
更なるケース!!プナン、伐採企業に脅される!
マレーシア・サラワク州ミリ地区、バラム川流域の奥深くで、シン・ヤン伐採企業は、プナン民族の村に残されている最後の森を、精力的に伐採し続けている。
パ・ティ村のプナンたちは、彼らの慣習地域内で行われている伐採操業を邪魔するな、とシン・ヤン伐採会社に、厳しく警告された。「お前たちがこの地域で行われている伐採活動に抵抗するようなら、警察に即座に通報し、逮捕してやる!」とシン・ヤンパ・ティ村の住民を脅している。
パ・ティ村はバラム地域のトゥト川最上流に位置するおよそ130人からなるプナンの村で(バリオ近く、図1参照のこと)、高い山々に囲まれた孤立した村である。
昨年からシン・ヤンはパ・ティ村の慣習地域内で住民の同意なく伐採操業を続けており、住民によるとそのような伐採操業は、住民が土地及び森を切り開き破壊する許可を与えていない以上、違法である。今年の8月、シン・ヤンはグラ川ほとりの森にまでその操業範囲を拡大した。グラ川一帯は、住民が共同保有林として大切に守ってきた地域だ。この地域に生息する森は、パ・ティ村にとってとても大事な水域を含み、文化的、生態系的にも、パ・ティ村の生活を支える重要な森である。
ボルネオ資源研究所(BRIMAS)は、シン・ヤンが2003年4月よりパ・ティ村の共同保有林を違法に侵略し、伐採しているとの情報を得た。それ以来、住民はシン・ヤンのマネージャーに、共同保有林を伐採しないように申し入れようと接見を試みてきたが、マネージャーは、もし住民が、伐採の彼らの生活に与える影響について文句をいおうものなら、警察に逮捕させてやると住民を一貫して脅し続けている。
ここ数ヶ月、自分たちの共同保有林を伐採から守るために、パ・ティ村の住民は自分たちの土地の境界線引き(boundary marking)を行い、伐採企業がこれ以上侵略してこないようにした。するとマネージャーはその行為に憤怒し、住民に向かって「政府がこの地域の全ての森を伐採する許可とライセンスをうちの企業に出したんだ!お前たち住民がこの地域から出て行け!森の中に住み続けたいんだったらプロン・タウ国立公園にでもいっちまえ!」と罵声を浴びせた。
パ・ティ村の村長、ムライ・ナは、伐採活動が彼らの地域で行われるようになってから、野生動物および森林産物が急激に減り、それによる食糧不足が原因で彼らの生活は日ごとに悪化し、脅威にさらされていると訴えた。一時は、シン・ヤンのマネージャーはムライ・ナを逮捕するために警察を呼んだ、と彼を脅したという。さらにマネージャーは、ムライ・ナがこの地域の伐採活動に反対し続けるなら、彼が村長として政府から与えられている給与は打ち切られるだろう、と脅した。
村長ムライ・ナは、住民の伐採活動反対にもかかわらず、いまだにシン・ヤンは止むことなく共同保留林への侵略を続けていると、BRIMASに報告した。
(2003年9月26日にBRIMASより送られてきたメールをAainaが翻訳)
<SCCのコメント>
1992年にSCCのスタッフがこの村を訪れた時は、ここは高原に近く(バリオ一帯は”Kelabit Highland”という別名で有名な、高原地帯なのです)太い木もあまりないから、伐採はやってこないだろう、と言われていたのだそうです。それなのに、ここにまで伐採の手が伸びてきたということは、いよいよサラワクの森はおしまいなのか、と心配になります。世界各地で報道されているように、サラワクの天然林で、商業価値を有する木材は切り尽くしてしまった。だから人の胴囲ほどしかない「小木」ですら伐採しなければならないんじゃないか。企業もこうなれば死に物狂いでしょうね。シン・ヤンはサラワクの伐採企業のなかでも有数の大企業で、先住民と数多く対立してきた企業でもあります。事態が悪化しないよう、モニタリングを続ける必要があります。