


■ プナン民族、カヤン民族、クニャー民族が先住慣習地での伐採と砂の採掘に抗議!!
―2002年4月23日、SAM(Sahabat Alam Malaysia, Friends of the Earth Malaysia)プレス発表―
2002年3月27日以来、サラワク州ミリ省バラム川中流部で、複数の先住民族コミュニティーが少なくとも6カ所で道路封鎖を行い、一カ所で抗議集会を開いている。
サラワク先住民族の多くのコミュニティーが連携して同時に各地で道路封鎖を行い、マレーシア当局に窮状を訴えるのは十数年ぶりのことである。
道路封鎖とは、伐採会社やプランテーション会社の車両の通行を止めるためにアクセス道の要所に木造構造物を建て、人間バリケードを張ることをいう。
最初のバリケードは、3月27日、スンガイ・アポ地区のロング・サヤンとロング・ベロックのプナン民族が、バラム地区ロング・ラマ奥地を通るInterhill Logging社が使う道路に建てたものである。3日後、現場で、森林官と警察の立ち会いの下、道路封鎖を行う側と会社側で合意書が署名されたが、合意が曖昧すぎて意味を持たず、その後の交渉が実を結ばなかったため、先住民族たちは後に署名を撤回し、結果的に4月18日に道路封鎖を再開した。
3月28日に、スンガイ・パター地区のスンガイ・カベンという支流にあるロング・イタムとロング・パカンのプナン民族が、Interhill社の使う、スンガイ・アカー川上流のプナンの村に向かうアクセス道に第二のバリケードを張った。Interhill社の取締役が住民の全ての要求を受け入れると言ったので、バリケードは同日撤去された。取締役は道路封鎖を行う人たちに、マルディの町まで下って地区行政官の前で合意書に署名するよう求めた。住民は4月2日にマルディに行ったが、Interhillの取締役は不在だった。結局、彼らも4月18日に道路封鎖を再開した。スンガイ・パター地区のロング・リリムとロング・ルティンの2ヶ村、そしてスンガイ・アカー地区のロング・パンガラン・イマンの住民も、この第二の道路封鎖に参加した。
4月8日、トゥトー川流域スンガイ・マゴー地区ロング・パター村近くで、グマン・マグット首長が率いる非定住プナンのグループが第三のバリケードを建てた。周辺はWoodman社に伐採されようとしていた。4月13日、会社が住民の共有林一体から車両を引き上げることに合意したため、道路封鎖は解除された。しかし、住民は、ほかの地域で常にそうだったように、この地域にも一、二年後に会社がまた入ってくるのではないかと心配している。住民は州政府が自分たちの共有林を認め、保護するよう要求している。
同じく4月8日に、リンバン川上流スンガイ・マディヒト地区で、セライ・セガ氏が率いる別の非定住プナンのグループがサムリン社の伐採活動を止めるために第四のバリケードを建てた。この道路封鎖は中断なく続いている。
4月10日、ロング・プシットで、リンバン川上流部の非定住プナンが、Limbang Trading社の下請伐採業者、Lee Lin Timber社の使う伐採道路に第5のバリケードを建てた。リンバンから警察官が3人、封鎖現場に行き、道路を封鎖することは犯罪だと人々に告げたという。人々は、生活を守るためにやっているだけだと主張している。
現時点で、この封鎖が続いているかどうか不明である。4月18日、コミュニティーの代表者が問題を訴えるためにマルディ町に向かい、ほかの人々が道路封鎖を続けるために現地に残った。
スンガイ・アポー地区では、ロング・ベマンのカヤン民族が第6のバリケードを建てたが、伐採キャンプの主任が住民に暴力を振るい、悪口を叩いたため険悪な事態になった。暴れている人を扱う際の慣習に習って、住民は主任を縄で縛り、落ち着かせるためにロングハウスまで連れていった。約一時間後、彼がやっと落ち着いたところで縄を解いたと住民は言っている。主任には指一本触れていないが、ロングハウスへ運ぶ途中、主任が自分で頭を車の壁にぶち当てて自分に怪我をさせたと住民は主張している。住民は、法律の力を借りずに彼を懲らしめるために主任を誘拐して身代金を取ろうとしたのではなく、主任自身と他の人々の安全のために慣習法に則って行動したにすぎないと主張している。事件の結果、ロングハウス住民31人が警察に身柄を拘束されたが、後に23人が解放されている。 残りは4月26日現在、まだ尋問を受けている。
一方、ロング・ラマ町近くのウマ・アケとスンガイ・プアクのカヤン民族とクニャー民族は力を合わせ、ロングハウス近くのバラム川の川辺から砂を採取しているBesungai Quarry社に抗議している。約30人が抗議行動に参加している。
【道路封鎖と抗議の理由】
SAMでは、プナン民族の置かれている厳しい状況を特に憂慮している。その窮状は十数年前、国内及び全世界で脚光を浴びた。元々、森を移動しながら狩猟採集で生活していたプナンたちは、以下のような、現在も続く権利侵害や窮状に当局の目を向けさせるために道路封鎖と言う必死の手段に訴えたのである:
(1) プナン民族の慣習的な土地に対する権利は長年、伐採会社や州政府に無視され続けている。このため、プナン民族は、生活の基盤である森林や川の資源が枯渇し、益々厳しい生活状況に耐えなければならなくなっている。
(2) プナン民族のほとんどは、十分な食料、適切な住居、近くで利用できる医療や教育施設、きれいな飲み水や電力など、生活に基本的に必要なものがない劣悪な状況で暮らしている。
(3) 定住したプナン民族も、農業の経験がなく、技術訓練や作付け用の種の提供などの支援も僅かしか受けておらず、生計を立てることができずにいる。
