コラッ！　ＮＨＫ　お前もかっ！

　12月29日午後７時20分ＮＨＫテレビ１ch…．又しても，酒鬼薔薇事件の回想番組が
放映される…．『大人は気づかなかった』このタイトルからして，もはや，さしたる
期待を持てる内容ではないだろうと判断していた．　　　　　　　　　　　　　　　

　結果は，想像よりも遙かに酷かった．何しろ民放と同じ手法で，神戸の街の市民に
インタビューする場面が全くなかった…．いつの映像か，Ａ少年の近所に住む人への
インタビューも顔を隠した．市民には顔がない…．　　　　　　　　　　　　　　　

　天下のＮＨＫも問題の視点を少年の心の問題，親子の絆へと強引に持って行った．
今，神戸の街の表情がどう変わったのか？　これまでに幾つかの番組を見てきたが，
そのどれも，当然行われるべき視点が欠けている．　　　　　　　　　　　　　　　

　事件が神戸市民に与えた影響は，計り知れないものがある筈だ．事件解決後でも，
学童は大人に付き添われて集団で登校していた映像が印象に残る．果して今，神戸で
あの集団登下校は，解除されたのか否か気になる．　　　　　　　　　　　　　　　

　然し，番組は少年の心と行動の変化を報道しながら，冒頭から周囲の大人は，全く
そういう変化に気がつかなかったとする．ただ，ひたすらＡ少年の心の内を強調して
犯行と既報の作文の内容を強調するばかりだった．　　　　　　　　　　　　　　　

　然し，少年の犯したとされる首斬り殺人については，その詳細を一切語らない…．
これは今までのテレビ番組に共通している．『首を自宅に持ち帰り洗った…』という
衝撃的な報道の再現はない．正門前の血痕もない．　　　　　　　　　　　　　　　

　当たり障りのない場面だけが，足早に流されただけの過去の報道再現である．何か
お前ら大事なことを忘れてるんじゃねぇのかっ！　一体，あの事件から，どれだけの
人間が教育を真剣に考えたんだ？　嘘つきめがっ！　　　　　　　　　　　　　　　

　インタビューに答える教頭は，犯行には気づかなかったと強調する．最後に，かの
野口善国弁護士が登場して，少年は，家庭でも学校でも，心を理解して貰えることが
なかったようだとして，報道は簡単に終了した…．　　　　　　　　　　　　　　　

　気がつかなかったのではなく，事実がなかったとは考えないのか？　一体，何故，
今の神戸の街を歩く通行人へのインタビューがないのか？　市民を恐怖のどん底へと
陥れた事件である．白日の下で何故聞けないのだ？　　　　　　　　　　　　　　　

　勿論，どんな事件でも必ずしも現場を振り返る訳ではない．然し，テレビカメラは
神戸に居ながら，堂々としている風情がない．人けのないタンク山の現場，遠景での
街の様子．報道が市民を避けている異常性がある．　　　　　　　　　　　　　　　

　事件の核心に繋がる部分を遠巻きにして，そこに一切，触れることのない視点から
事件を回想するだけの煮え切らない報道である．神戸の街で，市民団体が訴えている
冤罪の疑いは全く取り上げられようとはしない…．　　　　　　　　　　　　　　　

　テレビ各局は，警察発表に逆らう視点からの報道を避ける姿勢を貫いている．今の
神戸に起きたとされる冤罪説の頒布という，市民を不安に陥れる新たな展開にすら，
何一つ答えようとも，事実を伝えようともしない．　　　　　　　　　　　　　　　

　結局，事件は，このままうやむやにされて闇から闇へと葬り去られる宿命なのか？
後は，Ａ少年が自由の身になって，自らの体験を語る日の来ることを待つしかない？
俺様も空しいことを書き続けたが終わりはないっ！　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　＊＊　悪魔　＊＊　　　　　　

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