ゼネコンの熱帯材消費削減、その後
浦本三穂子
 
 サラワク・アップデイト34号(99.1)でもお知らせしたように、大手建設会社80社が加盟する建築業協会(BCS)は、1992年2月に「5年以内に、現在の型枠用熱帯材の消費量を35%以上削減する」という目標を定めたことを発表した。92年度を基準年とし、5年以内とは93〜97年度の間ということである。
 それから6年半後の98年9月、BCSは5年間の取組み結果を発表した。ただし調査の対象としたのはBCSの全構成企業ではなく環境部会に参加している大手及び準大手の16社のみであった。結果は35%の目標には届かず24.3%の削減にとどまったが、BCS自身は「最近5年間の建設業界を取り巻く環境を考慮すると、大きな成果」と評価している。そして今後は、熱帯材消費削減については各社での独自の取組みに任せるとのことであった。
 SCCは昨年秋に、その後のゼネコン各社のこの問題への取組み状況について調査を行った。前述の16社を調査対象とし11社から回答を得た(回答率69%)。回答のあった11社の中で10社が何らかの取組みを行っていることから、この結果からは熱帯材消費削減の取組みはある程度浸透したといえる。しかし回答のあった11社は取組みを行っているから回答してくれたとも思われるので、この結果だけで楽観的になってはならないだろう。
 結果は別表の通りであるが、簡単にまとめると以下のようになる。
○ 大林組、清水建設、大成建設、鹿島建設、熊谷組、戸田建設、東急建設の7社は環境に関する年次報告書を出しており、その中で熱帯材消費削減に言及している。
○ 具体的な熱帯材消費削減目標を設定しているのは大林組、大成建設、熊谷組、佐藤工業の4社である。
○ 目標はたてないが削減の努力を継続していくとしているのが清水建設、鹿島建設、東急建設、竹中工務店、戸田建設の5社である。
○ 鴻池組だけが「積極的に取り組んでいない」と回答した。

 なお現在、企業の間ではISO14000シリーズの取得が進行しており、ゼネコンの中でも取得しているところは多いと思われる。取得した企業は設定した目標の達成状況は評価しなければならないが、それを社外に公開する義務はないとのことである。したがって我々市民が情報を得やすくなるという利点はないが、ISO取得の浸透がゼネコンの環境配慮への追い風になることを期待したい。

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 熱帯材の消費削減は確かに必要であるが、しかし熱帯材不使用さえ遵守していれば環境に配慮しているといえるわけではないのは勿論である。環境への負荷を軽減するには、例えば熱帯材の代替として使われている素材が環境面からみて問題がないかをチェックしたり、さらには建物の寿命にも配慮したりする必要があるだろう。SCCとしても、今後ゼネコンの動きについてどのように監視しどのようにはたらきかけを行っていくかが課題である。 ■

ゼネコン各社の熱帯材使用削減への取組み
1.資料名  2.今までの成果  3.今後の取組み
大林組 1.「大林組と地球環境 −環境アニュアルレポート1998−」
2.97年度の熱帯材型枠代替率=39.6%
3.東京本社の98年度の熱帯材型枠材の代替率目標=50%以上(土木)、30%以上(建築)
鹿島建設 1.「鹿島98年度環境保全活動報告書」
2.93年に「3年間で使用量を35%削減」という目標を掲げ、97年に絶対量で35%減、型枠施工面積当たりの原単位で30%減を達成。
3.引き続き徹底を図る
清水建設 1.「清水地球環境報告書 99年8月」
2.代替型枠使用率は94年度の22.9%から98年度の35.6%に上昇
3.BCSの目標35%減を自社としては達成したこと、削減活動は定着したことから、98年度以降は数値目標を設定しない日常管理項目とした。
大成建設 1.「大成建設環境年次報告書 98年度」
2.98年度の熱帯材型枠の代替率は28.4%で目標35%に届かず。しかし全体の工事量減少により熱帯材型枠の使用は93年度比で47%減少
3.支店毎に設定する。
熊谷組 1.「Green Activities」
2.現時点では公開不可
3.2005年までに40%達成
佐藤工業 1.担当者の作成資料
2.実績はまだ出ていない。
3.6つの支店ごとに設定。例えば東京支店は「熱帯材型枠使用量を前年度比60%以下」
東急建設 1.「環境報告書 1998年度版」
2.98年度の全体使用量346万m2のうち43万m2(12.4%)分について他へ代替
3.前年比で削減率を上昇させる。
竹中工務店 1.電話ヒアリング
2.実績はまだ出ていない。
3.数値目標はおろしたが日常的に管理はしている。
戸田建設 1.「98年度環境保全活動報告書」
2.92年度実績比で97年度に63.1%、98年度に52.3%に減少
3.日常的に取り組む
西松建設 1.担当者からの電子メール
2.型枠検討部会を発足させ、新工法開発等に取り組んでいる。
3.なし
鴻池組 1.担当者からの電子メール
2.建築部門でのデータ収集のみ。積極的に取り組んでいない。
3.なし


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