ひき逃げ相撲の若乃花を斬る

ひき逃げ相撲の若乃花を斬る

 基本的にマスコミは,実につまらぬことで大騒ぎをする.最近の騒ぎで言えば, 若乃花と貴乃花の話題である.発端は,貴乃花が若乃花を批判したことが,あれは 整体師の洗脳で,本人の意思ではないと騒がれた.                俺様は,貴乃花の発言内容に感心したのである.実際,大関時代から,若乃花の 相撲には,いわゆる力相撲がなかった.これから横綱を目指す者が,逃げの相撲で 勝ち続けていた.星勘定ではなく内容が悪すぎた.                然し,相撲中継に登場する解説者は,若乃花の相撲を批判せず,相撲勘の良さと 褒め称える始末である.誰一人若乃花の相撲を批判した者はいない.昔は,大関や 横綱が逃げ相撲をすれば徹底してこき下ろされた.                若乃花は,横綱になっても,一向にその相撲が改まらない.解説のバカドモは, 未だに『相撲勘の良さ』を強調する.大関横綱に,相撲勘の良さという誉め言葉は 実に失礼な形容である.実力が地位を支えるのだ.                大体,力をつけて来た若手は,身を捨てて胸を借りるつもりで力一杯ぶつかって 自分の力が横綱にどれだけ通用するかと必死である.それを引いたり叩いたりで, 受け流して済ませてしまう合気道でごまかすとは?                横綱が小結が取るような相撲でごまかしている現実は,何とも見苦しい.然し, 周囲で話を聞くとまるで様子が違う.何故か皆,貴乃花を蔑んでいる傾向がある. マスコミの論調が,周りの人間の論調なのである.                俺様に言わせれば,二十代も半ばを過ぎた勝負の世界で生きる人間が,親兄弟と いつまでも家族団欒している姿なんぞは,おぞましい限りである.親離れ子離れが 果たせない双子山一族にうんざりされられていた.                その意味で,貴乃花も大人になったものだ…と感心していた.然し,マスコミは 若貴兄弟をペットにしていた.いい歳した大人を『オニイチャン』という気持ちの ワリィ呼び方で,二人の繋がりを報道の華にした.                マスコミも,そんなペットが突然,反旗を翻したものだから『お前はいつまでも マスコミ様のペットで居なければいけないのだ!』と洗脳騒ぎにして暗に責める. 悪いのは整体師,貴乃花は悪くないと強調する….                あんな逃げ相撲を取る若乃花の取り組みなんさ全く見たくもない.土俵で倒れた 下位力士が『なんだよ…横綱が逃げるのかよ…』そんな表情に感じられてならぬ. 体の大小に囚われず大型力士を退けるのが横綱だ. ** 悪魔 **      ・目次に戻る