』と言う題名の本が書店に並び, 町の中学生に酒鬼薔薇が重なると書く者も出た….                 著者の略歴を見ると,これが何とも凄惨なもので,外国で女子大生を射殺した上で これを食ったという経歴を持ち,然も,精神異常と断定されて,無罪になったとか. そういう人間には,世の中学生も酒鬼薔薇になる?                 だが,法的には未だ逮捕された少年が本当の犯人だと断定された訳ではないのだ. そうした現実を,全く無視して,無実だった場合の人権侵害の重大さも省みず,ただ 徹底して犯人と決めつけて裁きの報道を繰り返す.                 この辺りのあまりの執拗さが,逆に,マスコミも真犯人を知っていながら,敢えて それを必死に隠そうとしているかのような不自然さを感じる.逮捕された容疑者を, いかに糾弾したとて,犯罪の抑止力にはならない.                 何をどうしようとも,起こる犯罪を未然に防止する手段などあり得ない.あるなら 一体,精神医学関係者は今まで何をしてきたのだ.昔から,殺人事件が起きる度に, 精神分析医と称する輩が偉そうに解説をしてきた.                 だが,一度として彼らの与太話が犯罪の抑止に繋がった成果はないのだ.むしろ, 犯罪は,益々複雑怪奇な様相を呈して行くばかりである.だが,犯罪者の心理などは すべてお見通しなのだと,彼らは思い込んでいる.                 彼らは,中学生が犯人だと言われれば,すぐにそれを肯定する.俺様には,神戸の 中学生が首斬り展示犯罪を実行したと言われても,それを導き出す論理など小説にも 描けぬ.実際に殺した現場とて,明らかにされぬ.                 遺体が発見された施設の外で殺されたとされる被害者だが,ではその現場は何処で そこからいかなる手段で施設内に運び込んだのか? A少年を糾弾するマスコミ共は これを明確に解説出来るものなら実行して欲しい.                 散々少女を付け回したとする少年が,その後に,金槌という凶器を使って,少女を 殺害したA少年が,太った男子小学生を素手とか靴紐だけで殺したとされているが, 先の現場の状況や,この手口が飛躍しすぎである.                 すべては例外的な人間なのだから,こうしたことも平然と出来るのだと一蹴して, 後は徹底した裁きに専念するマスコミである.本当に,こうした飛躍した部分の謎は 解けているのか.マスコミ裁きに誤りはないのか?                 A少年が取ったとされる事件前のストーカー行為を,犯行の前兆と捉えて報道する 姿勢に,一体どんな意義があるのか? もし,女の子を付け回す少年がいたら,即刻 全員逮捕して留置しろとでも言いたいのだろうか?                 7年前,宮崎勤が逮捕された後,ビデオカメラ自体がロリコンの代名詞にされて, これを持ち歩くことにも抵抗を感じる社会的な風潮があった.今度は,少女の後ろを 歩くすべての少年が,猟奇殺人犯にされてしまう?                 基本的に『疑わしきは罰せず』という法の論理は,今も正しく機能しているのか? マスコミは,容疑者の疑わしい部分を執拗に寄せ集めて,犯行の立証に持って行く. 然し,何一つとして確証に繋がる事実はないのだ.                                        ** 悪魔 **       ・目次に戻る