官憲の番犬は吠えもせず…

官憲の番犬は吠えもせず…

 最近の事件を見て感じる.暴走容疑で補導されたガキが,細工したビデオを証拠を 盾にしてまんまと不処分になった.後からその細工が分っても後の祭.一事不再理が 陰湿な工作までをも認めてしまうのが法律である.                 テーブだのビデオだの細工が可能な媒体は,証拠にはならないと遠い昔に聞いた. 然し,今はそんなことも忘れたように簡単に証拠物件として成立させる.少年犯罪は 簡単な審理で,簡単に処分,不処分を決めて掛る.                 ともかく何が何でも証拠と名のつくものさえあれば,それで有罪は確定され得る. 警官が被疑者に『それを指させっ』と命令して写真を撮る.これも証拠になるのか? それらしくビニール袋に入れれば証拠物件になる?                 マスコミが徹底して,あいつはおかしい.悪いヤツだ.あんなこともした.こんな こともあった.彼以外の誰が妻を殺し得るのかと,徹底して有罪判決を印象付けた. 然し,形式でいい筈の証拠が何故か一つもない….                 22口径のライフル銃か薬莢で良かった.警察サン,それ一つ用意出来なかったの? 惜しいなァ….まあ…,しょうがねぇ….三浦サン….アンタ,うまくやったねぇ. 十数年の拘置がせめてもの裁きだ.帰っていいよ.                 裁判には,真理の探求はなく,単純な駆け引きの場である.真実はどうでもいい. 駆け引きに勝った者が勝利を得る.やったことは明らかでも,無実に持ち込むことが 弁護士の腕でもある.犯罪者に邪魔なのは良心だ.                 後戻り出来ない絶対的な時間の制約から,事件の再現は基本的に無理なのである. 出来るのは擬似的な再現なのである.1を有罪0を無罪として,9÷9=としても, 残念ながら答えは1にはならない真理があるのだ.                1÷9=0.1111111111111111111111111111111… 2÷9=0.2222222222222222222222222222222… 3÷9=0.3333333333333333333333333333333… 4÷9=0.4444444444444444444444444444444… 5÷9=0.5555555555555555555555555555555… 6÷9=0.6666666666666666666666666666666… 7÷9=0.7777777777777777777777777777777… 8÷9=0.8888888888888888888888888888888… 9÷9=0.9999999999999999999999999999999…  おいっ! 9よ.同じ計算は皆,横並びやでぇ? おまえだけが答え1では,他の 計算に迷惑が掛るやないけ….という訳で,いかに絶対的に答えは1だと思えても, 僅かに…本当に微かなところで絶対的に及ばない.                 A少年は,いかに不合理な状況があろうと,裁きに加担した人間が皆,肝心な点を 見て見ぬふりをするのである.よって彼は,真犯人に確定した.いかに容疑濃厚でも 三浦和義チャンには物的証拠が全くなかったのだ.                 物的証拠が皆無でも,マスコミが騒げば,それが証拠になるかのような世相の中で マスコミは,意外な判決に,かつての極悪非道犯を,急に三浦元社長と持ち上げる. 変わり身の速さは,カメレオンも裸足で逃げ出す.                 然し,一度は無期懲役の判決が出た.それが一転して無罪である.真理を追及する 本来の使命を失った裁判の席である.百八十度の展開などは,珍しくもなくなった. こうなると,カメレオンも目を白黒させて戸惑う.                 一本の棒には二つの端がある.物事には,必ず二つ以上の見方が出来る.検察側と 弁護側は,それぞれの端に立って,真中に立った判事が全体を明らかにして行く…. A少年の弁護士は正しく検察の反対側に立ったか?                 結局,報道を見る限り,何一つ警察と反対側には立っていないことに気がつく…. 警察発表に真っ向から立ち向かう決意が全くない.世論に押されて疑問点を解こうと 努力した跡がない.報道に迎合する庶民と同じだ.                 結局,いかに論理的に矛盾だらけでも,形ばかりのノコギリとか金槌を証拠にして 押し通すだけで,警察側の論理が通ってしまう.神戸小学生首斬り事件は,恐らく, 結末が変ることはない.俺様も無駄な努力をする.                 俺様は,情報は食糧だとする考え方を支持する.必要量の欠乏は,補給手段として 妄想という架空の情報で補ってしまう.傍から見ればバカバカしいが,当人にとって それは妄想ではなく,確かな情報だと思えて来る.                 つまらぬ先入観が,そうした架空の情報を,まことしやかな現実の情報に変える. パソコン通信の世界では,単純な論戦が現実の裁判にまで発展したケースもあった. 匿名性に隠れて,罵声が飛び交う世界だとされた.                 余程,しっかりとした自分の世界を確保していないと,つまらぬ対立から,過激な やり取りに発展してしまう.相手の顔が見えないし,個人レベルでは,相手の身元も 不明で,匿名性に隠れた世界だと喧伝されて来た.                 然し,刑事事件に発展するケースでは,自分のIDとパスワードでアクセスすれば 簡単に身元は割れる.国家権力の介在で,個人には分らぬ身元など一目瞭然である. 河上氏は,実名で会に情報の提供をしたに等しい.                 神戸事件の真相を究明する会は,未だ,こんな通信上の信頼性に気づかないのか? 氏は自らのページ『「河上イチロー=酒鬼薔薇聖斗」説とのバトル』で,これまでの 顛末を,問題のEメールを公開して説明している.                 普通の感覚では,善意の情報提供しか感じない.然し,それでも尚,一本の棒には 二つの端がある.従って,普通は踏み込まない端に敢えて踏み込み,そこに立つ者も 出て来る.次に進むには一方の端を捨てて出る….                 一つの端から次の道が開かれる.二つの端はあっても,選ぶのは一つでしかない. 神戸事件の真相を究明する会は,河上イチロー氏の情報提供という棒では,俺様とは 反対の端に立った.次は,どんな展開が待つのか?                 一見すると,殿のご乱心にも思える会の選択である.思い込み深くして,3通目の 怪文書としているのか? 然し,そこまで明確に主張していない.疑心暗鬼になって 憶測で疑っている様子なのだが,穏やかではない.                 出版物にまで自らが感じている疑惑を書いた背景には何があるのか? 当然生じる 名誉毀損の問題を考えれば,会は,自らの墓穴を掘るにも等しい.実際,ただでさえ 異端視扱いの会である.狙いは何処にあるのか…?                 然し,マスコミも会を叩くなら,これほど絶好の機会はなかろうと思うのだが…, 何か罠が仕掛けられているのかとビクついて何も伝えない.中継での記者会見などは とても出来ない.何を喋られるか分らない怖さ….                 影響力の大きいテレビは,決してまともに取り上げようとしない会の存在である. 巷に流言蜚語が飛び交い,庶民がそれに惑わされている現状があれば,マスコミは, 世論をリードする立場から真相を質すべきだろう.                 書いている俺様とて,本気でマスコミに期待している訳ではない.わが身が一番, 皆,横並びやでぇ…? 一社だけが抜け駆けしたら,他から袋叩きに遭う…と,首を すくめている.一周年もうつむいて通り過ぎた….                 コラコラ….マスコミ各社っ! いつまで見て見ぬ振りをしているっ! しっかり 気合入れて,庶民を標的にしている会を,徹底して叩いたらどうなんだっ! 一体, テメェら何を恐れて沈黙しておるのだ.卑怯者っ! ** 悪魔 **       ・目次に戻る