
「ハイテクの国」マレーシアで、
プナン人の手紙に対する大臣の返事が届くのに11ヶ月かかる
Rengah Sarawakホームページより
2006年6月6日:裁判係争中の土地から切り出された木材を《持続可能なもの》として認証したマレーシア木材認証協議会(MTCC)に宛て、バラム川上流のプナン人が2005年4月15日に送った抗議の手紙に対して――――木材産業などを管轄するマレーシアのプランテーション産業・商品大臣は、2005年5月31日付けで返事の手紙を書いた。しかし、それがプナン人に届けられたのは、実に11ヵ月後の2006年4月のことだった。MTCC幹部の代表団が2006年4月19日〜20日にスラアン・リナウ地区のプナン人居住地域を訪問した時に、その返答の手紙を持ってきた。
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首長ビロン・オヤウ殿 2005年5月31日
拝啓
サムリン・プライウッド(BARAMAS)社に対するMTCC木材認証への抗議に関して
標記の件に関する2005年4月15日付の手紙を、ありがとうございました。
1. 2005年1月25日に貴殿がMTCC宛に送られた手紙と合わせて、お手紙の内容を検討いたしました。貴殿から提起された問題に対する理解を深めるために、MTCCにも確認を依頼しました。
2. MTCCは独立した調査会社(SIRIM QAS International社)からの勧告に基づき、適正な過程を経て、サムリン・プライウッド社に対して森林管理に関する認定書を発行しました。同社は独立した立場で調査を実施し、スラアン・リナウ森林管理単位(FMU)での森林管理の施行およびシステムが、MTCC木材認証制度の森林管理基準(MC&I(2001))の要件を満たしていることを確認しました。こうした第三者による評価は、認証制度の透明性・信頼性を保障するため、国際的な認証制度の実践に則したものとなっています。
3. スラアン・リナウ森林管理単位に対する森林経営認証の撤回を求める貴殿のアピールは、主に二つの苦情に基づくものであると理解します:
(i)スラアン・リナウ森林管理単位での現場評価調査の際、手紙の署名者たちが検査官から相談されなかったこと、および(ii)1998年にサムリン社に対して高裁に提起された訴訟が係争中であること。
先住民族との協議に関しては、スラアン・リナウ森林管理単位の中に先住民族の5つのコミュニティー(ロング・クラン村、ロング・マイン村、ロング・クパン村、ロング・ブナリー村、ロング・ブボイ村)があると聞いています。
2004年3月の評価の際、SIRIM QAS検査官は、そのうち4つのコミュニティーと協議を行いました。また、検査官は森林管理区の周辺にある6つの先住民族コミュニティーの内、3つ(ロング・スピゲン村、バ・プンガラン村、ロング・サバイ村)と協議を行いました。
4. 森林管理単位の内部および周辺にある残りの先住民族コミュニティー(ロング・クポン村、ロング・サイット村、ロング・クロン村)とは、今年後半に予定されている次回の視察の際に協議することになっていると聞いています。
5. 高裁訴訟に関しては、スラアン・リナウ森林管理区の一部に対してプナン人が先住慣習権を主張しており、まだミリ高裁で係争中であると聞いています。
6. また、2004年3月に検査官が聞き取りを行った7つのコミュニティーのいずれも、高裁訴訟について何も言わなかったと聞いています。しかし、MTCC木材認証制度の手続きに則り、今年予定されている一回目の査察で、この件を調査・追跡する予定です。
7. 以上の説明が役に立ったこと、次回の査察で検査官に必要な情報をご提示下さることを望みます。
敬具
マレーシア・プランテーション産業・商品大臣
ピーター・チン・ファー・クウイ
CC:マレーシア木材認証協議会 最高経営責任者
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SCCのコメント:この手紙では、2005年後半の査察で、前回訪問できなかった先住民族の村を訪問するといっている。しかし、サムリン社を訴えているプナン人コミュニティー(ロング・クロン村、ロング・サイット村、ロング・スピゲン村*、ロング・アジェン村)を、このときに訪問した形跡はない。一年近く経過した後に、別の代表団がこの手紙を届けたという始末である。
MTCC木材認証制度では、6ヶ月毎に認証林の査察を行うルールとなっているが、2005年10月に行われた(はずの)査察の報告書も公表されていない。評価会社SIRIMを独立した調査会社と呼んでいるが、実際には連邦政府が設立し、コントロールする企業であり、その「独立コンサルタント」は伐採会社から支払われた金で調査を実施している。これで、果たして中立性が保てるのだろうか。
注:SIRIM社はロング・スピゲン村には2004年3月に訪問しているとしているが、同村の首長が訴訟の原告に名を連ねていることを考えると、訴訟が問題に上がらなかったというのは、理由不明だが大変不自然である。