新たな犯行予告か？
『神戸事件の真相を究明する会』のホームページに，新たな犯行予告とも受け取れる 怪文書が二通送られて来たことが伝えられている．ずっと冤罪の可能性を考えてきた 俺様には，悪戯だとも思えない無気味さを感じる． ここで疑問が生じる．この怪文書は，この会だけに送られたものなのか？ 俺様は マスコミにも送られた可能性を考えてしまう．然し，未だニュースになっていない？ 新たに子供が犠牲にされる可能性も否定出来ない． 具体的に『ヒントは小岩駅だ』と地名まで出ている．これを犯行予告と捉えれば， 警察もマスコミも無視出来ぬ事態である．これ以上の沈黙は許されず，警察や住民も 十分な警戒が必要である．真犯人逮捕にも繋がる？ ずっと肝心なことを隠し続けて報道してきたマスコミは，こうした事態に，どんな 報道姿勢を取るのか？ 恐らく会のホームページは，マスコミにも注目されていると 思われる．自らの後ろめたさを，今度はどう隠す？ ただ，俺様としては，この事件が冤罪だとしても，真犯人は警察の手で確保されて 再犯の可能性はないだろう…と考えていた．つまり，真犯人が特定出来ているから， 堂々と真犯人隠蔽のためにでっち上げたのだと…． 宮崎勤事件でも，真犯人は特定されて何らかの形で監視下にあると考えた．然し， 実は，特定されないままで放置されて，ずっと犯行が継続されているのだとしたら？ 報道に疑問を感じると，馬鹿げた妄想が拡大する． それとも，新たな犯行が起きれば，再び無実の人間を真犯人にでっち上げることを 繰り返すのか？ 警察が犯人として逮捕した，マスコミが報道した，そんな根拠で， 真犯人だと思い込む習性はなくさなければならぬ． 果たして，宛にならない警察やマスコミ報道の前に，どのような対策があるのか？ 新たな事件への恐怖に警察が宛にならず，マスコミが嘘を伝える状況では…．これが ただの悪戯で，何事も起きぬことを願うばかりだ． 結局，神戸小学生首斬り事件の回顧報道は，まるで盛り上がらぬまま，横綱騒動に 隠れて忘れられようとしている．俺様は，二つのテレビ局が，一年前の事件を報じた 番組を見た．ここで実に奇妙な共通点に出会った． 一つはテレビ朝日であり，今一つはＴＢＳであった．正門前からの映像が，何故か 通行人からは見えない高い位置に記者とカメラを配置して，正門前を見下ろす形態で 映像を撮り，解説していた不思議な共通点である． 当時の目撃証言の中に，まさしくその位置から双眼鏡で正門前を観察していた男の 存在が執拗に伝えられ，リポーターがその現場から『このように男が居て…』などと 自分が見たようにリポートしていた姿が印象的だ． 一年経って，何故かその同じ位置にテレビカメラが潜んで事件を振り返るとは…． 事件の最大の疑問は，警察の一方的で曖昧なままの犯人逮捕発表の瞬間に，すべての 目撃証言が切り捨てられ，全く無視されたことだ． 検事調書を発表した文藝春秋の記事の中で，立花隆は『それまであった目撃情報は 全てガセネタであることが判明した』と，具体的な解説もせず一方的に切り捨てた． マスコミが散々報じた情報の数々は何だったのか？ マスコミは，自ら報じた映像と記事について，一体，何がガセネタで，どのような 経緯で嘘だと判明したのか？ その事件の詳細を振り返る過程の中で視聴者，読者に 明らかにする責任があるが，一切を無視している． 目撃者となった多くの神戸の人々の全てが幻を見たのか？ 現場付近に点々とした 血の痕跡も多くの人々が目撃し，著名人まで取材に訪れた．然し，正体不明の人間の 転倒による傷から出た出血の跡だと一件落着した． だが，警察が発表したその怪我人は，本当に実在したのか？ 結局，これも警察の 巧みな隠蔽工作としか思えない．マスコミは，その怪我人を割り出して取材する位の 配慮は当然すべきだった筈だ．然し，手を抜いた？ 大きな事件が起きて，解決に至らぬまま様々な報道がなされ，具体的な目撃証言が 集められて報道されれば，それが事件と結びついたものだと判断される．もしそれが 全く関係ないものなら経緯が説明されねばならぬ． マスコミは，自らの取材の積み重ねが全く無意味なものだとされて，降って湧いた 容疑者が真犯人にされてしまった．