手に負えぬアメリカ

手に負えぬアメリカ

 世界平和を希求する筈の日本国憲法も、国際紛争の現場で何ら活躍の機会もない。 元々、アメリカから賜った憲法である。そっくりお返しして、今こそ自らが反省する 必要があることを強く訴えるべきであろう。                    国連を私物化しているアメリカは、以前、国連の会費が未納のままと報道された。 その後、支払いは済ませたのか? まさか日本が肩代わりしていたなんてことは…、 あるかも知れんなぁ…。そんな国だもん…。                    実際、日本国が、アメリカの武力行使を支持する理由は何なのか? 憲法自体を、 積極的に改正する勇気も無いままに海外派兵に応じた支離滅裂な国だから、日本が、 どんな理念を以て存在するのかも分からぬ。                    基本的には、日本が侵略国であると頭から決め付けられ、それを素直に受け入れた 植民地国家である。大日本帝国が、たとえ一時的にしろ、アジアを占領して植民地に していた欧米を叩き出した歴史があるのだ。                    今や、そういう歴然とした欧米のアジア支配の野望があったこと、それが現在も尚 継続されていることを見ようともしない。今の日本人が、その大日本帝国を侵略国と みてしまう以上、イラクの正義は見えない。                    イラクは、さながら、台所をはい回るゴキブリ程度にしか思われていない。だから 一方的な攻撃が仕掛けられても何も感じない。オリンピックのバカ騒ぎを必要以上に 繰り返すマスコミは問題を覆い隠している。                    国連を私物化するアメリカは国連から除名すべきである。然し、そうなった場合、 かの国は、世界で最も危険で邪悪な国となろう。そのアメリカの横暴を訴えて、今や 決死の戦いを行いつつあるイラクは偉大だ。                    弱い者いじめが好きなマスコミは、仕返しされる恐れも無いガキの犯罪には厳しい 論評を加えるが、アメリカの武力行使には、淡々と事実だけを伝えて、一切の論評を 加えられない植民地報道機関と化している。                    我が大日本帝国は、今日的軟弱さを以て、自らの非を認めた上で、無条件降伏への 道を選択した訳ではない。『耐え難きを耐え、忍び難きを忍び』やむなく悪の論理に 屈した。今日、依然、彼らの監視下にある。                    俺様は、昭和20年8月15日以前の常識を堅持する。大戦に殉じた数多の英霊には、 それ以降の常識は通用しない。彼らは、当時の常識に殉じたのだ。彼らの礎の上に、 繁栄を享受して、英霊を侵略者と蔑む…。                     こういう常識の上に立てば、元祖侵略者、鬼畜米英を正義の番人だと思い込むのも 無理はない。それ故にこそ、事ある毎に日本は侵略者にされて、彼ら真犯人の罪状を 肩代わりさせられて、ペコペコ謝罪する。                     うかつに俺様のように戦前の常識で対処すれば、日本が空爆の対象になるだろう。 日本が本気でアメリカと渡り合うなど出来よう筈もない。今の日本には、存在理由を 賭けてアメリカと対決する勇気などない。                     後はただ、アメリカが世界支配に向かう過程で必然的に訪れるであろう自己崩壊が 訪れる瞬間を待つしかない。然し、アメリカのイラク空爆を許せば、アメリカは更に 次の獲物を求め始める危険に曝らされる。                     何の根拠もない大量殺戮が行われようとしている現状を前に、政府はそれを安易に 容認し、日本のマスコミは、長野オリンピックを利用して、国際的な大量殺戮から、 国民の目を覆い隠す番犬役に徹している。                     あの騒がしいだけのチアホーンの音は、空爆の音を掻き消すかのように聞こえる。 本当にこの日本の国民は、脳天気で何も考えない愚かな大衆に成り下がった。それが 幸せであれば、それはそれで結構だが…。                     もし日本か再びアメリカの攻撃に晒されたとき『何も悪いことはしていないのに』 などと、自らの脳天気を正当化するのは止めるべきだろう。自らの脳天気に、誇りを もって、平和裡に奴隷になればよいのだ。                                            ** 悪魔 **       ・目次に戻る