住まいから考える
熱帯林

〜熱帯材を使わない家づくり〜
<改訂二版>

はじめに

 サラワク・キャンペーン委員会(SCC)では1994年3月に「住まいから考える熱帯林」という冊子を作ってから6年が経ちました。私は、この冊子の制作にかかわった時、住宅を建てる消費者が熱帯材の不使用を住宅会社に要望していくことで、住宅会社を変えていくことが出来て、型枠合板の熱帯材の削減について自治体に働きかける<自治体キャンペーン>に続く新しいキャンペーンに展開できることを期待していました。しかし、この間に実際に私の親が住宅を建てることになり、熱帯材の不使用を住宅会社に求めることの難しさに気がつきました。それは、そんな余計な注文をつけて値段が上がったらどうしようか、自分でそんな割増額を払えるかと考えたとき、とても住宅会社の人にそんなことは言えませんでした。冊子も完成はしたもののキャンペーンにはつながりませんでした。

 前回の冊子をつくって6年が経ち、シックハウス問題が社会問題になり、国産材住宅にも注目が集まるなど、一般の消費者の住宅に対する関心は高まり、これに応える設計事務所や工務店も増えてきました。いまや国産材住宅は一つのブームにもなりつつあり、シックハウス問題に対応して化学物質の放散量の少ない合板(JAS=日本農林規格のF1など)を選ぶと、流通量の多い針葉樹合板に行きつくことが多く、熱帯材を使わない家づくりの環境は整ってきました。

 一方、サラワクの状況は日本での熱帯材の使用量が減少し、合板の針葉樹化が進んでも状況は改善されるどころか、更に伐採の跡地に油やしのプランテーション開発が拡大するなど、厳しくなっています。日本に暮らす私達は、家づくりのときに自分の家族の健康を考えるだけでなく、自分の家に使われる材料が何処から来て、その供給地ではどんな問題が起こっているのかをもっと考える必要があるのではないでしょうか。日本への熱帯材の最大の供給国であるサラワクの状況を知り、これから家を建てる人が考え発言していくことで少しでもサラワクや他の原生林とそこに関わる人達に貢献できることを期待して、改訂作業を行いました。

2000年8月1日 吉永卓