痔と近視の関連を疑う

痔と近視の関連を疑う

 ふと気がつけば,視力に関する前回の更新からは何年もの歳月が過ぎてしまった. 然し,俺様の中では視力回復への思いは継続していた.この期間中,新しい関連性に 目を向ける偶発的な体験をするに至った.                     一つには,四〜五年前,新聞の折込広告に入っていたナタ豆茶の広告に,運命的な 出会いを感じたことである.今一つは,それを飲み続けたことから,三十年来の痔が 一昨年,命の危険を伴って完治したこと.                     このナタ豆茶の意外な効果については『俺様の頭に毛が生えた』に体験談がある. 然し,毛髪は増え続けているが,ハゲは完治していない.今後,近眼が治る可能性に 迫る劇的な出会いにも繋がる可能性も…?                     西暦二千年の前半,痔の出血が酷くなったが,痔がかなり小さくなったと感じた. 然し,同時にめまいに悩まされた.耳鼻科の診察も受けたが原因不明だった.どうも 視力の訓練をすると,めまいが酷くなる?                     視力はかなり回復したように思えると,何故かめまいが生じるパターンがあって, その結果,視力が後退する….今にして思うと,これは,痔からの出血が,慢性的な 貧血状態を導き出したものだとも思える.                     めまいが自然に治った頃,痔が再発した.夏を過ぎた頃,痔の出血が酷くなった. それに伴って,再び痔が小さくなって来た.痔が消え去る際に起こる一時的出血だと 解釈した.便器に座っただけで出血した.                     ちょっと酷いかな…とは思ったが,三十年来の痔である.今更,少々の出血程度で 不安に感じることもなかった.これが間違いだった.痔の出血は,悪い血ではなく, 新鮮な血液が出るのだと後に聞かされた.                     ある夜中,突然,あまりの息苦しさで目を覚ました.横になっていると苦しいので 起き上がっていた.すると幾分楽になる.何度か同じ症状が出た晩に,親類を頼んで 夜間診療所で受診した.診断不能だった.                     この頃,既に痔は点のように小さくなって出血は止まっていた.それから三日後, 体調を見て,一人でタクシーを頼んで病院での診察を受けた.どうかすると,呼吸が 突然止まる不安を感じる症状があった….                     然し,この頃,そんなに体調が悪かったのに,何故か食欲だけは旺盛だったことが 妙に印象的である.然し,病院に向かう朝は,検査もあるだろうと,朝食を食べずに 出掛けた.循環器では異常なしとされた.                     すぐに内科に廻されて,血液検査の結果,その場で,即入院を言い渡された.何と 血液中のヘモグロビンの値が5しかないと言われた.これは,とても立って居られる 状態ではないと,医者の方がビックリ….                     何か出血について心当たりはないか? 医者に問われて,痔での出血が酷かったと 話したが,痔の出血程度で,こんなに酷くはならないと言われた.ここで大腸からの 出血を疑い,ガンに違いないと診断した?                     然し,表立ってそれを告げられた訳ではない.その場で,胃カメラの検査を受けて これは異常がなかった.きっと大腸ガンだと疑ったのか,その日から食事も禁止され 三日経過した頃,体力の限界を感じた….                     それを看護婦に訴えて,取り敢えず食事を与えて,一度,体力をつけてから改めて 検査をすべきだ.医者にそう伝えろと怒ったのである.婦長が唐突に口走ったのだ. 「あなたは,今物を食べたら死にます!」                     やれやれ….大腸ガンで腸管閉塞を起こしているような患者が,空腹で苦しむか? その時は,明け方,唐突に胸が苦しくなって,今まで感じていた体力の限界が極限に 達したと感じて,そんな騒ぎを起こした.                     そのまま眠りに就いたが,このまま目が覚めないかも知れない不安を感じていた. 夢の中で,二つの並行する道が見えていた.片側が生きている道で,今ひとつが死に 繋がる道だったが,どちらも同じだった?                     俺様は,どうもその死の入口に立っていたようだが,そこで生きることに執着する 一切の欲望を捨てないと,そこを通ることが出来ない.一方通行で後戻りも出来ぬ. もはやこれまで…と一切を諦めたのだが?                     朝になって,妙に心静かに目を覚ました.俺様は,生きているのか….気分は割に 良かった.その日は,日曜日で大腸の検査を翌日に控えていた.果たして,俺様は, 明日まで生きられるか? 不安もあった.                     それでも無事に検査の朝を迎え,二時間掛けて下剤を飲み,午後から内視鏡検査を 受けた.『おかしい,何にもない.何でだ?』医者は検査をしながら,繰り返し同じ つぶやきを繰り返したことが印象に残る.                     その言葉に,俺様は『ここまで来ないと解らないのか…』と愕然としたのである. 便の色は正常だし,腹痛が起きたこともない.出血は明らかに肛門付近からだとして 何度も強調したが,所詮は,素人判断だ.                     肛門から管を入れながら画面を見て,しきりに医者が不思議がっていたが,結果は 「どこにも異常はありません.痔もありますけれど….これはもう小さいもので…」 その夜から無事食事が出るようになった.                     入院する前に,体が必要な栄養を迅速に吸収しようと,食欲は旺盛だったものを, それを突然,朝食を抜いて病院に向かって,それきり五日間食事なしだった.本当に 俺様は,病院で餓死するかと思った位だ.                     例えば,体が正常な状態なら,点滴だけで五日間過ごしたとて,それ程には苦痛を 感じないだろうが,数日間,貧血状態でろくに動けない状態の中にいたことを思えば 絶食は,命取りに繋がりかねなかった….                     