1999年度総会報告(活動報告/計画) 各項目は基本的に、概略、前年(の活動目標)、(前年活動の)評価、 今年(の活動目標)という構成になっています。 ◆概説 事務分野では「会員拡大キャンペーン」を、活動分野では「住宅キャンペーン」 を中心的な活動目標とする。さらに、林産物と貿易自由化の問題には十分な注意 を払い、必要があれば適切な行動を他団体とも協力しながら取っていく。その他 の活動については情報収集を中心として継続する。 ◆事務分野 ◯会員 会員数拡大は事務分野での最大の課題であり、「会員拡大キャンペーン」を張る。 現在、SCCの活動財源の半分以上は会費である。会員の減少は深刻な問題であり、 このままでは会費による団体維持が極めて難しい状況に陥ってしまう。 前年:会員参加の活動を作る。運営委員会に会員が参加できるシステムを作る。 評価:会員意見聴取、参加の第一歩として、会員向けアンケートを実施した。    会員数は約150名で、減少傾向にある。これ以上会員が減少すると、会の基盤    が危うくなる。また会員を含め、運営委員以外の活動参加はまだ少ない。 今年:助成金に頼らない健全で安定した財源を確保するという意味でも、問題を多くの人に    伝えるという意味でも会員拡大は最大の課題である。パンフレットの改訂・新刷・配    布、講演会・セミナー・勉強会の開催、ニュースレター、ホームページの充実、など    を積極的に行って、会員獲得を促すと同時に、アンケート結果を利用して、会員参加    の仕組みを提供する(ボランティア情報の充実やイベント開催など)。    また、会員の方々にも知人などへのパンフレット配布、広報など広報に協力していた    だきながら「会員拡大キャンペーン」を展開する。 ◯組織運営 現状を継続する。必要であればアルバイトを雇う。 前年:月2回の運営委員会を継続する。資金の余裕があるので適切な人材がいればアルバイ    ト雇用もありうる。 評価:月2回の運営委員会を開催。アルバイトは取らなかったが、会の資金的余裕は減少。    アドバイザリーコミッティー会合を開催(1998年4月)。 今年:月2回の運営委員会を継続する。運営委員は10名で浦本三穂子(事務局長)、    高山楽、尾端秀樹、岩田鐵夫(会計)、吉永卓、森田守、瀬川健、    トム・エドワードソン、山田太郎、桜光司。アドバイザリー・コミッティは4名*で    松井やより、高田健、林昭男(*他一名交渉中)。会計監査は竹村邦雄。    専従スタッフを雇うことは難しいが住宅冊子の編集や事務局業務などに関するアルバ    イトは検討する。 ◯ニュースレター 日本語ニュースレターを継続的に発行すると同時に、海外への情報提供をおこなう。 発行以外での課題は在庫の処理である。 前年:季刊発行を継続する。英文ニュースレター「Mori no Koe」は年一回をめどに発行する。 評価:季刊発行はほぼ達成。英文NLは発行できず、海外団体へは活動サマリーを送付した。 今年:1) 季刊発行を継続。編集に会員アンケート結果を反映し,サラワク問題が初めてでも    読みやすい紙面作りに取り組む。    2) 海外へは最低でも年一回は日本の状況、活動についてまとまった情報提供をする。    3) もう一つの課題は、バックナンバーの整理である。大量にオフィスに余るバックナン    バーを販売・配布し、在庫を減らす努力をする(ニュースレターに限らず資料全般)。 ○ホームページ 情報チャンネルの多様化という意味で、ホームページの充実を図る。今年の課題は、 (1)問題や行動を分かりやすく来訪者に伝えること、(2)双方向性を持たせること、 である。 前年:現行のホームページでは一般情報が多かったが、今後は来訪者の行動に結びつく情報    (家具および住宅冊子の内容,プランテーション問題,自治体キャンペーンなど)を    充実させる 評価:手紙書きキャンペーンの情報,サンプルレターなどをWebにアップ。ニュースレター    や現地情報などの基本情報は定期的に更新。事務局にある資料を広報する目的でSCC    BOOKSTOREを開設(しかし利用伸びず)。    日常生活の中での行動に結びつく情報は十分に編集できなかった。これは主に時間が    不足していたため。    ホームページを見ての問い合わせやアクセスは増加しており(7月末現在約2800アク    セス)、RAN主催のEcoNipponウェブサイト(http://www.econippon.org)に掲    載された。 今年:1) 現地情報やニュースレター記事などの基本情報は定期的に更新。その他、二つの情    報と一つの仕組みを随時追加する。    2)(特に子供向けに)問題と行動を分かりやすく説明する情報    3)直接生活者の行動に結びつく情報(自治体に働きかける、家具や住宅のここに気を    付けるなど)    4) 来訪者からのフィードバックや体験、意見などを交流させるための仕組みを提供す    る(今年7月運用開始)。    