4.オルタナティブな取り組み         ←目次  ホーム↑
(1)地元産材を用いた学校家具
天竜では、地元産のヒノキを利用した学校用の机といすの生産が取り組まれている。これは、地域振興と情操教育効果を狙って天竜市と静岡県工業技術センターが共同開発したもの。スチール製品に比べ割高だが、1995年4月までに静岡県内以外にも、北海道、山形、東京、山梨、愛知、岐阜、和歌山、奈良の合計40余りの学校に納品されている。
 長野でも県内産カラマツを用いた小・中学校用の机といすが作られている。市民グループにっぽんこどものじゃんぐる」が依頼して城北木材加工が開発したもの。耐久年数はスチール製の数倍はあるという。鳥取県では県の主導で県産のヒノキで作られた机・いすが県内の小学校に導入されている。
 また、1995年には日本ウッドワーク連盟が設立され、これらの取り組みを全国に広げる動きが始められている。

 問い合わせ先:天竜ウッドワーク事業協同組合te1 .0539-28-0950

 群馬県では、1993年(平成5年)から県産木材を利用した机、いすを購入する学校に補助金を支給している。ヒノキなどの県産木材を100%使った小、中学校の机、いすの購入には、スチール製との差額を補助している。

(2)間伐材、小径木材の利用
間伐材や小径木材を利用した木製品にはエコマークがつけられている。1995年現在17点。このうち、アンケートの回答があったものを表に示す。利用樹種としてはヒノキの間伐材のほか、樹脂採取後に伐採された小径木などが使われている。間伐材利用の問題点は、材の入手が安定しないこと、不揃いであることなどがあげられている。また、メリットとしては、木材の有効利用のほか、社員に地域への貢献意識が出た、会社の特異性が出たなどの回答があった。
そのほか、消費者に「間伐材を利用していることを詳しく説明すると、品質的に劣っているのでは?ボロい商売をしているのでは?などと誤解されてしまう可能性があるので、カタログでは大まかな説明しかしていない」との回答もあった。消費者にも正しい理解が必要なことを示している例であろう。

エコマークのついている家具類(回答のあったもの)

製品
メーカー
電話
樹種
産地

利点/欠点
同等品と比較した値段
その他

チトセ
0729-62-3123
ヒノキ(間伐材)
国内
材としての不揃い、節がある
2割高〜2倍
いす ヒノキ

03-3400-5282
(間伐材)
東京都日の出町
自然な肌を生かせる/材料が少ない
風呂すのこ
市原木工所
05956-3-0489
ヒノキ(間伐材)
三重県
材料の量が安定しない、材質に班がある
2倍前後
すのこ
寺谷木工
05984-7-0022
ヒノキ(間伐材)
三重ほか
耐久力が倍以上になる/材の確保が難しい
蝿帳
曽南
0573-75-2525
ヒノキ(端材)
木曽
木肌が美しく狂いが少ない/材が高い
2〜3割高い
収納他
住建産業
0829-32-2256
ラジアータパイン
ニュージーランド
植林木の有効利用、木材資源の安定供給 ボード加工して輸入
階段セット他
東南産業
096-378-6100
メルクシパイン
インドネシア
植林木の二次的な有効利用
タモ材に比べ4割安い小径木を集成材に加工
杉集成棚板
天龍木材
03-3820-0025
スギ、ヒノキ
九州、四国
集成材で広巾にできる、割れない
無垢材よりコスト安

注)メルクシパインはヤニの採取のために植林されているもので、25年ほどで採取できなくなり伐採される。ヤニはロジンや化粧品の原料となる(東南産業担当者)。

国産材で手作り家具を作るNさんのお話
 6年前に訓練校で木工を習い現在に至っておりますが、木をいじり始めて、ウータン(大阪にある森林保全などを目的とした市民グループ)に入ったようなものです。そして、できる限り外材を使用しないようにして家具造りをしたいと考えています。箱物(タンス・食器棚・机類)などの引き出しの底板にはシナベニヤを使います。
 別注家具として頼まれたときには、国産材として確かと言われるセン(栓)、ブナ、カツラ(桂)等を使います。家具材を扱っている材木屋さんにこれは国産材ですか?」と聞いて確かめて買っています。あの白神に代表されるブナ材は、材があばれるのであまり家具には向かず、枕木やら、おもちゃの材というような使われ方です。
 北海道産となっているナラとかタモとかは、製材を北海道でやっているだけでその出所は中国やロシアであるようだと材木屋さんが言っていました。また、最近1〜2年は材木屋さんでアフリカ材が目立つようになってきました。
 ところで私も予算が極端に少ないときなどは合板を使わざるを得ないこともあります。
 材の価格は1m3いくらというようになっていますが、私が買うところの価格は、


(外材)米松ピーラー→36万、米杉→30数万、
(国産材)セン→27万、ブナ→20万、カツラ→16万、ナラ→35〜36万
(いずれも1m3当り)


 私の使う材はこんなところです。以上のような単価に板材の体積を掛けたものが一枚あたりの価格となります。
 家具の価格は、その大きさ、用途によりまちまちでこれといった価格はありません。一応出して見ますと次のようになりますが、市販のものと比べるとまず4〜5倍の高さでしょうね。

・イス→4万以上
・ダイニングテーブル(3×6→天板で材にもよるが、20万以上)
・学習机(3×6→12万以上)
・食器棚(W900×H1800→30万以上)
・ベツド(1000×2000→12万以上)
・タンス(H1200→20万以上)
・ベンチ(ひじかけつきW500→15万以上)


 私の場合は、作る家具の大きさ、形などを話をして決めた後、図面を引いて材料を割り出し、制作日数を考え工賃を出し、その合計が家具の価格となりますが、材料の3〜4倍がこれに見合うようですね。ただし小物の場合は、作る工賃が全く出ないので、何個か作らないと割に合わないのです。
 とにかく別注家具を作っていると儲かるように思われますが、採算が合わないのが現実ですね。

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