
プナン人が伐採道路を封鎖
(The Star Online、2000年8月18日)
ミリ省奥地に住む半定住プナン人100名以上が、先祖伝来の土地での伐採会社3社の操業を必死で停止しようして道路封鎖を開始した。抗議を行っているプナン人首長数名と同胞の男性・女性・子供たちはミリ省のトゥトー川奥地にあるロング・ケヴォックの近くの道路に木のバリケードを立てた。バリケードは数日前に立てられ、抗議をしている人たちが四六時中、見張っている。プナン人たちは、自分たちの住むアポー川・トゥトー川流域の森林に地元の会社3社が入って伐採をし、木材を切り出すのを止めようとしている。これらの会社は、強引にコミュニティーの森林に進入し、自分たちに相談もせずに乱雑な伐採を行っていたとプナン人たちは主張している。プナン人の首長の一人、アジャン・キューは、作物を破壊するの止めてほしいと訴えても会社の従業員に無視されたと主張している。会社は果樹をブルドーザーでなぎ倒し、墓場を暴き、被害に対するいかなる賠償金を払うことも拒んでおり、最後の手段として道路封鎖に踏み切ったと彼は言う。抗議を行っている人々は、サラワク州政府と森林局、地区行政のリーダーに争議の仲裁を求めている。プナン人たちは、各当事者が受け入れることの出来る和解案が打ち出され、同地域におけるプナン人の権利を当局が認め、伐採会社が尊重することを書面で約束するよう要求している。バラム地区の警察に確認したところ、逮捕者はまだ出ていないとのことである。警察の一行が同地域に入り、関係当事者間で問題を友好的に解決するよう、促している模様である。しかし、昨日の時点でバリケードはまだ続いており、人々が抗議をやめる兆しもない。
地球の友マレーシア(SAM)フィールド・オフィサーのトーマス・ジャロンは、抗議している人々と接する際、警察や当局は自制をもって行動するべきだと述べている。「地元行政は問題の解決に前向きな姿勢を示しているが、伐採会社は交渉する用意がないようだ。」「抗議が続いているのは、州の現行の林業政策に、すぐに是正すべき深刻な欠点があることを明白に物語っている。」と彼は語り、プナン人の土地権の問題が解決されなければならないと付言した。SAMは、伐採会社が抗議する人々を威嚇するために乱暴な手段に訴えるのではないかと心配している、とジャロンは述べた。彼は、収拾のつかない事態になる前に、平和的で公正な和解のための話し合いを促進するよう、連邦・州政府当局に訴えた。
(道路封鎖は8月26日に解除されましたが、これは稲の作付け時期に入り、封鎖を継続するのが困難になったためで、問題は解決していません。)
シブ高裁、イバン人に不当な強制命令−皆さまのご支援を!
油やしプランテーション会社(Novelpac Puncakdana Plantations Sdn. Bhd.)がその操業に反対するイバン人に対して起こしていた裁判において、8月3日、シブ高等裁判所は、イバンの村長・村民5人に対して以下の強制命令を出した。1) ブロー地区の区画11と呼ばれる暫定的借地内で、会社とその従業員、代理人、契約会社の行為を妨害しないこと。2) この裁判が終了するまで、区画11において、会社とその従業員、契約会社を威嚇しないこと。一方、被告側(イバン人コミュニティ)が区画11内の土地には彼等の慣習的利用地が含まれていると主張していることから、シブ高裁は、裁判で証拠として用いるために、被告側が区画11の測量をして彼等の主張する慣習的利用地を示すよう命令した。
測量はイバン人自身の負担において8月3日から30日以内に行うこととされている。イバン人コミュニティでは、この高裁の決定を不服とし控訴しようとしているが、その控訴のための費用と、裁判所に命令された測量の費用として11,000リンギ(約40万円)が必要である。控訴は重要な意味を持ち、また緊急を要する。なぜならこの高裁の決定に異議が唱えられなければ、これが先例となってプランテーション会社はサラワクの先住民に対して有利な立場に立つことになり、今まで以上に容易に先住民の土地に入り込むようになるだろう。プランテーション会社は、サラワク州政府から州全土の3分の1以上の暫定的借地権を得ているが、その4分の3が先住民の慣習的利用地なのである。
以上は現地NGOからの情報ですが、その後の追加情報によれば、区画11では慣習的利用地を明らかにするための測量が、イバン人により進められているとのことです。
資金の目途はついていないものの、やらないわけにはいかないという切羽詰まった状況がその背景にあります。現地NGOは、必要な資金は全部で15,000リンギであるが、うち4,000リンギはイバン人が自分たちで何とか工面するので、残りの11,000リンギについて海外からの支援をお願いできないだろうかという依頼をしてきています。この11,000リンギは全て弁護士費用だそうです。SCCではイバン人を支援したいと考え、皆様からのカンパを募りたく思っています。つい先日、ウルニア裁判の件でカンパをお願いしたばかりで恐縮ですが、ご支援頂ければ幸いです。
このための寄付をして下さる方は以下のようにお願いいたします。
○ 郵便振替口座 00290-9-87262 ダヤク人権基金
○ 通信欄に「イバン人支援」とご明記下さい。
続報!イバン人が差止命令に対して控訴請求を提出
2000年9月2日(シブ):イバン人コミュニティーの5人は昨日(2000年9月1日)、Novelpac Puncakdana Plantation社というオイル・パーム・プランテーション会社に暫定的借地権が与えられたブロー地区第11区画の土地にイバン人が入ることを禁止する差止命令を出したシブ高等裁判所の2000年8月3日付けの判決に対する控訴請求を提出した。
控訴請求はM.S. Sandhu弁護士事務所を通してシブ高裁の登録係に提出された。
差止命令に対する異議申し立てがなければ、会社は暫定的借地権が対象とするイバン人の慣習地に入って、イバン人の作物も森林も切り倒すことが認められることになる。
実際、差止め命令を出したシブ高裁のクレメント・アラン・スキナー判事は、暫定的借地権の対象となっている土地につしてイバン人が先住慣習権を持っている可能性を否定していない。なぜなら、その中にイバン人の陸稲畑や果樹園があるかどうかを調査し、その面積と場所を画定する測量を行うことも命令している。
2000年8月23日、判事に測量を行うように指示されたあるNGOスタッフは、暫定的借地権が対象とする土地の四分の三がイバン人の耕作地であることを確認した。同プランテーション会社に対するイバン人の訴えを支持する証拠として、測量の結果が近日中に裁判所に提出される予定である。
一方、影響を受けているイバン人の村々は、サラワク州の土地問題の担当大臣でもあるサラワク州主席大臣に対して、会社に与えられた暫定的借地権の対象地域から自分たちの慣習地を除外するよう求める請願書を送ったが、返事はまだ受け取っていない。