5)英語のセクションを儲け、日本国内の近況を伝える。 ○講演会 年間3〜4回程度開催予定である。 前年:松井氏、内田氏の講演会とさらに1度の講演会を開催する。 評価:松井氏、内田氏の講演のみを実施した。3度目のものについては企画はあったが講演    予定者とスケジュールが折り合わなかったため中止。 今年:プランテーションをテーマにして少なくとも2回開催する(7/31森田&岡本、9/10    インドネシアの活動家(予定))。その他1〜2回開催する。 ○現地支援 機会があれば前回の支援全体の検討・評価をおこなう。現地から要請があれば 検討する。 前年:前回(バコン裁判支援)の経験を踏まえてSCCの今後の対応方針を確定する。 評価:裁判が進行中であり、最終的な費用が確定していないため、最終的な検討は延期中。 今年:検討の機会があれば検討し、今後同様の事態が発生した場合の基本的立場を議論す    る。それを踏まえて現地から要請があった場合の今後の対応を決定する。 ○サラワク・ハンディクラフト販売(実験期) 特定の目的・目標(裁判費用創出、生活向上のための独自のコミュニティ・プロジェ クトなど)を持ってハンディクラフトの販売をおこなっている村、団体からハンディ クラフトを購入し、日本側で販売をおこなう。この活動については既に実験的にハン ディクラフトを仕入れており、それを実験的に今年度中に販売し、現地の状況・体 制、日本での可能性などを検討する。検討結果の評価をした時点で、本格的にこの活 動を今後継続するか否かを決定する。 ◆木材分野 住宅分野を最大の活動焦点とする。自治体、ゼネコンを含めた建設分野、代替材の評 価、国内・国際的動向のモニタリングに関しては情報収集を中心とした活動をおこな う。 ○住宅関連 前年:住宅冊子を改訂し発行する。 評価:進行中。情報収集をしながら担当執筆している。 今年:以下の5点をおこなう。 (1)住宅冊子の完成  前年度着手した住宅冊子を完成させる。 (2)住宅冊子の広報  住宅冊子を、ホームページをはじめ、新聞・雑誌、関連の会合などで広報する。 (3)住宅冊子を利用した啓発活動  自然住宅推進グループ等の消費者グループを中心に、一般市民に配布する。 (4)関連業界との対話  住宅生産団体連合会(住団連)など、熱帯材削減の方針を出している組織との対話 等を通じて、住宅関連業界の現状調査およびモニタリングをおこなう。将来的には対 話をハウスメーカー全般に広げることも視野に入れている。 (5)制度的支援策に関する国・自治体への働きかけ(余裕があれば実施)  国産材などを利用した家造りを促すような制度的支援策(国・自治体の地域優良木 造住宅融資制度や住宅金融公庫など)が適切に広く利用されるように要請していく。 ○建設関連 公共(自治体)、民間(ゼネコン)両者の動きについてモニタリングを継続すると 同時に、情報収集をおこなう。 ・自治体キャンペーンの総括  自治体キャンペーンは、SCC設立以来、中心的な活動のひとつであった。しかし当 初の期待ほどには熱帯材消費削減が民間に普及していないこと、各地の市民グループ が活発でなくなったこと、貿易問題と絡んで複雑化したこと等の理由で、内部ではそ の有効性が疑問視されてきた。一方で今後力を入れていくべき分野が他にあることも あり、自治体キャンペーンについてはしばらくSCCの活動における活動優先度を低く したい。これは自治体キャンペーンに一区切りつけるという意味でも重要であり、 SCCが自らの活動を振り返るため、また共に活動をしてきた地域のグループに状況を 説明するため、今までのキャンペーンを総括する簡潔な報告書をとりまとめる。 ・ゼネコンのモニタリング 前年:建築業協会(BCS)が出すとしている「5年間35%削減」報告を検討し 今後のキャン    ペーンの材料とする。 評価:上記報告書は作成されず。BCSとの会合を持った(1998年12月)。 今年:92年に建築業協会(BCS)は「今後5年間に35%の熱帯材消費を削減する」という目    標を掲げた。この目標は、数値的には達成されなかった(24.3%削減)ものの、熱帯    材の消費削減が必要であるという意識を建築業界にある程度定着させるという効果は    もたらしたと考える。今後は熱帯材消費削減の課題は、BCSではなく各社が独自に取    り組むこととなる。したがって、SCCとしては、特に大手ゼネコンについて熱帯材消    費削減の方針等をモニタリングし、情報収集をおこなう。 ○代替材の評価 熱帯材の代替材(木材のみ対象)について、環境的・社会的視点から、評価の基礎 となる情報を収集する。 前年:生産地域別の木材について、社会面や環境面から評価を行う。 評価:進捗なし 今年:熱帯材の代替として、破壊的な伐採により採取された木材を使用すれば環境負荷は熱    帯材と同様に大きなものとなってしまう。