サラワクは今…



■バクンプロジェクト棚上げ

 首相代理のアンワル・イブラヒム氏は、昨日、バクン水力発電ダムプロジェクトは再開されていないことを明らかにした。以前プロジェクトを推進していたエクラン社への補償に関する1月20日の大蔵省の声明に言及し、この予算規模136億リンギのプロジェクトに対する政府の姿勢については誤解があったと語った。「我々は、本プロジェクトを延期することに決めた。この立場は変わらない。」サバ貿易センターでの約200人のサバ州のビジネスマンとの対話の後、イブラヒム氏は記者にこう語った。大蔵大臣でもある氏は、続行される工事は特に分水トンネルに関するものであると述べた。「地域の安全と環境が保護されるべき、重大で戦略的なプロジェクトの部分は、続行しなければならない。」
 また、同省の声明は、プロジェクトで発生した費用についてのエクラン社への補償についてのみ触れていたとし、「プライス・ウォーターハウス社(プロジェクトの会計のレビューをやることになっている会社)により証明された金額以外は支払いかねる」が、エクラン社により発生した費用は全て支払うことを述べた。
(1998年1月23日 New Straits Times)

■Dong Ah 社、バクンのトンネル工事の工期延長を要求

 Dong Ah Engineering & Construction Sdn Bhdは、延期されているバクン水力発電ダムプロジェクトの分水トンネル工事を続行したいとした上で、完了を12月末とするよう工期延長を求めた。同社は、韓国のDong Ah Construction Ind Co Ltdの子会社で、様々な困難に直面しているにもかかわらず、工事を続行している。工事には、約500人(韓国人110人、タイ人150人、フィリピン人40人、マレーシア人200人)の労働者がいる。工事の最もさかんな時には、バクンの労働者は約3000人に上った。
 Dong Ah 社が昨日述べたところでは、現在はトンネルのライニング、コンクリート構造物の建設、防壁のグラウト仕上げ、傾斜面の改良に集中して作業が行われている。プロジェクト完了までに要する費用は6億3400万リンギ、うち本年分は2億9600万リンギと見込まれている。
 3月までに、分水トンネル工事の70%は完了している。 Dong Ah 社は、工期延長に加えて、長期にわたり未払いであった工事費(工事進捗にしたがい支払われるはずのもの)の即刻支払い、セメント、ディーゼル等の工事の必需品の供給を求めた。 Dong Ah社は、工事費として1100万リンギの支払いも待っており、まもなく受け取れると期待している。同社は、昨年はソウルの本社から救済金を受け取ることができたが、最近の韓国の経済危機により最早それが可能な事態ではない。同社が今までに受けた海外送金は、材料費・機材費や韓国労働者への賃金等本社が直接負担する費用を除いても7000万ドルに上っている。同社は、マレーシア政府のプロジェクトに対する最終決断を待っており、その決断を受け入れると述べた。また、事態が悪化して業務終了とバクンからの撤退を余儀なくされた場合、同社は撤退前に延滞している下請け業者や資材供給業者への支払いを全て済ませると述べた。
 バクン・プロジェクトに関わっているIntro Progress Sdn Bhd及び27社から成るそのグループによれば、9ヶ月前にプロジェクトのペースが落ちた時から、Dong Ah社はIntro Progress社等に900万リンギの負債を負っている。(ベルナマ通信)
(The Star, 1998年4月17日)

■政府、バクンの苦悩解決を求められる

 ベラガ地区選出の連邦議会議員のビリー・アビット・ジューは、連邦政府が、バクン水力発電ダムプロジェクトの延期に関し問題解決の助力に踏み出すべきだと述べた。彼はさらに、昨日当地のホテルでの、本プロジェクトの影響を受けているベラガのコミュニティーのリーダーらと下請け業者との特別会合の席で、「この問題は、その規模からして、連邦政府の関与を必要とする。」と述べた。彼によれば、影響を受けた村人たちの声を代表するバクン開発委員会(BCD)を通じて、州政府はこの問題を認識している。また州政府はかなりの高額をダム関連のプログラムに割いており、さらに連邦政府からの資金をも必要としている。
 ダムの無期延期により経済的窮地に追い込まれた51のブミプトラ(マレー系資本)の会社の嘆願を受けて、彼は連邦政府に理解を示すよう求めた。彼はまた、もしこれらの下請け業者や会社に素早い対応がなされなければ、バクンプロジェクトが後に復活した時に、これらの会社が協力することができないだろうと述べた。
 彼はBDCの再定住小委員会の議長も努めており、その立場から補償・再定住等の重要な問題について影響を受ける村人たちとの話し合いを継続することを求めた。BCDは4月25日にベラガで村人と会合を持ち、支払われていない補償金と次のアクションについて話し合う。州政府は、以前3億リンギの補償金の30%を最初に支払うとしていた。「村人の移住(15のロングハウスから約9500人)は、本人たちが自己の意志で喜んで行う時のみにあり得るものだ」と彼は述べた。昨日の会合では、移住プログラムの早期完了と村人への補償の早期実施を政府に求めること等、いくつかの決議を採択した。
(The Star, 1998年4月16日)


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