冤罪の元凶は警察とマスコミの癒着

冤罪の元凶は警察とマスコミの癒着

 マスコミは,連日,企業と総会屋の癒着を批判するが,そんなマスコミも,警察と 癒着して『取調室』を何人も介入出来ない聖域にしてしまった.下手に批判すれば, 県警記者クラブから追放の憂き目に遇うのだろう.                 マスコミも警察も,天敵のいないカラスと同じである.このままでは,何処まで, 彼らが暴走するのか解ったものではない.言いたい放題,やりたい放題の傍若無人, 然も,その実態に気がつく者とていない危うさだ.                 供述通り,凶器と思われるノコギリが出て来たものゝ,依然として,鑑識の結果は 出ていない.そんなに時間が掛かるものなのか? おまけに,捜索対象になっている 池からは,金槌がもう一本出てきたと報道された.                 結局,その池は,誰もが不要になった危険物を放り込んでいるような池だったり? 或いは,包丁が出てきたり,ナイフが出てきたり,更には拳銃まで出てくるかも…. 池をさらって,そこから何が出ても不思議はない.                 未だ,容疑者の犯行を確定する凶器は何もない.それにも拘らず,確証もないまま 中学生が逮捕されると,それまで報道された様々な情報は,全て嘘だと断定された. マスコミも,自らが伝えた報道に責任を持たない.                 それらの情報に接して,散々,想像力をたくましくした視聴者・読者も,何一つ, 不信感を持たずに,中学生逮捕のニュースに飛びつき,それを丸飲み鵜呑みにして, 一切を忘れた.宣誓のない報道とはこんなものだ.                 誰もが信じている『中学生が犯人』の真実も,次の瞬間には,何もなかった情報に 変化してしまうかも知れない.こんな無責任報道に翻弄されて,少年法改正にまで, 話が発展してしまう.報道こそガキの暴走である.                 一向に明らかにならない証拠に,マスコミは不審を抱くこともしない.マスコミは 早く少年を裁きたくて仕方がないのである.少年に不利な情報なら,何でも欲しい. 空振りの池の捜索は,洪水報道で隠してしまう….                 冷静になって,実は,少年の犯行を裏付ける証拠が何もない実態を報道する勇気も 持ち合わせていない.逮捕に至る経過自体にも重大な疑惑がある.然し,警察批判は そのまま『県警記者クラブ』からの追放に繋がる?                 ともかく警察に張りついていないと情報の先陣争いに加われない.少なくとも各社 横並び一斉報道には遅れを取りたくはない.警察が蒔いてくれる餌にありつくことに 慣れて,自分では何も餌がとれない籠の鳥である.                 マスコミに取って,情報は商品である.売れる必要がある.『本当に犯人か?』の 見出しよりも『猫の目玉集めが趣味のA少年』の方が,絶対的に売れる.世間自体が 刺激的なホラー情報でなければ満足しなくなった.                 真実を報道する信念を貫く姿勢がマスコミにあるならば,警察発表に,どれだけの 信憑性があるのかを,冷静に観察する必要がある.警察に都合の悪いことを発表して 追放されても,追放された事実を書けばいいのだ.                 だが,これではマスコミの世界では生きて行けないのだろう.騒がれていることに 水を差すことは許されない.騒ぎに油を注ぐ情報が求められるのだ.警察発表には, とても疑惑を向けられない.聖域は秘境にもなる.                 この神戸での事件は,宮崎勤事件の経過を検証するシミュレーションとして意味を 持たせている俺様である.宮崎勤は,別件逮捕から,神戸の中学生は,任意同行から 連行された.いずれも現行犯ではない事実がある.                 このような場合,起点となる核心の容疑に対する取り調べには,厳しい監視の目が 必要であると俺様は考える.例えば,マスコミの前で銃撃戦を展開した末の逮捕とか 歴然とした確証が明らかな事件とは全く違うのだ.                 逮捕前には,一時,犯人は,元警察官ではないかとする情報まで流れたとされる. もし,これが事件の核心だったら,警察は,何としてでもその事実を隠したい筈だ. そういう疑惑をも含めて,冷静な報道が望まれる.                 スクープが生命の報道の世界には,このようなきれいごとは,もはや通用しない. 体質は変わりようがない.彼らを変えるには,確信のない情報を垂れ流す報道には, 一切,手を出さない受け手の強い姿勢が望まれる.                                        ** 悪魔 **       ・目次に戻る