実は,入院する十日前に,不気味な夢を見ていたことが鮮烈に蘇る.何故か俺様は 手鏡を持って廊下を歩いていた.後ろから女が走って来るのが見える.振り返っても 女はいない….それを何度か繰り返した.                     ふと気がつくと,その女の顔が俺様自身の顔になっていた.俺様は,不思議そうに 鏡の自分の顔を見つめていたが,無理やり納得しようとした.その時,俺様の背後で 本来の顔が真っ青になって抜け出て来た.                     それは俺様の上半身を伴って幽霊のような形で抜け出して来たのだ.あっ.これが 俺様ではないか….そう思った瞬間,夢から覚めた.まるで自分の分身を見たような 不気味さが,唐突に襲って来たのである.                     異常に喉が渇いて,水を飲みに起きたが,何処かに自分の分身がいるかも知れぬと 感じたが,別段,現実に分身に出会うことはなかった.ただ,医師から,最近顔色が 青くなったと言われませんかと聞かれた.                     それまで自分の顔を見た記憶がなかったので,診察室を出る時に鏡を見て驚いた. あの夢に見た真っ青な顔が,そのままそこにあった….あの夢は,貧血状態にあった 自分を暗示する夢で危険を知らせていた?                     俺様の父親は,心筋梗塞で死んでいる関係から,俺様も心臓に何か異常が起きての 症状なのだろうと考えていたが,ヘモグロビンの値が極端に少なくて,血液が酸素を 十分に運ばない関係で息苦しくなった….                     入院当初,緊急に輸血を受けた.その後,ヘモグロビンの値が10を超えて,顔色も 良くなった.二週間後の検査まで入院が望ましいとされたが,目の不自由な妻もおり 早急に退院を願い出て,入院終了となる.                     その後,痔はすっかり消えた.退院後,少し出血もあったが,それも止まってから 痔が復活することもなく,一年以上経過している.何しろ痔との付き合いは三十年で 出血に鈍感になっていたのが悪かった…?                     出血の際には,出血を止める座薬でもきちんと使って抑えるべきだったと,後から 反省した.退院後,定期的に受診して鉄剤を飲みながら血液検査も受けた.その後は 異常もなく受診から開放されて完治した.                     その後の一年間は,妙に体調が不安定だった.視力が少し上がったかに思えると, めまいに似た症状に見舞われた.然し,年齢的に一種の更年期的な症状にも思える. そんな最中に運転免許更新の通知が来た.                     体調不良だと何かと不安になって,動けなくなったら更新にも出向けなくなると, 動ける内に済まそうと,更新の初日に電車とバスを乗り継いで出掛けた.とても車は 運転出来そうもなく事故の不安もあった.                     結局,未だに眼鏡なしでの更新は果せそうにないので,一番新しい眼鏡を持参して 視力検査に備えた.とは言え,これは1994年1月に免許更新のために作ったもので, 1.0が見える眼鏡として調整された….                     然し,この眼鏡は免許更新の際に使っただけで,次の更新まで全く使わなかった. その仕舞ったままの眼鏡で,それから二度目の更新もパスした.この眼鏡を掛けては 度が強すぎてとても運転は出来ないのだ.                     その最新の眼鏡で? 2001年12月,三度目の更新を受けることになったが,体調も 悪く,裸眼で0.3とされた.とても掛けては運転出来ないその眼鏡着用で1.0を クリアしたのは幸いだったかも知れない?                     現実には,運転する時に眼鏡を掛けていない.対向車のナンバーも読み取れる位の 視力は発揮出来る.案内標識に描かれるローマ字の小さな文字も読取れたりする…. ごく度の弱い眼鏡でも目に負担に感じる.                     必要な場合には必要なピント調整が可能になるという不思議な状態が起きている. これは,最後に眼鏡を作った時にも,眼鏡屋が不思議に思ったことで,事に依ったら 遠視か…と疑ったようだがそうでもない.                     何でピント調整が出来るのか? そんな訳はない…と首を傾げていた.眼科でも, 近視が治る常識がない.レーザー光線を利用した治療とて,その原理は眼鏡と同じで 角膜を削ってピント調整するだけなのだ.                     この治療法も,その効果は眼鏡と同じで次第に視力が落ちると,ものの本にある. 何処で落ち着くかは予測は出来ないという.宣伝では,そんなことは全く伝えない. 一頃,ゴルファーが大挙して受けたとか?                     果たして,その治療を受けたゴルファー達の,その後の視力はどうなのだろうか? 人体のメカニズムは,現代医学でもその全貌は掴めていない.近視の原因も謎のまま 放置されている.治療法がある訳もない.                     俺様が抱えていた痔も,或いは近視が継続された理由のひとつか? そう言えば, 俺様が近視になる前に,よく貧血で気分が悪くなったことがあった.その頃は,まだ 痔はなかったが,栄養不良だったのかも?                     更新後,或いは再びめまいに似た症状が続くかと懸念されたが,それもなかった. 視力が良いと感じられる状態が続いても,めまいも生じない.あるいは,ここに来て 本格的に近視が治る兆しになるといい….                     今,比較的自由に見たものにピントが合いやすい状況にはあるのだが,常に眼鏡を 掛けているように,何処を見てもピントすっきりという状態ではない.未だ,それを 拒絶する何らかの理由があるように思う.     ** 悪魔 **        ・・視力訓練と拳銃射撃へ戻る
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