2ー5. 熱帯材の削減技術
コソクリート型枠に便用される熱帯材を削野する方法は、種々考えられるが、比較的効果が大きいと予想される技術は次に示す3分類15手法と考えられる。以下にその技術の概要を示す。


(1)型粋転用回数向上技術

(a)塗装合板等耐久性の高い合板使用

耐久性の高い表面処理をした塗装合板、簡易剥離タイプのフィルム状シートを貼った合板などがあるが、躯体設計の合理化および合板の質的向上を合わせて行うことが必要である。

(b)切断合板の再生利用
型枠加工で切断した合板について、桟木等で補強して使用する。

(c)小サイズ合板の使用
型枠転用向上のために、小サイズ2 x 6 (60 x 180cm)合板を使用する。

(d)他現場への流用
使用した型枠合板の近接した現場への計画的な再利用を図る。

(e)躯体設計の合理化

同一建物において、スパン・階高・および柱・梁部材の寸法を統一するなど型枠が転用しやすいように、施工時点の合理化を考慮した設計を行なう。

(f)使用する型枠の量の減量化
橋脚、煙突、サイロ,RC超高層、竪坑にスライド型枠を利用する。

(g)型枠の施工方法、維持管理方法の改善

型枠合板への損傷を最小限にするために、ノンセパ工法の使用、型枠を傷つけないようケレン清掃方法を改善する。

(2)代替材料
(a)針葉樹合板の使用
合板用材料として植林により再生可能な針葉樹を便用する。針葉樹に含まれる糖分がコソクリート表面に硬化不良を起こす危険性があり、節・樹液の処理・乾燥に手間がかかる。さらに、針葉樹加工に適した合板製造工程・装置などの開発・導入を推進する必要があり、コスト的にも熟帯林を原料とした場合よりコストアップとなる。

(b)複合合板の使用
針葉樹のもつ欠点を解消するために表面材に熱帯材を使用し、芯材に針葉樹を使用する。
合板製造装置の開発・導入・コストについては、針葉樹合板と同様の問題があり、現在定期的に製造しているのは1杜だけであるが、合板業界は材料供給上の確保の間題もあり対応する動きをみせている。コスト的には今のところ少し割高と予測される。

(c)鋼製型枠の使用
鋼製の型枠は、せき板としては重いため、運搬性・施工性・安全性が悪く、細かい加工が困難であるなどの問題があるが、システム型枠の補強材として高層建築など転用回数が多く、比較的同パターンの工事に使用される。

(d)打込み型枠等の使用
@薄肉PC板(ハーフPCa)
プレキャスト鉄筋コソクリート部材(ブレストレスを導入しているものを含む)を一般に床型枠として使用し、所要の鉄筋工事施工後に後打ちコンクリートを打設することにより構造体合成床とするもので、仮設としての型枠が不要になり、支保工が簡略化される。後打ちコンクリートにより一体化することで構造・防水上の利点も多く、外壁の型枠としても使用され足場の省力化を図ることができるがコスト面において割高となることもある。

表-1 合成床板工法の概要

  工法略称 合成床板の断面形状 PCa板 面内せん断力の伝達 開発者
1 オムニア工法 RC トラス筋+粗面 タカムラ建設
2 カイザー工法 日本カイザー
3 オムニアボイド工法 RC トラス筋+粗面 タカムラ建設
4 カイザーボイド工法 日本カイザー
5 PICOS工法 RC 周辺の凹状のコッター 清水建設
6 スパンクリート工法 PS 凹状のコッター スパンクリート製造
7 ダイナスパン工法 PS 凹状のコッター 明星セメント
8 FC工法 PS 粗面+溝 富士ピーエス
コンクリート
9 IIスラブ工法 PS 凹状のコッター

オリエンタル
コンクリート

10 CS工法 PS 粗面+リブ ピーエス
コンクリート
11 FTT工法 PS 粗面+V目地 フドウ建研

A鋼製デッキプレート
既製の加工鋼板を床の型枠として使用することにより、支保工をなくし解体作業を省いて工期短縮を目的としたもので、捨て型枠として利用するものと合成床構造材として利用する場合があり、店舗・事務所等S造建物の床型枠として普及している。

(e)その他代替材料型枠の使用
鋼製ネットとメッシュパーの組み合わせで構成されるネット(ラス)型枠は、軽いため作業性がよく、支保工・緊結金物の省カ化を図ることができ、地中梁型枠として便用されている。他にブロック型枠等、土工事と関連して基礎型枠として便用されている例があるが、断面形状の変更・品質上の問題もあって、使用箇所の限られたものが多い。新素材打込型枠としては、GRC・CFRC等の材料が高強度製品として開発されているが、今のところコストが高いため汎用技術とはなっていない場合が多い。

(3)新構・工法の活用技術

(a)型枠使用原単位の小さい構造への変更
近年、人手不足・労働カコストの上昇による省力化の一環として、建物をRC造・SRC造からS造に構造変更する場合が多くなっているが、それにより鉄骨加工単価高騰・鉄骨加工工場の確保が難しいなどの問題も出てきている。また建物によっては防音・防水等居住性に支障がある場合やコストアップの要因もあり、設計・計画段階での検討が必要となる。
新しい工法としては、構造種別の異なる柱・梁を合理的に組み合わせる混合構造があり柱をRC造、梁をS造とすることで施工効率を改善している例がある。


(b)コソクリート部材のブレハブ化
従来からPCa工法として、壁式PC工法やHPC工法が、複合住宅を中心として発達し規格化され、工業化によるコストダウンや工期短縮を図る手段として行われているが、最近は建物の敷地上の制限・設計の複雑化に伴い、対応が難しくなリ適応できない場合が多くなってきている。そこで近年は、その他の工法・施工計画との連携により複合化工法として柱・梁・床等の一部をPCa化し現場打コンクリートと一体打設することにより、在来工法と同様の品質を確保しながら、総合的に省力化や工期短縮を推進することを目的として行われる例が多くなってきている。(下図参照〕

(c)埋め殺し型杜を使用しない工法への転換
合板を埋め殺し型枠として使用しないように、埋め戻し、防水、コンクリート打設等の同時施工法を行う。特に基礎・地下部の型枠において、打込型枠等を使用することにより型枠解体作業も省カ化することができる。

(以上、2-5.熱帯材の削減技術については建築業協会「合板製型枠の使用合理化具体策検討報告書」より抜粋)


躯体複合工法
(コンクリート部材のプレハブ化)

 

 

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