ここに来て，ようやくニューヨークの惨事が，テロによる破壊活動であったと，
容疑者サイドが認めるような声明を出した．彼らはよい仕事をしたと，今になって
犯人との関連を自白したかのようである．　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　事件発生と同時に声明を出して，いずれアメリカは反撃して来る．その時こそ，
更なる攻撃の時であると，事前に宣言しておけば，効率的な反撃も出来ただろうと
思えるだけに，いささか間が抜けている．　　　　　　　　　　　　　　　　　　

『自分たちに心当たりはないが，敢えて士気を鼓舞するために利用した』のかとも
思える．荒廃した大地と体当たり攻撃は合致するが，そこに伴う正確無比な攻撃は
むしろ，極めてハイテク的な印象がある．　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　ハイジャック攻撃を継続するとの挑発は単なる強がりなのか？　もし先の事件が
彼らの手によるものだとしたら，ホワイトハウスを次の目標として敢えて残したと
思えて来る．いつでも攻撃出来る自信か？　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　アメリカは，アフガニスタンで着実な戦果を上げていると自信満々だが，確かに
原始兵器対ハイテク兵器の勝負にならぬ一方的な攻撃が続いているだけに過ぎぬ．
ここから彼らの反撃が始まり得るのか…？　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　報復と言えば聞こえはいいのだが，何処となくアメリカの最新兵器の試し撃ち的
印象も受ける．大都市の惨事と，この荒廃した国への攻撃が同列には考えられない
妙な違和感を感じる．報復は正しいのか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　事前の映像を見ずに，航空機がビルに突入する事態を想定すると，多分，ビルを
突き抜けて並立するビルにも突入するのではないかと想像する．それが一機全てが
一つのビルに吸収されてしまったのだ…．　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　俺様には，それが誠に意外な印象を受けたのだが，予め二機の突入が計画されて
実行されたのなら，事前にそこまでの力学的な計算までなされていたことになる．
この緻密さと荒廃した国土の落差は何だ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　アメリカを敵対視する国では，ニューヨークの惨事を，アメリカの自業自得だと
断定する．彼らは，それ相応の災いを受ける理由があるとしている．アメリカには
その理由が傲慢さ故に理解出来ないとも．　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　天敵のいないアメリカ支配が続く国際社会には，相応の歪みも生まれていよう．
永遠の支配者は存在せず，いずれアメリカも崩壊する．もしアメリカが崩壊したら
日本は，どのような道を進むのだろうか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　日本のマスコミ報道では，アメリカが犯人だと断定しているビンラディンの名を
常に『ビンラディン氏』と敬語を付けて呼んでいる．警察に逮捕されれば事実上，
真犯人と断定して実名呼び捨ての国が…？　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　一体，この裏には何があるのか？　暗に国はアメリカに味方しているが，報道は
常にビンラディンの味方なのだと，取材陣の身の安全を図っている姑息な手段か？
アメリカ亡き後，アラブとの友好を想定？　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　戦後，五十数年のアメリカ主導の世界は，案外，崩壊を間近に控えているのか？
一見，一方的な攻撃が成功している報復攻撃が，実は，アメリカ崩壊の序曲として
回想される未来が存在しないとは言えぬ．　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　感覚的にブッシュの映像を見ると，何とも冴えない頭の悪そうな男に思える…．
こんな男が決断した結果に，明るい未来が見えるとも思えず，こんな男に真っ先に
擦り寄った臆病な鶏男も共倒れだろう…？　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　高度経済成長を遂げる中，日本国憲法に内包された人類の進化を示唆する哲学を
探究するゆとりを失い，それを世界に提示する道を見失ってしまった日本である．
駄馬には，日本国憲法の精神は解らない．　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　最強の国家が，自らの力を自らの手で引いて，相手を思いやるゆとりを見せねば
戦いの終結はない．徹底してテロを叩くと称して，テロの口実を生み出す悪循環に
日本は歯止めを掛ける存在理由がある…？　　　　　＊＊　悪魔　＊＊　　　　　


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