先住慣習地を脅かすアブラヤシ

マレーシア・キニ・インターネット新聞、2006年2月21日

サラワク州政府が去年の第3四半期まで、127万ヘクタールの土地を開墾するための借地権を発行、もしくは許可したことが分かった。これらは主にアブラヤシ・プランテーション向けであり、土地を所有する先住民族に損害を与える可能性がある。

土地事務所の資料を本紙に提供した情報源によると、大半の借地権は、大規模プランテーションを60年、90年、もしくは999年間運営する許可を与えるものであるという。

これらの資料は、何人かの著名な政治家とその親類、州政府元高官、および強いコネをもつ実業家に借地権が与えられていることも示している。

アブラヤシ、ゴムおよび樹木プランテーション、果樹園を含む農業活動のために、9つの省で合計669件の区画もしくは借地権が割り当てられている。最も多いのはミリ省、ムカー省およびビントゥル省である。

サラワク州 土地利用許可 2005年1〜9月

区画・借地権 面積(ha)
ミリ省 202 392,204
ムカー省 124 324,113
ビントゥル省 69 176,805
クチン/スリ・アマン省 90 72,000
サマラハン省 53 67,760
カピット省 23 113,415

注:リンバン省とサリケイ省で許可された区画数は他の省より少ない

 

借地権の多くは主にミリ省、ビントゥル省、カピット省で以前に伐採された林地を近年、貸し出したものだという。

ミリ省バラム地区などでは、伐採許可期間が切れるのと同時に、借地権を発行する例が見られる。

サラワクはマレーシア最大の州であり、総面積は12万3千ヘクタールである。州政府は、重要な財源となっているアブラヤシ造成のために、土地の割り当てを増やすと以前発表していた。

サラワク州政府は、バイオ燃料工場でパーム油を使うことに備えて、アブラヤシを植えた面積を増やそうとしていると言われる。

新たな土地の開墾で、イバン人、オラン・ウル(奥地の民)、ビダユー人などダヤク民族が伝統的に利用する農地や狩猟場が、影響を受けている。

先住慣習地への影響

NGOらは、これらの決定が先住慣習地に及ぼす影響を、特に心配している。

先住慣習地の所有者のほとんどは、土地区分を記した地図を見ておらず、その多くは自分たちの土地が影響を受ける可能性があることを知らない。

近年、特にミリ省、ビントゥル省、クチン省、スリアマン省で、木材会社やプランテーション会社による先住慣習地への侵入に関する裁判が増えている。イバン人、ビダユー人、オラン・ウルの諸民族、マレー人などを原告とする100件以上の訴訟が裁判所に提起されている。

「自分たちの先住慣習地に何が起ころうとしているかに気づけば、土地所有者たちはさらに多くの裁判を起こすだろう」とサラワク・ダヤク・イバン協会(SADIA)スポークスマンが語った。

ノル・ニャワイ首長が率いるイバン人ロングハウス住民が、州政府とビントゥル市の樹木プランテーション会社を相手取った画期的な裁判が、特に注目されている。被告(会社側)に有利な控訴審判決に対する上告の結果が、待たれている。

SAM、BRIMAS、Indigenous Land Group、SADIAなどのNGOは、先住民族コミュニティーと密接に関わり、その申し立てに対する適切な対応を求めてきた。

バラム地区とブラガ地区では、伝統的な狩猟場が最も深刻な影響を受けていると言われる。プランテーション会社や伐採会社に許可証が発行されたとされる林地に、入ることを阻止されたと先住民族は訴えている。

地元環境活動家は、サラワク州政府が環境の劣化を防止する十分な措置を取っていないと主張し、半島マレーシアと同じように原生林を保護するよう呼びかけている。

しかし、生物の多様性を保護し、伐採・プランテーション会社が環境への悪影響を最小限に抑える「優れた慣行」を適用する必要性に、当局が気づき始めている兆しもある。