科学者によれば、オランウータンは絶滅の淵に

マレーシア・キニ・インターネット新聞、2006年1月24日

森林消失とアブラヤシ・プランテーションにより、マレーシア領ボルネオ島北東部のオランウータンは絶滅の淵に追いやられていると、本日発表された調査報告書が警告した。

PLoS [Public Library of Science] Biologyという米国の学会誌で発表された報告書によると、 キナバタンガン野生生物保護区に生息するオランウータンのDNAデータベースから、その証拠が得られたという。

地上に落ちた糞と樹上の巣にある毛を集めることにより、約200頭のオランウータンの遺伝子の全体像を把握することができたという。

その情報をコンピュータ・シミュレーションで頭数の安定した集団と比較することにより、キナバタンガンのオランウータンが100年前には今よりも豊富な遺伝子プールを持っていたこと、つまり、今よりも頭数が遥かに多かったことが分かった。

1890年ごろから同地域で森林が減少しはじめ、遺伝子プールが狭くなりはじめた。この傾向は、オランウータンの数が減り続けた1950年代〜1970年代に加速した。

この結果から地域全体の状況を推定すると、見通しは暗い。

「この減少傾向が続けば、近い将来、サバ州でオランウータンが絶滅する危険性が高いことを遺伝学調査は示している」と筆者の一人、キナバタンガン・オランウータン保全プロジェクトのマルク・アンクレナズ氏は警告する。

オランウータンは、アフリカ以外の地域で生息する唯一の大型類人猿である。二種類のオランウータンが存在する:インドネシアのスマトラ島北部だけに生息するPongo abeliと、インドネシア・マレーシア・ブルネイにまたがるボルネオ島に生息するPongo pygmaeusである。Pongo pygmaeusのほとんどはサバ州に生息する。

オランウータンが33%減少

二つの集団を合わせた頭数は27,000頭と言われているが、この数字は信用できないとする専門家も多い。しかし、どちらの集団も頭数が激減していることに関しては、専門家の意見は一致している。

特にボルネオ島のオランウータンの状況は深刻であり、1996〜1997年の2年間だけで森林火災と旱魃で頭数が3分の1減った可能性がある。サバ州の類人猿は、生息圏を分断し、繁殖もできない孤立した集団にオランウータンを追い込む人工林とアブラヤシ・プランテーションにより、さらに危険に晒されている。

「天然林がアブラヤシ・プランテーションに転換されれば、このオランウータン集団は永遠に消滅するだろう」とサバ州野生生物局長代理ローレンティウス・アンブー氏はPLoSのプレスリリースで語った。

「我々の遺伝学調査の結果は、この種の生存を長期的に保障するためには、今すぐ行動する必要性があることをはっきり示している。この生物たちには、まだ十分な遺伝学的な多様性があるので、残された森林の断片をつなぎ合わせ、森林減少を食い止める措置をすぐに取れば、安定させることは可能である。」

先週火曜日、マレーシア政府は、代替燃料・バイオディーゼルの需要増大に対応するためにパーム油の生産を25%増やす計画であると発表した。同国は、サバ州およびサラワク州で栽培面積を増やすのに加えて、5年間で歩留まりを4分の1増やすことによって、この目標を達成できると期待している。

この記事で紹介する報告書は:
http://biology.plosjournals.org/perlserv/?request=get-document&doi=10.1371/journal.pbio.0040025