2.家具はこれだけ作られている<生産=流通面>     ←目次  ホーム↑
(1)国内生産量
 1992年の木製家具出荷額は1兆9247億円であった。品目別では、たんす、棚類などの収納家具が合わせて34%を占め、机、テーブル、いすが25%と続いている。
 また、従業員50人以上を有する企業の統計には、細かい分類の数字が載っている。これによると、たんすでは、洋服だんす、整理だんす、和だんすの順に販売額が多くなっており、棚類の大部分は食器棚である。また、テーブルは食卓テーブル、応接テーブルの順に多く、いすは逆に応接用、食卓用の順になっている。その他には、下駄箱、電話台、傘立てなどが含まれている。

従業員50人以上の企業の統計(1993年)

 
生産量
販売額
  (千個) (%) (百万円) (%)
たんす
1,322
7.3
97,430
21.3
  洋服
489
43,343
  和
227
21,054
  整理
605
33,033
ドレッサー
1,065
5.9
38,004
8.3
3,175
17.5
90,469
19.8
  食器棚
2,155
65,626
  他
1,020
24,843
774
4.3
21,694
4.8
テーブル
2,152
11.8
37,320
8.2
  応接
458
10,529
  食卓
1,694
26,791
いす
4,780
26.3
80,014
17.5
  応接
1,191
45,215
  食卓
2,982
28,807
  他
606
5,991
ベッド
1,107
6.1
38,552
8.4
システム収納
862
4.7
12,561
2.8
その他
2,927
15.1
456,569
8.9
100
100

(雑貨統計年報 平成5年版 通産大臣調査統計部)

 

 

(2)国内の木製家具製造業
 家具メーカーのほとんどは小規模であり、従業者数が10人に満たない企業が全体の8割近くを占めている。あらゆる種類の家具を製造する企業は少ない。おおまかに言えば、箱物家具を得意とするメーカーと脚物家具を得意とするメーカーに分けることができ、さらに和家具、洋家具それぞれを得意とするメーカーに分けることができる。

■木製家具製造業の規模(1992年)

従業者数 事業所数 従業者数
1〜3人 5,112 10,745
4〜9人 3,995 23,381
10〜19人 1,274 17,582
20〜29人 573 14,055
30〜49人 331 12,799
50〜99人 262 18,018
100〜199人 91 12,628
200〜299人 20 4,740
300〜499人 9 7,049
500〜999人 6
11,673 120,997

(資料:通産省「工業合計表産業編」)


 家具の産地は日本各地に存在している。北海道の旭川市は箱物家具の生産が多く、道内からは道産材を使った高級家具の出荷も多い。東京都と神奈川県は、商業施設(ホテル、レストランなど)や公共施設(官庁、学校、ホールなど)向けの家具とその施工に取り組む企業が多い。新潟県の新潟市周辺や加茂市などは、洋家具や桐たんすの産地である。静岡県は首都圏を最大の市場としているため、グレードの高い家具の生産が多い。愛知県は出荷額トップで、デザイン、価格ともに総合的な産地である。岐阜の高山市は脚物家具の生産が中心である。広島県は、総合的な産地である広島市周辺と婚礼セットを生み出した府中市が主要産地。福岡県の大川市は、出荷額、企業の集中度、製品の幅などトップクラスの産地である。(以上「我が国家具業界の概要1994」より)

都道府県別出荷額(1992年)              (百万円)

               
愛知 245,226 愛知 102,496 愛知 81,039 愛知 57,624
福岡 216,604 福岡 49,923 福岡 49,923 福岡 41,997
静岡 153,519 静岡 17,981 静岡 17,981 静岡 21,000
広島 119,235 広島 12,669 広島 12,669 広島 21,131
岐阜 113,235 岐阜 12,318 岐阜 12,318 岐阜 13,926

(工業統計表品目編 平成4年通産省)

