
家具から考える熱帯林

目次
はじめに<熱帯林と日本>
1.家具に使われている木材<製造面>
2. 家具はこれだけ作られている<生産・流通面>
3. 家具はこんなに捨てられている<廃棄面>
4. オルタナティブな取り組み
5. 私たちにできること
付録:代替資源に関する原則
用語の説明
発行日:1996年4月22日
編著者:尾端秀樹、浦本三穂子、松江和子、吉永卓、
赤松高明、工藤直子、野川太郎
発行:サラワク・キャンペーン委員会
はじめに<熱帯林と日本>
人類は熱帯林から様々な恩恵を受けています。熱帯林は気候を安定させ、土砂崩れや洪水を防ぎ、そこに住む人々の生活を支え、精神のよりどころとなっています。しかし、熱帯林は年間2040万haという猛烈なスピードで減少しており(世界資源研究所1987年)、土壌流出、河川の汚濁などの著しい環境破壊やそこに生息する動植物の種の絶減が進んでいます。熱帯林破壊の原因は様々ですが、東南アジアにおいては商業伐採がその最大の原因と
いわれています。
日本は世界最大の熱帯材の輪入国であり、丸太の貿易量の中で4割を占めています。日本は1960〜70年代にフィリピン、インドネシアから大量の熱帯材を買い付け、これらの国の森林破壊に大きく関わっています。その後、1985年より1992年まで、日本は熱帯材丸太の8〜9割をマレーシアのサラワク、サバの両州に依存してきました。サラワク州では、1990年にITTO(国際熱帯木材機関)より伐採量削減の勧告を受けていますが、91年以降も勧告以上の伐採を続け下きています。サバ州では1993年に丸太輸出が規制されており、これら両州での資源枯掃は目に見えています。そのため、最近ではパプァニューギニア、ソロモン諸島、インドシナ半島などでも伐採が拡大しています。
伐採は先祖代々動物や植物などの森の資源を利用しながら生活してきた先住民族の土地や森で、彼らには何の断りもなく行なわれることか多く、その生活基盤の破壊を引き起こしています。
サラワク州の先住民族は伐採業者や政府へ嘆願を繰り返しましたが無視され、最後の手段として林道の封鎖を行なっていますが、これまでに封鎖に参加した先住民族のうち500人以上が不当に逮捕されています。
現状を訴えに来日したサラワク州の先住民族は語ります。「警察が私たちの夫や父を連 れ去ると、食糧を求めて狩ができるものがほとんど残らず、子どもたちに十分な食糧を与
えることもできず深刻な問題に直面します。しかし、たとえぱどんなことが起ころうとも私たちは自分たちの土地を守り統けます。私たちにとって土地を失うことは、すぺてを失うことと同じです。私たちにとって、土地は命なのです。」

日本に輸入される熱帯材のうち、約5割が建築や土木{こ使われています。1990年頃より日本の市民グループは、全国各地で自治体に対して公共事業に熱帯材を使わないように働きかけを行ってきました。その結果、熱帯材消費削減の方針を出す自治体も徐々に増えてきました。また、私たちサラワクキャンペーン委員会は、1994年に「住まいから考える熱箒林」という冊子を発行し、熱帯材を使わない家作りについて検討しました。
この冊子では、熱帯材の消費が建祭・土木の分野に次いで多い家具を取り上げます。私たちは様々な家具によって生活をささえられており、誰もが一度は購入するものです。また、ごみ問題との関係も大きいように思えます。家具と熱帯材との関係を踏まえ、この問題をどう解決していけぱよいかを考えていきます。
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木材輸入量の推移
![]() 合板以外は丸太の輸入量を示す (日本南洋材協会、貿易月表) |
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