情報飢餓が産む妄想の危険…

情報飢餓が産む妄想の危険…

 改めて,神戸小学生首斬り事件を振り返れば,一人の小学生が惨殺されて,生首が 晒されたという事件である.犠牲者は幼い小学生である.冤罪の可能性を疑う人々の 中には,背後に大きな組織を想定する傾向もある.                 然し,原点は,幼い子供を殺して晒し首にした犯罪である.例えば,CIAなどが 手を下す必要が何処にあるのか.犯罪の形態は,単純な変質者の犯行を連想させる. 手口は巧妙だが,犯行声明は,変に幼なさが残る.                 突き詰めて考えられないまま,簡単にA少年が犯人と断定されて,様々な疑問点が 封印された状態で,A少年の処分が決定して一件落着だが,インターネット上では, 疑惑が様々な視点から考えられるギャップがある.                 そんな中で,神戸事件の真相を究明する会には,インターネットにホームページを もつ河上イチロー氏から,HONDA Sigekuniの正体について情報が提供されたという. 俺様の印象では,これは善意の情報提供に見える.                 然し,会の印象では,逆に情報提供の時期のタイミングから,妙に怪しげな人物に 思われてしまった…? 人物の特定が難しい郵便での怪文書と,電子メールを通じた 情報提供を同列には考えられない俺様ではある….                 然し,事件を見直すには,絶対的に情報が不足した飢餓状態にある.飢えは食物の 幻覚を呼んでしまう.怪文書について,善意の情報提供がもたらされても,怪文書の 延長線上で捉えてしまうことも十分に考えられる.                 あるいは,具体的な現場の状況を紹介しての強力な冤罪説を主張するページには, 様々なブラックメールが届いて,混乱も生じるのか? それでも河上イチロー氏への 疑惑には少々飛躍があり過ぎて首を傾げてしまう.                 同じ飢餓状態で,犯人不明のまま,やり切れぬ時間を過ごした事件現場の神戸では ともかく犯人逮捕という食糧が欲しかったのか? 逆に,そういう連想も生まれる. 俺様も,冤罪にこだわって妄想を抱く危険もある.                 ただでさえ,マスコミ報道がもたらした常識に逆らう主張は,世間に浸透し難い. それだけに,ここからほんの少し,妄想の世界に踏み込めば,ある程度関心を持った 人々の心をマスコミ側に返してしまう恐れもある.                 いかに飢餓状態が長く続こうとも妄想で補う愚は犯したくない.然し,飢餓状態は ますますひどくなる….マスコミは,沈黙することで冤罪説を餓死させるつもりか? 江戸川事件と神戸事件と怪文書の関連はどうなる?                 通常,こうした疑惑を報道すべきマスコミが完全に沈黙している.取るに足りない 事件なのか? それとも,詳細を報道できない理由があるのか? 売らんが為にする 報道なら怪文書の登場は,最大のネタではないか?                 新たな神戸事件の予告が,閉鎖的なインターネットの世界だけで流通しているのは 誠に勿体ないとも思えるが,マスコミは,自らの恥を晒してまでは報道出来ない…? 新聞広告に出る週刊誌の見出しにも未だ現れぬ…. ** 悪魔 **       ・目次に戻る