その後，マスコミは，容疑者の少年の犯行である 痕跡を辿らず，異常な精神だけを強調してきた…． 執拗なマスコミの取材でも，事前に少年の存在を察知することは出来なかった…． それほど特異な少年であったなら，何故，事前に察知できなかったのか？ ある日， 突如として兵庫県警が鶴の一声で犯人を発表した． それまでの報道で伝えられた犯人像とは，全く異なった犯人が，突然逮捕された． 様々な目撃情報は，何故，無関係になってしまったのか？ たまたま無関係の人間が 目撃されとしても，一人として実在が確認されぬ． 同じ頃，奈良県月ヶ瀬村では，女子中学生が，地元の青年に殺害されて逮捕される 事件が進行していた．怪しいと言う噂が広がって，容疑者の周辺にハイエナのように 報道陣が彼に群がりカメラを向けて取材を続けた． 神戸の事件も，人物の特定は出来ぬものの，明らかに不審な人間が目撃され，強く 関連が疑われる状況にあった．あれらの情報が全くガセネタとなれば，今後，報道に 接する上での注意点として経緯を知らねばならぬ． 神戸の町には，目立ちたがりの嘘つきが沢山いて，あることないことカメラの前で 吹聴して，全く関係のない犯人像をでっち上げたとでも言うのか？ 地元の小学生が 無残に殺害された事件に，住民がそこまでやるか？ 立花隆がガセネタだと断定したことに対して，マスコミは，何らコメントを出さず 沈黙したままである．本当にガセネタを連日流し続けたのなら，その責任を視聴者， 読者の前に明らかにしなければならない筈である． 事件に関係のない善意の人間から寄せられた情報の全てが出鱈目で，結果的には， 何一つ物証がないまま，報道陣の目を盗んで逮捕した少年こそ，唯一絶対の犯人だと 今までの取材の成果を一切捨て去った根拠は何か？ Ａ少年が逮捕されるまでの間，マスコミは，連日，全く無関係な情報を流し続けて 視聴者，読者を欺き続けて来たのである．事件から一年を迎えて，一番反省すべきは 信頼を失ったマスコミ自身の報道姿勢なのである． 自分たちの取材の過程で，どうしてＡ少年の存在を察知出来なかったのか？ また 本当にＡ少年は犯人なのか？ それを徹底して検証することが取材の反省ともなる． 血をすっかり洗い流した首から出た大量の血痕…． これ一つ取り上げても，少年の供述と現場の状況は，全く食い違ってしまう．何故 マスコミは，自らの取材の未熟さを反省し，ガセネタ報道を繰り返さぬ決意を固める 反省をせぬか？ ガセネタは警察発表かも知れぬ． 立花隆は目撃情報をガセネタだとした．だが，一つの棒には二つの端があるのだ． 目撃情報がガセネタなら警察発表が事実となる．だが，警察発表をガセネタとすれば 目撃情報が事実になる．どちらに矛盾があるのか？ 敢えて言う．警察発表と，その後に確認され，公式に発表された事実の間に，何ら 矛盾はないのか？ 神戸事件の真相を究明する会が発行するパンフレット３冊には， 覆しようのない多くの矛盾が指摘されているのだ． 何故，マスコミは，関連報道として，これらの指摘を正面から取り上げようとせず 逆に，それを過激派の陰謀だと一蹴しようとするのか？ もし陰謀であるとするなら 徹底して，その陰謀の実態を暴いたらどうなのか． 会が主張する冤罪説を正面から取り上げて，その一つ一つを，徹底して打ち砕いて 『これでもまだ冤罪を主張するのかっ！』と納得させて欲しい．然し，それは絶対に やろうとしない．自らの愚行が見えてしまうから？ 警察発表は，言わば，マスコミの取材を見当違いだと嘲笑ったにも等しい結果だ． 然し，マスコミの全てが，それを甘んじて受けて，警察発表を，天皇のお言葉として 押し頂いて報道し，Ａ少年叩きに奔走し始めた…． マスコミは，神戸市民の前に堂々と顔も出せないのだろう．だから今，中高生にも インタビューひとつ出来ない．だからこそ，まともに正門前にも立てず，目撃された 不審人物が人目を避けていた場所に立って写した． それは，期せずして，不審人物が首を置いた現場を目立たずに監視するのに都合が いい場所である事実を明らかにした．マスコミ自らが犯人の気持ちになって取材する 羽目に陥ったのである．これは，誠に傑作な話だ． ＊＊ 悪魔 ＊＊ ・目次に戻る