サラワクキャンペーン委員会 「年次総会」が開催されました  1998年度の総会は8月1日、環境パートナーシップオフィスで開催された。 参加者は13名。以下には、総会時に提案された「1997年度活動報告」、「1998 年度活動計画」の要約および「1997年度会計報告」、「1998年度予算案」を掲 載する。 1.前年度報告 1.1 組織運営と活動全般について ●7月末時点での会員は195名である。会費が切れてから1年以内の元会員が 約120名おり、ニューズレター発送の対象としている。 ●運営は10名の運営委員を中心に行っており専従スタッフはおいていない。月 2回の運営委員会において活動内容を決め、それを手分けして担当するという 形態をとっている。 ●会報として季刊で「サラワク・アップデイト」を発行している。主な内容は、 現地の状況、活動報告、関連情報である。 ●1998年1月にVCOM/GOODプロジェクトの支援を受けてホームページを開設した。 ここにはバコン銃撃事件の情報、イベント情報、ニューズレターの一部、活動 内容などSCCの活動および最近の現地状況などを掲載している。 ●1997年12月に、バコン地区でプランテーションに反対する現地住民が警官隊 から銃撃されるという痛ましい事件が発生し、現地から日本のNGOに対して裁 判費用支援の要請があった。現地への直接支援は、年度計画にはなかったが、 事件の重大さと緊急性を考慮してSCCが市民からの寄付を募り、現地の要請に 対応した。 1.2木材利用 ●「熱帯林保全のための全国市民会議」を1997年5月に開催した。内容は、今 までの自治体キャンペーンの反省、国産材利用例の紹介、今後のキャンペーン の新メニューの提案であった。今後の活動の方向を探る1ステップとすること を意図していたが、それには至っておらず継続的なテーマとして取組んでいく。 ●住宅関連では、「自然住宅・住まい方推進ネットワーク」の活動に協力した。 1998年6月に連続学習会に講師として参加、また8月に計画されている全国市 民集会のパネリストとして参加を予定している。 ●家具関連では、家具と熱帯材の関わりを知らせるための簡単なパンフレット を作成した。市民の関心は高く、送付の要望に応え既に3000部を配布した。 ●1997年1月、林野庁が全国自治体を対象に熱帯材の消費削減政策に関する調 査を行った。これについて、質問書提出と3回の意見交換を行った。また関連 した事項について国際熱帯木材機関(ITTO)とも意見交換を行った。これらの結 果を「林野庁の調査に関するNGO見解」としてまとめ、各都道府県に配布し た。 ●「持続可能な森林経営に関する世界の動向」に関する報告書は、原稿が完成 した。 ●最近の木材に関する情報を希望者に送付する「木材情報サービス」を開始し た。この情報提供は3か月に1回程度で実施している。 1.3 バクンダム関連 ●「サラワクアップデイト」を通じて会員に現地最新情報を提供した。ダム本 体の無期限延期が決定されたため、事務局に入るダム関連の情報が以前に比べ 減少した。 ●アジアの経済危機の影響で、マレーシア政府がバクンダムを無期限に延期す る旨を発表した。従って、当面の新規参加企業の参入の見込みは無くなった。 また、ABB、エクラン社といったダム建設を請け負う中核企業も撤退したため、 企業への働きかけは、昨年以来行っていない。ただし、住民移住計画を含め、 現地で未だに活動を続けている企業があるため、それらの活動と住民に対する 影響に関しては、常時情報を収集しながら注意を払ってきた。 ●「移住計画」に関する日本語小冊子の発行は、翻訳・編集を開始した。現在、 翻訳の作業が8〜9割方終了している。 ●現地での住民の活動資金は不足しているが、現地からの支援要請が届いてい ないこともあり、支援は見合わせている。 2.1998年度計画 2.1 組織運営と活動全般について ●運営委員と会員の顔の見える関係を作ること、および活動メンバーの裾野を 広げるため会員参加型の活動を検討する。また、先期決定した定例の運営委員 会に会員が参加できるシステムを推進していく。 ●組織運営は、現在の月2回の定例運営委員会を中心に進める運営体制を継続 する。資金の余裕が少額ながらあるので、適切な人材がいれば有給スタッフを 置くことも検討する。 ●サラワクアップデイトは季刊発行を継続する。英文ニューズレター「Mori no Koe」は年1回をめどに発行する。 ●講演会は下記の3点を計画している。 ・松井やより氏による「グローバル化と環境・人権」セミナー(総会に併設) ・SCC協力者のカメラマンによるサラワク写真展開催に合わせて、サラワクの ことを広く伝える講演会を開催(10月) ・他1件(サラワク/先住民族/森林等の問題に関するもの) ●広報としてホームページを活用する。今までは一般情報が多かったが、今後 は来訪者の行動に結びつく情報( 家具および住宅冊子の内容、プランテーショ ン問題、自治体キャ ンペーンなど)を充実させる。 ●今後も、資金などの面で直接現地を支援する必要性や要求があると予想され る。先期の経験をふまえてSCCの対応方針を確定する。 2.2 木材利用 ●約8年間継続してきた自治体キャンペーンは、熱帯林問題を知らせるという 意味で一定の成果はあったと自負している。しかし一方で次のような課題を抱 えている。 (1) 代替材の針葉樹材化 (2) 公共建築は建築全体の約1割に過ぎずない (3) 熱帯材削減の動きが民間に波及していない (4) 熱帯林保全グループの活動の停滞  一方では経済停滞のため熱帯材を含めた木材消費が減少しており、今期は、 今までの活動を評価・分析するとともに、熱帯木材削減のための理論的裏付け を強化するため次のような調査、研究に注力する。ただし、東京都の政策の監 視と提言は継続する。代替品についての見解を持つ。 (1)日本における使用量の多い(またはそれが見込まれる)国産材、熱帯材、 他の輸入材について社会面、環境面、消費エネルギー面等から評価を行う。 (2) 建築業協会が掲げた「5年間の35%の熱帯材使用削減」の報告書が98年秋 出される予定であるので、それを今後のキャンペーンを考える材料として検討 する。 ●SCCが以前に作成した「住宅から考える熱帯林」の改訂を行う。その後、ど のように熱帯材使用削減キャンペーンにつなげるかを検討する。 ●家具関連では、「身近な家具と熱帯林」のパンフレット配布を継続する。 ●日本政府及び国際機関の動きの監視は継続し、必要であれば対話・提言など を行う。 ●「持続可能な森林経営に関する世界の動向」に関する報告書を、希望する会 員、関連NGOに配布し情報を共有する。 ●「木材情報サービス」を継続する。 2.3 バクンダムおよび先住民族の人権問題 ●バクンダム建設工事が無期限延期されることがマレーシア政府から公式発表 されている。しかし移住計画、河川の 迂回工事、周辺の土地造成などは現在 でも進行中であり、今年度はそれらの事項に関する監視と提言活動を行う。  特に問題となるのが「ダム建設の再開の見通しが立たない今なぜ住民の移住 が必要なのか」という点であり、現地の問題意識もそちらに移動しているため、 住民移住のプロセスと影響に照準を合わせたい。 ●会員への最新情報提供のため、前年度に引き続き、適宜、ニューズレターを 通じた情報提供を続ける。後のバクン小冊子に関しても、完成後会員の希望者 には配布する。 ●前年度から継続している「バクン移住計画に関する小冊子」を作成する。完 成した小冊子は、日本政府、(今後入札可能性のある)関連企業、メディア、 関連市民団体 、会員、一般に広く配布・販売し、バクンダム再開へ向けたけ ん制となることを期待すると同時に、バクンダムの問題を通じて広くサラワク の人権状況を知ってもらうきっかけとしたい。 2.4 油ヤシ・プランテーション問題  サラワクにおける「油ヤシ・プランテーション」は、熱帯林の破壊、先住民 族の慣習地の強制収用、環境汚染、低賃金労働、児童労働、農薬被害などさま ざまな問題を抱えている。そこから生産される「パーム油」は多くの国々に輸 出され、洗剤用油脂、多岐にわたる食品添加物として私たちの生活に深い関わ りをもっているにもかかわらず、生産現地の抱える問題点はほとんど情報とし て伝えられていないのが現状である。  このような問題に対してが今後どのようなアプローチをすべきかは現時 点では見えていない。そのため、活動を次の3ステップに分け、一つのステッ プが終了した時点で次のステップの計画を検討するというスタイルで進める。 (1) 知る (2) 知らせる (3) 活動する  今年度はまず「知る」ために「油ヤシ学習会」を9月下旬から定期的に開催 していく。参加者は運営委員以外にもSCC会員、他団体を含めたオープンな ものを考えていきたい。 3.役員の選出 ●運営委員=浦本、岩田、尾端、桜、瀬川、高山、トム、森田、木田、吉永 ●アドバイザリ・コミッティ委員=松井、村井、高田、林 ●事務局長=浦本 ●会計=岩田 ●会計監査=*総会後に運営委員によって選出されることで一致 (会計報告、1998年度予算は紙面の都合上別紙掲載とさせて頂きました)□