
違法木材に対する当局の矛盾した対応
マレーシアキニ・インターネット・ニュース
ユーン・スー・メー記者
2004年5月14日
環境保護団体は、マレーシアの自由貿易区(FTZ)の港で違法なインドネシア産木材の貿易を真剣に取り締まっていないとしてマレーシア当局を再び批判している。
木材産業の規制当局として自由貿易区の港で不法な積荷を取り押さえる法的権限をもたないことをマレーシア木材産業局(MTIB)が説明したことに対して、米国のEnvironmental Investigation Agencyのサム・ローソン氏が反論した。
インドネシアの違法木材を積んだ船が入港しているジョホール港と西クラン港は、いずれも自由貿易区にあり、通過中の積荷は関税や税金を免除されている。
いくつかの法律が改正されるまでは、港湾当局しか積荷の入港を止めることが出来ないとMTIBが主張していた。
インドネシア産であれば認証が義務付けられる希少な熱帯樹種であるラミンの違法木材は、今年4月8日まで自由貿易区の港を通過することが許可されていたことを同局が認めた。
それ以降、港ではこのような密輸品の入港を禁止する行政命令を守るよう義務付けられている。
CITESの下でのマレーシアの義務
しかし、「絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(CITES)の締約国であるマレーシアは、行政手続の不備で自ら押収できない違法木材について最終的な輸出先の国に知らせることを度々怠ってきたとローソン氏は指摘した。通知を行った場合も大幅に遅れ、連絡を受けた当局が密輸材を取り締まるには遅すぎたという。
たとえば、2月後半にジョホール港と西クラン港で一旦差し押さえられたラミン材が放出され、積み替えられて香港、上海、高雄に向かったことを香港、中国、台湾のCITES管理当局に知らせたのは5月のことだった。
その時には違法木材はすでに販売が完了していた。
「CITESの下での義務を遂行するのに5月5日まで待たなければならない法律上の理由は、MTIBにはなかったはずだ」とローソンは述べた。
「法律はどうであれ、十分な圧力がかかれば当局も行動することはできるようだ。通知が遅れたのは、関係するマレーシア企業が中国、香港、台湾で密輸品を押収されて損をしないようにするためだったとしか考えにくい。」
「そうだとすれば、当局に誠意が無いこと、優先事項が変わっていないことが再び明らかになったと言えるだろう。」
努力不十分
今年の2月、EIAやインドネシアのTelapakなど環境保護団体の激しいキャンペーンの末、マレーシアは、インドネシアの違法木材がマレーシアの港を通過することを可能にする法的な抜け穴が存在することを認めざるを得なくなった。
EIAは、自由貿易区以外の港でも違法木材が合法材に見せかけられて輸送されており、企業がインドネシア産ラミン材を輸出するために偽造されたCITES証明書を利用しており、政府も2001年1月と2002年6月に課した2回のインドネシア産丸太輸入禁止令を適切に執行しなかったと主張している。
「一回目の(丸太)禁止令は現場では全く無視されていた。EIA-Telapakがこの事実を2002年10月、そしてさらに2003年4月に暴露するまでそうだった。2003年の終わりになってやっと、西海岸の港で扱われる積荷の中身に有意な変化が見られはじめた。」とローソンは主張する。
「マレーシアは批判をかわす措置を採択するだけで実施しないのは不十分である。」と彼は語った。
問い合わせが殺到
環境保護団体のロビー活動の結果、マレーシア木材当局には輸入国からマレーシアのCITES認証に関する詳細な報告や樹種の確認の徹底を要求する問い合わせが殺到しているとMTIBはマレーシアキニに語った。
しかし、世界に残る熱帯林の10%を擁するインドネシアは、輸入国が貿易を規制する法的な措置を取らなければ、これからもインドネシアの森林から不法に伐採された木材がマレーシア経由で合法材に見せかけられて輸出され続けるのではないかと疑っている。
現状、熱帯木材を大量に消費する米国も欧州連合も、不法に調達された木材製品の輸入を禁止する法律を持っていない。
欧州連合では任意パートナー協定という仕組みが後から提案されただけである。二者間の合意に基づくものだが、欧州連合と協定を結んだ国からの疑わしい木材を押収できるようにするだけである。
環境保護団体は、そのような任意措置ではうまく行かないと主張しており、生産国に関係なく不法に調達された木材を全面禁止することが唯一の有効な解決策だと訴えている。