したがって、何を熱帯材の代替とするのか    について、環境的・社会的視点から調査し、その評価をする必要がある。その一環と    して、今年度は既存の評価や関連情報の収集をおこなう。評価の対象は木材のみ。 ○国内および国際的な動きのモニタリング 前年:日本政府および国際的な動きを監視し、必要なら対話を持つ。 評価:林野庁が再度、都道府県を対象に熱帯材使用削減の調査を行っているという情報を得    て、担当者に電話ヒアリング。WTO政策とも関連して他団体と共同で林野庁と会合をお    こなった(6月)。他団体作成(地球の友英国)の貿易に対する要望書に賛同、提出。 今年:貿易に関してはNGOがさまざまな議論やロビー活動を展開している。SCCにとって    も林産物貿易は重要な課題である。情報収集と国際的な動きの監視(特にWTO:今    年11月に閣僚会議が開催予定)を継続し、必要に応じて要請書を作成、または賛同    し、提出する。    熱帯林に関係のある国際的な動きとしては、世界貿易機関(WTO)、国際熱帯木材    機関(ITTO)、国連持続可能な開発委員会(CSD)および森林に関する政府間フォーラ    ム(IFF)、木材認証制度、海外NGOなどの動きなどがある。国内においては林野庁、    (通産省)などの動きに注目する。これらについては今後もモニタリングを継続し、    適宜必要なアクションを取る。 ○啓発活動  以上の動きを適宜ニューズレターで紹介していくと同時に、「持続可能な森林経営 に関する世界の動向」報告書と家具パンフの配布、木材情報サービス(過去2回実施: 要検討)を継続していく。 ◆バクンダム分野 今年春に建設再開の公式発表がなされたが、建設の見通しはまだ立たない。移住は開 始され半数以上の人々が既に移住した。SCCでは現地からの要請に応える形でのキャ ンペーン(現地への要請活動など)は継続するが、計画再開の明らかな見通しが立つ までは、モニタリングを中心とした監視体制を保つ。 (1)「移住計画」に関する日本語小冊子の発行,配布 前年:前年度から継続しているバクン小冊子を作成する。完成した小冊子は日本政府、入札    可能性のある関連企業,メディア,関連市民団体,会員、一般に広く配布、販売し、    バクンダム再開へ向けたけん制となることを期待すると同時に、バクンダムの問題を    通じて広くサラワクの人権状況を知ってもらうきっかけとしたい。今後の予定とし    て,翻訳以外に,原稿の執筆や編集などを今年度中に終了させ,発行まで持ち込みた    い。その過程でボランティアも随時募集する。 評価:小冊子8月中には完成予定。それ以降、配布を開始する。 今年:配布を継続。 (2)日本政府機関、企業のモニタリング 今年:バクンダムに対する日本からの参入を防ぐために、継続的に日本政府関連機関、企業    などのモニタリングをおこなう。必要が生じた場合、それらの機関、組織との話し合    いなどをおこなう。具体的には、    1) 政府関連機関: 通産省、大蔵省、外務省、OECF、日本輸出入銀行、アジア開発    銀行、など    2) 企業: 主要商社、主要物資供給関連会社、などをモニタリングの範囲とする。 ◆プランテーション分野  まだまだ知られていないこの問題であるが、近年サラワクでは伐採を凌ぐ勢いで急 速に深刻化してきた問題である。少しでもプランテーションを巡る現状を理解し、そ の上で何ができるのかを考えたい。その第一段階として、油ヤシプランテーションに 関する講演会・学習会などを開催する。 ○知る  この問題についての識者は日本にはほとんどいないといっても過言ではなく、私た ち自身がまず、油ヤシプランテーションとは何なのかを知る必要がある。手始めに有 志の学習会を開き、知っている限りの情報を共有し、疑問点を出し合い、油ヤシプラ ンテーションの全体像に迫る作業をおこなう。 ○知らせる  パーム油製品は、多くが食品に、次いで洗剤・石鹸類などに利用されているが、こ れら「地球に優しい」「健康にいい」イメージを醸し出す商品を売る店舗や組織(自 然食品店や無添加良品店、その他の組織など)は、悪気がない場合が多く、単に油ヤ シプランテーションの現状を知らないままに販売している場合が多い。批判ではな く、知らない人には、まず知らせていく、一緒に学んでいく運動を展開する。 ○行動する  私たちがこの件に関していかに行動するのか、は難しい問題である。  日本が輸入するパーム油の量は、マレーシアが生産する量のわずか5%であり、日 本だけで行動しても、その成果はほとんど挙げられないだろう。しかし、自分たちの 生活の中にアジアの環境破壊や人権侵害を持ちこまないという思想に立てば、パーム 油を使わない製品の開発や、購入は必要である。 *SCCの活動に御意見ある方は是非事務局までお寄せ下さい。  宜しくお願い致します。