遅ればせながら不審船騒動に警告

遅ればせながら不審船騒動に警告


 最近,つまらぬ自己主張に飽き飽きしているところがある.ページを更新するにも 今ひとつ意欲に欠ける.様々な事件がマスコミがばら撒く餌になって,それで世間は 相応に宴会騒ぎの雰囲気になって行く….                     そんな中にあっても,テレビの映像から遠ざかっていることが,世俗からの刺激を 和らげているようだ.たまたま見てしまう映像に深い失望を感じることがよくある. 衝撃を感じた映像は不審船のニュースだ.                     銃撃戦というから,対等に撃ち合ったのかと思いきや,不審船にピッタリ横付けの 巡視船が一方的に撃ちまくられていた.抵抗された瞬間に撃ち殺す態勢も取らずに? 軍隊に非ずとは言え,戦闘を知らない…?                     散々撃ちまくられて,なす術もなく不審船から離れて安全圏から機関砲で報復…. こんな不審船の横付けでは,巡視船は簡単に乗っ取られる危険があった.然し,誰も それを問題にしないまま通り過ぎていた.                     俺様は,暮れも押し詰まってから初めてその映像をみた.その印象では,幸運にも 敵は巡視船を追い払うだけで,積極的に巡視船を乗っ取ろうとする意思はなかった? もし敵にその意思があれば成功していた.                     奇しくも俺様は,昨年11月16日『戦記南海封鎖』なる戦前の本をインターネットで 見つけて購入した.中国海域で旧日本海軍が,海上でジャンクと呼ばれる不審な船の 臨検を行う地味な実録戦記物語であった.                     その後,突然現代に起きた不審船騒動と同じ状況が,その戦記にはある.あまりに その印象が強く残っていたので,海上保安庁の巡視船の対応が,その映像を通して, いかに無防備で危険であるかを実感した.                     平和惚けも,ここまで来ると,今後,巡視船の沈没,乗っ取りに発展する可能性が まざまざと見えて実に恐ろしい.然し,軍事的常識で言えば,とんだ物笑いである. 臨検に及ぶのに誰も警戒をせず近づいた?                     つい最近,首相のメールマガジンにリンクした,この事件の報告書を少し読んだ. 海上を漂う敵の人間を発見していながら,二時間も手をこまねいて溺れさせている. 命が惜しいから反撃が怖くて近づけない?                     要するに,体を張って不審船に近づいて臨検する覚悟がない.それなら最初から, 下手に近づくんじゃない.全くみっともない話である.早い話が敵の銃撃に慌てて, 何もせずに逃げ出したというだけである.                     敵の小火器による抵抗を,同程度の武器で即座に制圧するノウハウを持たないまま ノコノコ近づくバカもないものだ.結果的に沈没させてしまったが,俺様は,そこに もし拉致された邦人がいた場合を考えた.                     南海封鎖では,抵抗に遭えば,その場で反撃,海中に逃げた敵は,拳銃等で即座に 射殺.敵船に乗り込んで反撃されれば,軍刀で斬り殺したりする.海中に逃げた敵は 船を爆破する危険もあって無視出来ない.                     今回の体験で,敵は,これなら海上保安庁の巡視船は乗っ取れると踏んで来よう. 自らが命がけで敵に体を晒す覚悟なくして臨検をするものではない.腰抜け保安官は いずれ敵の餌食になると知るがよかろう.     ** 悪魔 **     
・目次に戻る