兵庫県警の底知れぬ闇

兵庫県警の底知れぬ闇

 おりしも,奈良県月ガ瀬村の中学生行方不明事件では,容疑者の自供から被害者の 遺体が発見されたニュースがあった.このニュースに接するまでは,俺様の印象では もしかしたら,やってない可能性もあると信じた.                 幾らDNA鑑定云々しても,サンデー毎日8/10の情報では,配列が一致したとて, 必ずしも本人と断定出来る訳でもないとの情報もあった.更には,シートの表面から 完璧に血痕を消したことにも疑問を感じてもいた.                 俺様は,結構騙されやすい.然し,自供に基づいて遺体が出たことで結局アヤツが やったのか…と思うようになった.「傷痕と『ほぼ』一致するノコギリ」のような, 曖昧な証拠とは違う.疑いの余地は残されても….                 この報道に紙面を取られて,神戸での事件は,小さく『家裁での審判開始決定』と 報じられるに留まっている.ここで事実認定の調べや本人の尋問が行われる予定だが 精神鑑定が先になる見込み,とも伝えられている.                 要するに,厳密には未だ事実認定すらなされてはいない.これまで散々報道された 供述内容とか,周辺の評判などという世間で繰り広げられた裁きの根拠は,この場で 全て嘘だと覆されてしまう可能性も残されている.                 尤も,これが壮大なる陰謀だとしたら,家裁もまた,宮崎勤に出された一審判決と 同じ結末を辿ることは避けられないのだが….俺様は,一人の中学生が,死体の首を 斬り落として晒したとは,どうしても信じられぬ.                 それは,報道では百五十万分の一の確率で起こるとされるが,現実を考えるならば 戦後,中学三年生を経験した全ての人間が対象にしたくなる.それだけ大きな背景を 想定して,その中の一人と納得することも出来る.                 いかに信じ難いことでも,実際に起きてしまったことなら,それは否定出来ない. 然し,それを信じる前に,疑う材料は幾らでもある.例えば,警察のでっち上げなど 隠れた事例を想定するならば日常的な現象となる.                 今回は,週刊朝日 8/8の『A少年の底知れぬ闇』を槍玉に挙げる.このタイトルも 『兵庫県警の底知れ闇』としても,より現実感が漂うのではないか? 例えば,この 少年を取り調べた捜査官は『エース』だとされる.                 逮捕直後,少年は,学校や教師への復讐を口にしたが,エースはそんなあいまいな 供述を許さなかった.学校への復讐で人が殺せる訳がないと….おいおい.チョット 待て『殺したいから殺した』なら納得出来るのか?                 筋の通った説明をした少年を,怪しげな供述へと導いたのは,警察側だったことが 伺えてしまうぞ? 学校や教師への恨みで,校門前に首を晒したとするのは,至極, 論理的だし,添付された文書の内容とも合致する.                 兵庫県警は,この論理的な説明に納得せず,通り魔事件で,神様を持ち出させて, その延長線上に聖なる儀式をでっち上げ,世間を驚愕させて,犯行の詳細な手順に, 人々の関心が向かうことを阻止してしまったのだ.                 誰でもが納得する理由では,すぐに忘れられる.すると,ではどうやって少年は, 被害者を殺したのか? その手順は? それこそ,マスコミが現場に踏み込んだり, 人形でも持ち込んで大騒ぎすることが懸念される.                 すると『待てよ,これでは少年の体の大きさから考えて不可能なのではないか?』 もしそんな疑問が出てきてしまったら,A少年を犯人に留めて置くことが出来ない. 『バモイドオキ神』とか犯行メモは猫騙しである.                 世間知らずで幼児並みの理解力を誇るマスコミは,この玩具で遊び始めてくれた. 少年Aが本当に殺しをやったのか? この肝心要の疑問を忘れた.ガキの謎が解けず 『あのガキ絶対許さねぇっ!』と八つ当たりした.                 海千山千の捜査官で,後輩の指導にも当たる師匠的なベテランともなれば,こんな ガキ一人,やってもいないことを,やったと自供させるのも訳はないだろう.然し, このクソガキにすっかり翻弄されたのだと弁解….                 週刊朝日の記述を読むと,少年は,非常に分かりやすい自供を最初にしているのに それに納得しないで,難しい難題を少年に出させ,それに苛立って動機が解らないと 困惑してみせる.でっち上げの痕跡が歴然である.                 何故,この単純な論理のすり替えに気がつかないのか? 兵庫県警の底知れぬ闇が 見えてくるではないか? つまらぬ与太話に翻弄されることなく,しっかり,少年の 犯行を実証することに専念してみたらどうなんだ.                 実際,週刊朝日の記事の内容,その大半は,警察発表の与太話に関わる記述だけで 占められている.肝心の少年が犯行をどのように行ったのかの検証を,完璧に忘れて 意味のない文字の羅列に終始しているだけである.                 確実な証拠も揃っているなら余計なことを考えず,少年の言う学校に対する恨みで さっさと家裁送りにすれば良かったのではないのか? それが出来なかった理由は, 警察に留めて完璧に犯行を植え付けるためだった?                 弁護士は『夢の中にいるような感じ.これまでに会ったことがないタイプ』として 印象を語っているとされている.宮崎勤の印象を語った佐木隆三と同じ印象である. A少年も徹底した催眠に掛けられて犯人にされた?                 少年は,問い詰められて,もう一人の自分に命令されたと言い逃れようとしたが, 二重人格は,もう一人の自分は認識できないのだと教えられると,聖なる儀式として 云々するようになった.少年を狂わせたのは誰だ?                 この記事を書いた記者は,これを書いていて,何故,最初の分かり易い理由だけで 納得しなかったのか,疑問には思わなかったのか? この6ページに及ぶ記事から, 怪しげなオカルト部分を取り去ると何も残らない.                 これだけのスペースで,A少年が犯行を実行した手順を正確に辿って,そこに何か 矛盾点はないかを検証することが,一番必要なことであり,それを最も恐れたのが, 兵庫県警である.今から立証を試みたらどうだっ!                                        ** 悪魔 **       ・目次に戻る