(4) サラワク州政府が約束した生態圏保護区(Biosphere Reserve)、正当な補償プロセス、資金やインフラ面での支援は全て実現していない。
道路封鎖を解除する前に、政府当局と会社が以下の具体的な行動をとることを住民は求めている:
(1)住民の権利を認め、公正明朗なプロセスで補償を行い、生活状況を改善できるよう、政府が意味のある支援を提供することにより、住民の要求を満たすこと。
(2) 慣習地でのあらゆる伐採事業、プランテーション操業を停止すること。将来は、先住慣習地で経済活動が開始される前に先住民族との協議が行われるべきである。
(3) 住民は、自分たちに合った開発モデルを選ぶ権利があることを認めること。開発計画は人間中心でなければならず、その実施過程は、十分な情報に基づく住民の事前の合意と意味ある参加が保証されなければならない。
住民は、マレーシア政府、サラワク州政府、マレーシア人権委員会(SUHAKAM)に、上記の全ての要求が満たされるために必要な措置をとるよう要望する。また、道路封鎖の際、警察や会社の従業員から脅迫や嫌がらせを受けないよう、住民の憲法上の権利を守るよう当局に要望する。
SAMは、連邦政府・州当局に対し、道路封鎖に関わるコミュニティーと接する際は節度ある行動を心がけ、無差別な逮捕などの行動にでないよう強く要望する。道路封鎖は、あくまでも住民が自分たちの生活する権利を守り、それを主張するために行われているのである。
むしろ、連邦政府・州政府がSUHAKAMと共に、住民の訴えに関する完全で包括的な調査を行い、先住民族が慣習的な権利を行使している土地で実施予定の開発プロジェクトに関する計画やライセンス発行に関する政策を再考するよう提案する。
(訳注:「スンガイ」とは「川」の意)
トーマス・ジャロン
Sahabat Alam Malaysia代表に代わって
(P.O.BOX 216, 98058 Marudi, Baram,Sarawak:Tel/Fax:085-756973)
■ ダイケン・サラワクによる木材プランテーション・プロジェクトEIA
―(環境影響アセスメント)報告書より―
大建工業(持ち株率55%)、伊藤忠商事(15%)及び現地企業の合弁会社、ダイケン・サラワク社は、サラワク州でMDF(中密度繊維板)工場を経営し、製材から出る廃材などの有効利用なども行っているが、MDF原材料を供給するために、ビンドゥル地方で木材プランテーションを作ろうとしている。環境影響評価では、住全員民が賛成しているとされるが、プロジェクト地には先住慣習地600ヘクタールが含まれ、住民がどこまでプロジェクトを理解しているか、住民全員が本当に納得して進められているかが懸念される。SCCでは、現地住民へのヒアリングなどを進め、状況を確認しようとしている。次号以降に詳しく報告する予定である。
【現在の環境】
1. プロジェクト・エリアは伐採された地域で、既に潅木と雑草だけになってしまった所もある。衛星画像によれば、残された森林は約3000haと推測される。
2. プロジェクト・エリア内には保護動植物もある。
3. プロジェクト・エリア内の約600haは、5つの集落に住む地元住民が占有している。その土地は農業に利用されている。
p.1
認可は1998年12月8日に発効し、60年間有効である。
p.12-13
プロジェクト・エリア内あるいはその付近には、5つの集落が確認されている。
エリアA・Bは、ミリ・ビンツル間の幹線道路沿いにある。ここはブギス人の集落である。
エリアCは、プロジェクト・エリアの外にあるイバン人のロングハウス、ルマ・ニャウィンの住民が暮らしている。
エリアDは、21戸のイバン人ロングハウス、ルマ・サナーの住民が住んでいる。
そしてエリアEには、東にあるスンガイ・ラバン地区に普段住んでいるプーナン人が所有する5つの農家からなる集落がある。農繁期には、彼らは一時的に農家で暮らし、陸稲や胡椒を植える。
この5つの集落すべてでインタビューを行ったところ、ダイケン・サラワクが提案する木材プランテーション・プロジェクトに全員が賛同した。プロジェクトが実行されれば雇用が生まれ、地元住民の一部が定期的な収入を得られるからだ。
■ 中国パーム油輸入割当量 マレーシアが大部分の供給望む
【ボルネオ・ポスト、2002年1月29日、p.20】
クアラルンプール:マレーシアのリム・ケン・ヤイク 一次産業相は、本年の中国におけるパーム油輸入割当量240万トンのうち、大部分をマレーシアが供給したいと述べた。
割当量の内、140万トンを個々の輸入業者、20万トンをバーター貿易、80万トンを国営企業で輸入すると言う。
昨日の「ASLI(アジア戦略展望協議会研究所)戦略展望協議会」開会後に、リム大臣がプレス発表で述べた。
WTO加盟後の今年、中国は輸入割当量を初めて240万トンにした。
中国は昨年11月にWTO加盟が認められたばかりだ。
昨年の中国のパーム油輸入量上限は140万トンで、その70%はマレーシアから輸入されていた。
リム大臣は、大豆油の関税に比べ高額なパーム油の輸入関税を引き下げるよう、インドの各省庁に手紙で要請したと発言した。
現時点で、輸入関税の仕組みが異なっており、パーム油の価格は大豆油に比べて1トン当たり80〜100米ドル(304〜389マレーシア・リンギット)安くなっている。
現在は、大豆油の輸入関税が45%であるのに対し、パーム油のそれは65%にも上る。
「インド政府は輸入関税を75%から65%に下げたが、大豆油の45%に比べたらまだまだ高い」とリム大臣は言い添えた。(ベルナマ通信発)