3.家具はこんなに捨てられている<廃棄面>      ←目次  ホーム↑
(1)粗犬ごみの処理・処分の現状
 1989年度(平成2年度)に全国で収集された家庭ごみは4,249万トン、そのうち粗大ごみは170万トン(4.0%)であった。 粗大ごみのうち家具の占める割合については、次の2つのデータがあり、これらから3〜4割程度と推測される。35%と仮定すると粗大ごみのうちの家具は60万トンとなる。人口ひとりあたりでは5s/人である(総人口:1億2千万)。
 ただし家具にはスチール製のものも含まれており、全てが木材を使用したものであるとは限らないことに留意する必要がある。

 

粗大ごみの内訳(その1)
(1986年東京都、個数の割合)
  粗大ごみの内訳(その2)
(1994年度横浜市、個数の割合)

家具

43%   家具 27%
建具等 21%   家電製品 25%
電気・ガス器具類 23%   寝具類 14%
厨房具類 4%   その他 35%
諸車類 9%   (自転車、ストーブなど)  
その他 1%      

集められた粗大ごみ170万トンのうち、89万トン(52%)については、粗大ごみ処理施設で処理されている。粗大ごみ処理施設では、巨大な破砕機で粗大ごみが破砕され、破砕後の混合物の中から鉄・アルミ等資源化できるもの、可燃物、残渣に選別される。残りの81万トン(48%)については直接埋立されている。

粗大ごみ家具の内訳(その3)
(1994年度横浜市、個数)

  個数 千人当たり
机・テーブル 66,768 21
椅子 111,527 34
ソファ 36,034 11
タンス類 52,649 16
食器棚 17,280 5
本棚 22,881 7
下駄箱 6,950 2
ケース・ラック類 41,034 13
家具その他 71,280 22
家具合計 426,403 131

粗大ごみは排出時は家庭ごみの4.0%であるが、埋立処分時はその割合は高くなっていると考えられる。

170万トン →89万トン→破砕→選別→鉄・アルミ...資源化
                      →可燃物...償却
                      →残渣...埋め立て
       →81万トン→直接埋め立て

可燃ごみ一焼却により大幅に減量、減容の後、埋立
粗大ごみ一約半量が直接埋立で、あまり減容されない。

 というわけで、粗大ごみをごみとして出さないことは、最終処分場の延命化のためにも必要である。

 粗大ごみについては、収集を有料とする自治体もある。平成4年10月の調査では全国3,236市町村のうち3.4%に相当する111市町村が有料制を実施している。
 料金の設定については、品目ごとに定めている場合が多く、金額は200〜5,000円と幅があるが、1,000円前後としている自治体が比較的多い。多くの場合は、粗大ごみの収集や処理にかかる費用よりかなり安く設定されている。
 市民が、粗大ごみを捨てることに費用がかかることを実感し、粗大ごみを安易に捨てない風潮を作るためには、有料制を取入れる自治体が増えることが望まれる。

(2)粗大ごみのリサイクルの現状
a)リサイクル施設
近年、社会が大量生産・大量消費型になってきたことや、より利便性を求める消費者の要求が高まってきたこと等を背景として廃棄物の量は増大の一途をたどっている。また廃棄物の質も社会の変化とともに多様なものが排出されるようになってきている。その一方で、その受皿となるべき廃棄物処理施設の整備が追い付いていないのが現状である(その前に、今のところ企業はモノを作り放題、市民はモノを捨て放題、そしてその後始末をやらされるのが市町村という基本的な枠組が問題であろう。ま、今回の通称『容器包装リサイクル法』の制定により今後はもっと事業者責任が問われるであろうと期待されるが)。

さて、こうした状況の中で、厚生省は1989年度(平成元年度)に廃棄物再生利用総合施設整備費補助金を設け、リサイクルプラザの設置に対する補助制度を整備した。さらに1992年度(平成4年度)にはこれを廃棄物再生利用施設整備費を改めて、リサイクルセンターの設置についても国庫補助を行ってきた。
 そして、さらに1994年度(平成6年度)には、これまでの施設整備を再編し、総合的な施設整備を行う廃棄物循環型社会基盤施設整備事業」(通称CRT事業と呼ばれている)を推進させることとした。これに前述のリサイクルプラザもリサイクルセンターも含まれることとなった。
 難しいことばばかりが出てきてややこしくなってしまったが、要は厚生省がリサイクル施設の整備のために積極的に補助金を出すといっているのである。その補助金は施設整備費の4分の1である。

リサイクルプラザ:
・不燃ごみ(びん・缶等)の処理トン数が1日5トン以上で、
・展示室などの啓発施設を持つものをいう。
リサイクルセンター
不燃ごみ(びん・缶等)の処理トン数が1日5トン未満で、
・啓発施設を持たないものをいう。

 国庫補助によるリサイクルプラザには以下のようなところがあり、ここでは市民の啓発の効果もねらって、家具や自転車等の展示販売、自転車の修理、定期的なフリーマーケットの開催などが行われている。

