改めて検事調書への疑惑

改めて検事調書への疑惑

 マスコミが正面から取り上げようとはしない冤罪説は,もしかすると二種類ある. 一つは,神戸事件の真相を究明する会発行の小冊子,今一つは,核マル派が,機関誌 『開放』に掲載したと噂されている冤罪説である.                 或いは,この二つが同じものである可能性は残る.最近,核マル派の事務所から, フロッピーに入った検事調書が発見されたという.週刊朝日の記事では,核マル派も それを認めている.無意味な作文だと思ったとか.                 記事に依れば,東島克己なる評論家が,核マル派が機関誌に掲載しなかったのは, 自らの冤罪説と矛盾するからとのコメントをしている.要するに,その内容が真実で 冤罪説を打ち消せる内容だと言いたいようだが….                 俺様は,事前のマスコミ報道で,文藝春秋に,本物の検事調書が掲載されていると 聞いて,これを買い求めた.この段階で,それが本物であると,頭から信じていた. だから,検事調書だと言う前提でそれを読んだ….                 だが,もし何の先入観も予備知識もないままに,この文章を読んだならば,とても これが本物の検事調書だとは信じなかっただろう.実際,核マル派だけでなく,他の マスコミも本物だとの断定出来ず掲載しなかった.                 東島克己なる評論家を標榜する愚かな輩が,何故,これを本物の検事調書だとして 核マル派のコメントを疑うのか? 疑うのであれば,同じように公表を見送った他の マスコミにも何からの疑惑を抱いてしかるべきだ.                 何よりも,複数の権威ある? マスコミが信憑性を疑って掲載しなかった文書を, いかなる根拠で,文藝春秋は,これを本物と断定して,立花隆に,掲載の正当性まで 書かせて自信たっぷりに,本物であるとしたのか?                 また,掲載を巡って,多分,全てのマスコミが,これを本物だとした前提で,その 是非を展開した.改めて,掛け値なしにこの文書を読むと,とても猟奇殺人を犯した 犯人を取り調べた調書とは思えなくなって来る….                 それでもこれが本物であるとするなら,内容自体が極めて信憑性に乏しい構成で, 最初から事件を洗い直してみる結論が出てしかるべきだろう.本物だとして公表され 一つの問題提起になりながら内容の検証はしない.                 今回の週刊朝日の記事にしても,暗に冤罪説は核マル派の陰謀で根拠のないものと 印象づける効果を狙っているとしか思えない.マスコミで食い繋ぐ評論家と言う輩は 本当にテメェでものを考えてコメントを出すのか?                 ともかく,この事件の犯人逮捕は,結果として,実質的に何一つ物的証拠がなく, 唐突に発表された.この極めてあやふやな結論に,何処の報道機関も疑問を持たず, 容疑者を徹底して裁く報道を,執拗に繰り返した.                 松本サリン事件の教訓など,どこ吹く風である.ガキドモのナイフ遊びを報道する 暇があったら,十四歳の小柄な子供が,本当に,一連の犯行と行動が取り得たものか しっかり検証したらどうなんだっ! 怖いのかな?                                        ** 悪魔 **       ・目次に戻る