 家具メーカーの関連団体には、全国家具工業組合連合会をはじめ、全国の都道府県に地方組合がある。全国家具工業組合連合会には、約2,500のメーカー会員がある。

主な家具関連団体
全国家具工業組合連合会 東京都中央区晴海3-10JICビル03-3533-9551
国際家具産業振興会 東京都新宿区神楽坂2-16-1軽子坂田中ビル03-5261-9401
日本合板工業組合連合会 東京都港区西新橋1-18-17明産ビル03-3591-9246
日本繊維板工業会 東京都中央区八重洲1-5-15田中八重洲ビル03-3271-6883

(3)輸入量
 1993年の木製家具の輸入額は、完成品が782億円で、部分品の126億円を合わせて908億円であった。完成品の輸入額は、国内生産額の約4%になっている。また、家具新聞によると、1994年の輸入額は、完成品が1,057億円、部分品が153億円と、大きな伸びを示している。
 木製家具の輸入額は、1987年から1990年までは前年比30%前後の増加が続いたが、91年以降は前年を下回っている。しかし、東南アジア諸国が付加価値を高めた製品類の輸出を強める傾向にあることを反映して、これらの国々からの家具の輸入額は増加し続けている。特にタイ、インドネシア、マレーシアなどのASEAN各国や中国の伸びが大きいことが注目される。

品目別輸入額(1993年)

           
  (千個) (t) (%) (百万円) (%)
腰掛け 6,628 45,795 24.0 32,404 35.7
事務所用家具 41 1,062 0.6 665 0.7
台所用家具 178 3,698 1.9 2,062 2.3
寝室用家具 447 25,735 13.5 5,932 6.5
棚付き家具 91 511 0.3 457 0.5
その他の家具 6,976 82,807 43.3 36,707 40.4
完成品計 14,362 159,608 83.5 78,227 86.1
一部分品(木製) - 31,524 16.5 12,609 13.9
- 191,132 100 90,836 100

(貿易月表)

 

 

一般にカラーボックスと呼ばれている棚も、輸入ものであるらしい。低価格であるがゆえに普及している商品だが、これも海外の安いコストによって成り立っているものであると言えそうだ。

(4)家具の流遍
a)卸売業者の現状
卸売業者の数については、公式のデータは無いが約600社(うち卸売専業は380社)と推定されている。その数が減少傾向にあるという点は業界では一致した見方となっている。卸売業者の機能とは、基本的には消費者に接する小売業者から商品に関する情報をメーカーに伝え、いわゆる「売れ筋商品」を流通させることにある。わが国の家具メーカーのほとんどは零細企業であるため、営業活動は卸業者に頼るのが一般的であった。家具業界はI960年度には高度経済成長で「作れば売れる」という時期であった。しかしその後買手市場の時期に入ってからは、小売業者は個性を重視するようになった消費者二一ズの把握に力を入れ、それに合った製品を要求するようになったが、卸売業者の多くはこれに応えられないのが現状であった。その結果、小売業者は卸売業者から離れ、メーカーから直接製品を仕入れるというケースが増えた。現在このように直接仕入れるケースは全体の約7割ともいわれている。百貨店は、以前から卸売業者を通さないという流通を行っていた。


b)小売業者の現状
 1982年における家具専門店の店舗数は約3万であったが、その後1985年には9.6%、1988年には5.2%それぞれ減少し、現在2万5千余りとなっている。小売業の問題点として以下の点が指摘されており、これらのことから転業・廃業などによる小売業者の減少に拍車がかかっている。


(1)不特定多数の1回売りの傾向が強い。家具は買い替えまでの期間が長いため、顧客管理等もあまりされず不特定多数の客を相手に一回かぎりの商売になりがちである。
(2)地価の高騰により店の維持が困難である。
(3)以上の理由から後継者が育ちにくく、また慢性的な人手不足が多い。

c)新しい流通の動き
 卸や小売業等の兼業化・転業化等が進む一方で、近年は業界の枠を越えたさまざまな動きがみられるようになった。
 大手の小売業者や百貨店などでは、自ら生産工場を持って自社ブランド製品を製造したり、小売店同志が集まってボランタリー・チェーン化を図るというケースも見られる。一方メーカーでも、直営の小売店を持ったり、小売業へ製品を供給する共同組合を設立したりする動きがある。
 さらに家具以外の企業が家具を扱うケースもみられるようになった。

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