晒し首がマスコミ受け狙いなのか?

晒し首がマスコミ受け狙いなのか?

 昨日の朝日新聞に,神戸首斬り殺人事件に関連した記事が掲載されていた.それは 犯行声明について『あの犯行声明は,容疑者の少年が,マスコミが喜ぶストーリーを 考えたものだと供述した』と,無意味だと臭わす.                 今,少年は,連続通り魔事件での取り調べが行われていると思っていたが,唐突に 首斬り事件の犯行声明に言い訳をするかのような発表である.犯行声明については, 『No.9』の意味だけが発表されただけだった.                 その後,この意味を否定する供述があったとも伝えられたが,内容の説明は,何も なされなかった.単純に,マスコミ受けを狙っただけならば,供述がここまで延びた 理由が分からない.二十日間,何をしていたのか?                 マスコミに登場する識者と称せられる,ものを考えない連中は,犯行メモの解釈に 必死になって,取り敢えず,何とか酒鬼薔薇に結び付けて,これを神から与えられた 名前だと得意気に語る者もいた.視野狭窄である.                 更には『透明な存在であるただ一人の友人』が,神を意味するとも語る輩もいた. 神を友人に置き換えてしまう彼らの想像力も実に崇高なものである.彼らは,今回の 警察発表を聞いて,今度はどんな解釈をするのか?                 俺様に言わせれば,一つの怨念で統一された犯行声明であり,マスコミ受けだけを 狙ったにしては少々硬すぎる.内容は,首斬りに関わる内容である.受け狙いとする 解釈では,首斬り自体も受け狙いになってしまう.                 同時に発表されたのが,ワイドショーを録画したビデオテープが発見されたとする 情報である.今更何を…と言いたくなる.注目の事件であり,それを録画するくらい どこの家庭でも,起こり得る現象なのではないか?                 そんな枝葉末梢的な証拠をわざわざニュースにしなければ,首斬り殺人の犯人像に 定着できない弱さがあるのか? 胴体部分の遺体が,一度捜索して発見出来なかった 現場で,翌日発見された理由も説明されていない.                 結局,タンク山へどのように少年が入ったのか? 鍵を壊した具体的な検証などは まるで済んでいない.施設の中に少年が立ち入った明確な痕跡すら発見された様子も 伝えられていない.泥だらけの目撃談だけである.                 俺様は,ド素人のもの書きだが,いい加減な情報で,犯人呼ばわりする感覚には, 絶対になれない.まず,少年が本当に犯人であるのか否か? これが基本の出発点に 置くのは,真理の探究として不可欠な手順である.                 テレビに登場して勝手なコメントを抜かす輩は,どいつもこいつも蚊の鳴くような か細い声で,とても権力に逆らって,ものが言えるような輩ではない.中学生苛めが 似合う単純で愚鈍な目立ちたがり屋にしか見えぬ.                 マスコミは,警察発表がどのような意図で行われたのか考えようともしない.ただ 警察の広報係と化している.昔の大本営発表を,そのまま報道して戦意高揚に努めた 昔と何一つ変わらない.いずれ裁きの時が来よう.                 三重県での女子高生行方不明事件では,重要な容疑者が,公判を維持できる材料が 不足しているとして,釈放になっている.ふと,ここで考えてしまう.少年犯罪では 公判維持の必要もない.証拠も要らないのかと….                                        ** 悪魔 **       ・目次に戻る