疑惑は国家的犯罪プロジェクトに至る

疑惑は国家的犯罪プロジェクトに至る

 インターネットの世界では『週刊フォーカス』に掲載された神戸首斬り殺人事件の 容疑者とされる写真を転載し,実名を公表している所もある.掲載の理由は容疑者の 人権ばかり強調されることが許されない点にある.                 ここで展開される論理の根底には,警察発表やマスコミ報道で容疑者とされたら, 彼は真犯人だと断定して差し支えないという,警察とマスコミに対する絶大の信頼と 残虐な犯罪に対する憎しみが共存した結果がある.                 警察やマスコミが,無実の者を真犯人として,一般に信じ込ませてしまう影響力は これほど強いものである.正義感に基づいて写真を転載したのだろう.然し,警察と マスコミは,それ程の信頼に足りるものかどうか?                 今,報道の世界も,その未熟さ故に混乱している.写真を掲載した新潮社は,他の マスコミから叩かれるが,新潮社は,他のマスコミと警察を信じて容疑者を真犯人と 断定した.裁判抜きに人を裁く悪しき風習である.                 それでも,これは最大限の善意に解釈しての記述である.マスコミの本音などは, そんなところにはなく,売り上げを伸ばすために,あらゆる犠牲を厭わぬ弱肉強食の 行動を取る.容疑者と真犯人の違いは承知である.                 ただ,そんな薄汚ねぇ商人根性がばら撒く安易な情報を,まともに信じて,純真な 正義感から,証拠もない容疑者を徹底して裁こうとしてしまう大衆が哀れでならぬ. 火をつけられた怒りは完全燃焼するまで収まらぬ.                 マスコミは,他社の抜け駆けを許さず,また,自分たち以外の者が行う情報発信を 敵対視する.典型的な例として,マスコミと同じように,人を洗脳する宗教集団を, 周期的に叩く.宗教は,マスコミの天敵でもある.                 同じように,今,マスコミが脅威に感じているのがインターネットである.個人が 自分たちと同じように情報発信をすることを好ましく思わない.露骨な攻撃はせぬが 一つ問題が起きれば,徹底して潰しに掛かるのだ.                 俺様に言わせれば,今,マスコミは自滅への道を歩み始めている.いずれ何処かの 時点で,無実の者を完璧に犯罪者に仕立てた結果が明らかになる.警察もマスコミも その信用を著しく失墜する事態が必ず来るだろう.                 もし,今,マスコミが裁いている中学生が全くの無実であったなら,それだけで, 新聞の定期購読は激減するだろう.崩壊しない筈だった生命保険会社すら倒産した. 本当の情報化時代が来る前に,大きな崩壊が来る.                 犯罪に対する憎しみは理解出来るが,警察発表や,マスコミ報道を安易に信じて, 軽はずみな行動に出ない冷静さが必要である.警察もマスコミも,自分たちの悪事は 必死に隠す.権力を嵩に,幾らでも悪事が出来る.                 そんな彼らが何の証拠もなしに騒ぎまくることに,安易に同調することは,彼らの 思うつぼである.マスコミが容疑者の写真掲載を叩く理由は,万一の,無実の場合に 備えて人権擁護を貫いたとする逃げ道作りである.                 或いはマスコミ同士グルになって,新潮社がヤラセでこれを掲載し,他社がこれを 叩くポーズを取って,新潮社はいち早く謝罪して,共存共栄を図らんとする悪辣なる 保険計画なのかも知れぬ.乗せられてはならない.                 明らかな証拠もあがらない任意同行から得られたとされる自供から,法務省までが 少年法見直しの動きを示している.つまり,警察やマスコミ発表だけではなく,法の 最高機関までが,容疑者を真犯人扱いにしている.                 壮大なる国家的プロジェクトが,一人の中学生を犠牲にしようとしている構図すら 見えてくる.この事件は,本当に偶発的なものだったのか? 取り敢えず,少年法を 改正すべく,人柱が立てられたものかも知れない.                 これだけ大胆な犯行が堂々と行えるのは,捕まらない絶対の裏付けがあるからで, 不審な数々の目撃情報も,全て嘘だったと決め付けてしまえば,簡単に消し去れる. 敵は,天下無敵,国家的犯罪プロジェクトなのだ?                                        ** 悪魔 **       ・目次に戻る