着工年度  設置市町村
1989    吹田市(大阪府)
1991    川越市(埼玉県)
1992    徳山市(山口県)、大阪市(大阪府)、北九州市(福岡県)
1993    八潮市(埼玉県)、千葉市(千葉県)、長野市(長野県)、岡崎市(愛知県)
       宇部市(山口市)、新居浜市(愛媛県)、那覇市(沖縄県)
1994    郡山市(福島県)、習志野市(千葉県)、立川市(東京都)、新潟市(新潟県)、
       加賀市(石川県)、山中湖村(山梨県)、堺市(大阪府)、堺港市(鳥取県)、八幡浜市(愛媛県)

 また国庫補助を受けないで作ったリサイクルプラザもあるし、リサイクルプラザではないが家具等のリサイクルを行っているところもある。自治体によっては高齢者の雇用促進も兼ねて修理したものを実費で販売しているところもある。次のようなところがある。ぜひ、在住・在勤の地域のリサイクルプラザやリサイクルセンターをさがしてみてほしい。

仙台市:リサイクルセンター。修理は行わず、使用可能なものを無料で提供。
藤岡市:リサイクルプラザ(三本木)。市民に無料で提供。
東京都区部:6か所に地域リサイクルセンター(コラム参照)。
       各区に一カ所ずつの施設設置が予定されている。
北区(東京都):冨士見橋エコー広場館
目黒区(東京都):目黒区リサイクルプラザ
町田市:リサイクル公社。修理して販売。
多摩市:桜ヶ丘再利用センター。抽選により市民に無料で提供。
川崎市:リサイクルコミュニティセンター(高津)ほか2か所。
箕面市:資源リサイクルセンター。再生品を展示・販売。

リサイクルプラザはいくら?:(人口7万人のA市の場合)
施設整備費に約11億円かかつた。このうち4分の1について国からの補助が受けられる。
  ○床面積:3,000m
  ○施設内容:リサイクルショップ、家具の修理工房、工芸工房、
         市民の広場、粗大ごみのストックヤード、会議室、
         図書コーナー、喫茶コーナー等


東京都の地域リサイクルセンター
粗大ごみの中から、まだ便用できる家具などを地域リサイクルセンターに展示して、希望の方に無料で提供(公開抽選)します。
(展示品の提供手続き)

展示品の中で希望する物品を申し込む

毎月一回、公開抽選する

当選者にははがきで通知する

物品は当選者自身が引き取る(引き取り費用は当選者の負担)

 

展示品の申込み状況(平成5年4月〜12月)(月平均値)

リサイクルセンター 展示品数 申込み件数 入場者数 開所年月日
大森 103品 2,398件 1,357名 平成2年10月30日
葛飾西 52品 482件 738名 平成3年7月19日
中野 65品 1,913件 1,714名 平成3年7月29日
丸の内 60品 1,235件 1,185名 平成3年11月5日
本所 59品 1,825件 1,970名 平成4年6月30日
目黒 55品 1,141件 969名 平成5年6月3日

 

横浜市のリサイクルプラザ(港南台)
職員が、粗大ごみの中から修理が不要でリサイクル可能なものを選び施設へ搬入する。ひと月を1サイクルとして、1度に家具を中心に約100点を展示する。希望者を申し込みを受けて月1回の抽選を行う(倍率は平均40倍にもなる)。


吹田市のリサイクルプラザ



家具を補修したり、廃材を使って木工製品を作っています。器材を使って木工製品を作ることもできます。
ごみとして出されたものや皆さんの家庭でいらなくなった家電製品の提供を受けて手入れや補修をしています。

b)不用品交換システム
全国の776市町村を対象とした1984年の調査では、約15%の市町村が不用品の交換を実施している。リサイクルブームの昨今、この割合は増加していることが予想されるが、交換システムはあってもあまり活用されていない場合も見受けられる。

  実施している していない 無回答 回答数
20.4% 67.4% 12.2% 491
町村 5.3% 72.6% 22.1% 285
合計 14.8% 69.3% 15.9% 776

次のような例がある。

東京都:地域リサイクルセンターでやっている。流れは、

「不用品交換情報登録カード」に品物の内容を書き登録する。
→それらが「リサイクル情報」に掲載される。
→欲しい人、譲りたい人が直接交渉する。

浦和市:電話やファックスを使用した不用品交換情報システム」
     家庭で不用になった家具や子供用品等をリサイクル

c)リサイクル率
 横浜市では、年間約160万点の粗大ごみ(うち家具は43万点)が出されているが、そのうちリサイクル施設で家具を中心に月に250点程度(自転車を除く)がリサイクルされている。リサイクル率を試算してみると0.7%(ラフな計算であるが250点×12か月÷43万として)。
 多摩市では、年間1,500トンの粗大ごみのうち100トンが再利用可能で、その中でも特に質のよい30トンがリサイクルされている。ここでのリサイクル率は2.0%(30トン÷1,500トン)。
 どちらもリサィクル率は微々たるものであるが、でもこのようにリサィクルプラザ等で手間ひまかけてリサイクルすることによって、ものを大事に使い安易に捨てないという意識が市民に芽生えてくるなら効果があったといえるのではないか。
 現に北九州市のリサイクルプラザでは、最近良い粗大ごみが少なくなってリサイクルプラザに展示できるものの数が減っており、リサイクルプラザの運営には痛し痒しであるという報告がある。
 なお、家具をそのまま使うのだからリサイクル」ではなく「リユーズ(reuse)」のことばの方が正しいのかもしれないが、ここでは通常使われている「リサイクル」を用いた。

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