NGOは、先住民族の権利を無視するマレーシア木材認証制度(MTCC)を受け入れないよう欧州の政府・業界に訴える

私たち、以下に署名する非政府組織(NGO)は、マレーシア木材認証制度(MTCC)を持続可能もしくは合法的な森林経営を保証する制度として受け入れないよう、欧州の政府・業界に訴える。MTCCは先住民族の権利を尊重していないからである。サラワク州の森林経営単位(FMU)がプナン民族の権利をあからさまに軽視して最近認証されたことを私たちは特に憂慮している。以下に署名するNGOは、この認証の即時撤回を求めるプナン民族コミュニティーの訴えに賛同する。

マレーシア木材認証協議会(MTCC)は、その認証制度の下で販売された木材製品は供給源の持続可能性と合法性が保証されていると自負している。しかし、マレーシアのNGOは、MTCCが先住民族の権利を軽視してきたことを長年批判してきた。サムリン・プライウッド(Baramas)社が、初の民間企業として、またサラワク州における最初の森林経営単位(FMU)として、最近認証されたことは、MTCCが先住民族の権利を如何に軽視しているかを驚くほど端的に示している:サラワク州でも最も紛糾している森林地域の一つが、影響を受ける全てのプナン人コミュニティーに相談することなく、認証されたのだ。

サラワク州ウル・バラム地域で最近認証されたサムリン社のスラアン・リナウ森林経営単位(FMU)の幾つかの大きな区画は、プナン人が先住慣習権(NCR)を主張して1998年に裁判所に提訴している地域にある。この地域での森林経営を認証することによりMTCCは、「土地及び森林資源の長期的な所有権と使用権を明確に定め、文書で記録し、法的に確定するものとする」と定める自らの認定基準に違反していることになる。

サムリン社は1990年代はじめにこの地域に侵入し、警察の力を借りて先住民族の伐採に対する抵抗運動を弾圧した。伐採が始まって以来、プナン人たちは森林破壊に抗議してきた。森林は野生のサゴヤシ、薬草、民芸用のラタンなどの採集や狩猟を行う彼らの生活基盤である。

2005年1月には、同地域に住む600人以上の定住・半定住のプナン人たちが森林認証に抗議した。2005年8月18日にもコミュニティー代表者たちは会合で反対の立場を確認した。

2005年1月25日付けのMTCC宛の手紙でロング・サイット村(サラワク州ミリ省)村長のビロン・オヤウさんはこう書いている:「私たちは今回の森林認証を決して認めません。<中略> 伐採会社がやってきて私たちの生活を混乱させ、私たちの森林に侵入するまで、私たちはここで平和に暮らしていました。<中略> サムリン社の伐採で私たちの多くは苦しみました。私たちの生活や文化を奪う人々によって川は汚染され、聖地が汚され、動物も追い散らされました。」

MTCCは、全世界で広報活動を行う傍らで、プナン人の抗議を無視し、影響を受ける先住民族の意志に反して伐採が行われている地域に対する不当な森林認証を取り消すことを拒んでいる。

MTCCを合法性を証明する基準として受け入れるかどうかは極めて重要である。欧州各国政府が「許容可能な」熱帯材に関してどのような基準を設けるかのバロメータとなるからである。特に現在策定中のFLEGTライセンス許諾プロセスやEU加盟国の木材調達政策とも関連した問題である。

合法性を保証する基準としてMTCCを認めている英国やデンマークなどEU加盟国やオランダのKeurhout Associationなど木材業界の見解にNGOは反対する。

サラワク州におけるサムリン社のスラアン・リナウ伐採区の森林認証は先住民族の権利の観点で全く受け入れられないものであり、MTCCが謳っている「持続可能性」と「合法性」には影響を受ける先住民族の基本的な権利は含まれていないことを端的に証明している。

これらの新しい事実に照らしてマレーシア木材認証制度MTCCに関する再検討を行うよう関係省庁及び木材業界に要請する。

2005年12月1日

ブルーノマンサー基金(スイス)、
レインフォレスト・ファウンデーション(ノルウェー)、
FERN(英国)、
グローバル・レスポンス(米国)

賛同:サラワク・キャンペーン委員会(日本)を含む全世界の60のNGO/先住民族組織。