マスコミよ.自ら崩壊の瞬間を見よっ!

マスコミよ.自ら崩壊の瞬間を見よっ!

 4月に入って,個人的な生活環境の変化から,机上に向かう時間もない中で事件に 関係する新たな展開を見聞していた.一つは『神戸事件の真相を究明する会』から, 「神戸小学生事件の真相 第3集」が刊行された.                 元より,マスコミで大々的に取り上げられる性質のものではなく,その存在を知る 人々は少ないかも知れぬ.然し,それを受けてか,マスコミでは,少年事件の続報を 繰り返す動きや,革マル派への疑惑が強調された.                 特に,革マル派数人を,検事調書を盗み出した容疑で指名手配する警察の動きは, 鍵の束などの関連映像を挿入して,彼らが盗んだことに間違いはないとする,強力な 印象を与えるように,これも繰り返し報道された.                 これに対して,革マル派は,根拠のないでっち上げだと指名手配された筈の3人が 同席しての記者会見を開いたという.この席で3人は運転免許証を示したとされる. 俺様は,革マル派がした記者会見報道は見逃した.                 だから,何故,革マル派の3人が,その場で逮捕されなかったのか不思議である. 逃げ出したのだとしても,警察が取り逃がしたとする報道はなされていない.ただ, 彼らが本物だとは限らないとする発表だけ聞いた.                 後は,6人を指名手配したとする報道が繰り返され,新たな家宅捜索の報道には, 建物の前に立つ警察官の姿を映すなどして,革マル派の陰謀を,強力に視聴者の心に 擦り込むのだ.然し,マスコミは何か忘れている.                 要するに『文藝春秋』で公開された検事調書の内容について詳細に検証する動きは 全くない.ただ執拗に革マル派攻撃が続けられた.この後で週刊新潮4月23日号には 冤罪冊子第3集を攻撃する記事が掲載されている.                 やっぱり,というか,例によってというか『神戸事件の真相を究明する会』とは, 所詮革マル派の偽装集団なのだとしきりに強調する.彼らは,両親を新幹線の中で, 拉致して責め立て勝手な憶測記事を書いたとする.                 週刊新潮の記事の中では,何故か自らの役割も果たさぬ弁護士が写真入りで登場, 両親もA少年も罪は認めていると断言して憚らない.俺様が疑問に思うのは,冤罪の 根拠となる記述の全てに何故反論がないかである.                 少なくとも,冤罪冊子を読んだ俺様の知り合い数人は,どうしてマスコミは,この 具体的な冤罪の根拠を正面から取り上げようとしないのか不審に思っている.読後, これが本当だったら,大変なことだと感じている.                 実際,この事件が冤罪だなどと考えていた知り合いは一人もなかった.それだけに マスコミの洗脳は強力な力を持っている.ある知人は『何か変だな…とは思うけど, 後から報道が繰り返されるから流される』と言う.                 検事調書の漏洩も警察発表だけで,具体的な事実関係は,何一つ明らかではない. それでも革マル派の犯行だとする断定報道だけは執拗に繰り返される.スパイ映画を 再現したような荒唐無稽な内容も確定判決になる.                 最近,日本銀行が何かとマスコミの槍玉にあげられている.そんな中で,TBSが 『私どもの独自の調査で…』として,この日銀で職員の水増しが行われているとして 執拗な報道を繰り返していた.これは,一体何か?                 別段,それが嘘の報道だとは思わない.職員の水増しから給与を余分に分捕って, それを内部で使うなどは,結構,大手企業の末端の支部でも行なわれているだろうと 推測される.ただ,ここに確証はない現実がある.                 日本銀行とて,当然,そういうことがあっても不思議はない訳で,従ってTBSが 信頼できる日銀OBから得た情報という程度の根拠を,確定判決のように報道しても そうなのだろうと納得させられてしまうのだが….                 然し,TBSが執拗に報道しても,他のマスコミは,これに一切言及しなかった. 明確に証明できる根拠が乏しかった所為であろうか? もし情報源である日銀OBが 意図的にガセネタを流したとしたらどうするのか?                 TBSが確定判決のように日銀を叩くのも,他の容疑で叩かれている弱者であり, 今なら叩いても反撃される可能性はないと踏んだのだろう.落ち目の日銀は,溺れる 犬のように叩かれた訳で,弱り目祟り目の典型だ.                 マスコミは,自分に対しては強力な弁護士であり,他者に対しては,捜査権を持つ 検事であり,判決を下す判事として振舞う傲慢な組織になってしまった.それでも, スポンサーの意向には無条件に従う律儀者である.                 社会を鏡のように映して,視聴者に吟味して貰う謙虚さを忘れて,いきなり口中に 放り込む暴挙を犯しているのである.『明らかになった』という一言が,最終判決を 下す裁判官の一言になる.マスコミの暴走である.                 この俺様のささやかなホームページにも,少数ながら『今まで,マスコミの報道に 疑問など全く感じたこともなかった….これからは鵜呑みにせず,自分で考えながら 見聞するようにしたい』とする意見が寄せられる.                 つまり,マスコミ報道は,それだけ一般に強く信頼された存在なのである.もし, ここに意図的に国民を騙す報道が繰り返され,いつかそれが白日の下に晒されたとき マスコミの信頼は,一気に失墜することになろう.                 いつか何処かのテレビ局が,例えば,欧米のマスコミに買収されて,警察発表とは 全く異なる独自の見解,取材結果を冷静に報道するようになれば,その強烈な印象で 既存のテレビ局は一挙に信頼を失うことになろう.                 少なくとも,俺様が感じている報道への矛盾くらいは,当然だが外国報道機関には とっくに察知されている.この国は,ガラス張りの世界である.冤罪の根拠がある日 突然,外国報道機関から突如として流されたら….                 俺様は,いつかこの日本は,あらゆる分野で外国勢力に圧倒され,無血占領される 運命にあると踏んでいる.自らの地位保全に執着して,真実を報道しようともしない 日本のマスコミは,そうなった時に泣きを見よう.                 情報は,現代社会において,明らかに三度の食事と同じレベルの食糧に匹敵する. それを取り入れなければ生きられない現実がある.様々な食品に含まれる添加物が, 健康を害すると問題にされるが情報も同じである.                 警察発表と言う畑から採れたばかりの『汚い野菜ドモ』を,洗いもせず,そのまま 視聴者の胃袋に放り込んでいるのがマスコミ報道である.食えない部分まで,平然と 食わされて,国民の胃袋は丈夫になってしまった.                 だから,マスコミがどんなにおかしな内容を報道しても『こりゃ食えぬ』とそれを 吐き出しもせず,皆,飲み込んでしまう.信頼出来ぬマスコミ,警察,政治,全てが やがて裁かれる時が訪れる.覚悟しておくがいい.                 欧米のする日本への内政干渉も『国際社会に与える影響』という大義名分の前に, 欧米列強国の支配が,当然の正義だとされる論理的整合性へと導かれる.こんな国の 占領に武器なんか要らない.言葉一つで果たせる.                 今からでも遅くはない.自らの報道の過ちを正し,自浄作用を復活させねば,理の 必然として自己崩壊への道を歩むことを思い起こし,思い切った決断をすべき重大な 時期に来ている.権力掌握の幻想を捨てるべきだ.                                        ** 悪魔 **       ・目次に戻る