お気楽・極楽・お遊びの会

望遠鏡・双眼鏡
天体観測に必要な道具は?
天体観測に向いている双眼鏡は?
天体望遠鏡は何がいいのか?
対物レンズと接眼レンズ
望遠鏡の倍率、実視界は?
赤緯・赤経
赤道儀
撮影方法
コリメート法
デジカメとの接続
画像処理(コンポジット、ダークフレームによるノイズ消去)
動画による処理(AstroStack)



望遠鏡・双眼鏡

天体観測に必要な道具は?
天体望遠鏡も良いですが、まずは双眼鏡をお勧めします。天体望遠鏡は高倍率 で見ることが出来ますが、視野が狭く、空を眺めるということには向いていません。 その点、双眼鏡は視野が広く、正立像であるため目的の天体も探しやすいはずです。 その他に、星図表、方位磁石、ライト(赤いセロハンを被せておくと良い)などが 必要でしょう。

天体観測に向いている双眼鏡は?
双眼鏡を見ると7x40とか10x50とか書いてあると思います。これは倍率と口径 を表しています。天体観測に向いている双眼鏡としては倍率が6〜10倍、口径 が40mm以上のものが向いています。あまり倍率が高いと視野が狭くなるのと、 手ぶれに敏感になってしまいます。口径は大きければ大きいほど、集光力があが るので暗い星も見えるようになりますが、手持ちで観測することを考慮すると 40mm〜50mm程度が良いでしょう。

天体望遠鏡は何がいいのか?
口径が大きければ大きいほど、集光力があがるので暗い星まで見えますが、 当然値段もあがりますので、その辺を考慮して選択しましょう。

主に屈折式か反射式を選択することになると思います。屈折式の特徴として
    ・光軸調整が不要(扱いやすい)
    ・口径が100mm以下であれば比較的安価(レンズ性能にもよる)
という点があります。反射式は
    ・口径が大きくなってくると屈折式に比べて安価になる。
    ・光軸の調整が必要になる。
    ・光が鏡筒内を往復するため、筒内気流の影響を受けやすい。
ということがあげられます。

最初の望遠鏡ということであれば、扱いやすい屈折式の口径80mm〜100mm程度の ものが良いのではないでしょうか。口径が小さい安価なものもありますが、 口径が60mm以下はおすすめできません。レンズ性能や用途にもよりますけど。 また、屈折式が良くないということではありません。目的によってはこちらの 方が良いでしょう。

何が良いかというのは目的(惑星・星雲の観測、撮影など)によって変わりますので、 天体望遠鏡を扱う専門店で相談されるのが一番ですね(笑)。東京都内では
    ・スターベース東京 http://www.mmjp.or.jp/takahashi-sb/
    ・SPACE LAND KYOEI http://www.goto-kyoei.co.jp/
    ・誠報社 http://www.seihosha.co.jp/
    ・Newton http://www.newton-club.co.jp
    ・コプティック星座館 http://www.koptic.co.jp/
等がありますので、参考に・・・。そこそこの物を一式揃えるとしたら、10万円 程度の予算は組む必要があります。

雑誌では「SKY WATCHER」、「天文ガイド」などが参考になります。毎月5日前後 に発売されています。

追記(2000/09/14):SKY WATCHER誌は9月号を以て休刊となりました。

対物レンズと接眼レンズ
対物レンズというのは望遠鏡の先にある大きなレンズのことを指しています。 性能として口径と焦点距離という項目があります。逆に実際に覗く部分のレンズ を接眼レンズと言います。これには、焦点距離と見かけ視界という項目があります。

望遠鏡の倍率、実視界は?
望遠鏡の倍率は対物レンズと焦点距離と接眼レンズの焦点距離で決定します。 接眼レンズは交換が可能なため、○倍〜○倍という表記になっていると思います。
    倍率 = 対物レンズの焦点距離 / 接眼レンズの焦点距離
実視界というのは接眼レンズを覗いた時に見えている視野(°)の広さです。 同じ倍率であれば視野が広いほうが見やすいです。これも計算で求められます。
    実視野 = 接眼レンズの見かけ視野 / 倍率
対物レンズ焦点距離が1000mm、接眼レンズの焦点距離が50mm、見かけ視界が50°で あれば倍率は20倍、実視界が2.5°ということになりますね。実視界2.5°と言っても どのくらいか想像がつかないかも知れません。握り拳を作り、腕を空に向けて真っ直ぐ に伸ばして下さい。その握り拳の幅が約10°になります。

倍率は高ければ良いと言うわけではありません。対物レンズの分解能を超えてしまうと 拡大できても像がはっきりしないなどの弊害が出てきます。一般的には口径(mm)の2.5倍 までが有効な倍率だと言われています。

赤緯・赤経
地球上の位置が緯度・経度で表現されるように空にも緯度・経度に相当するものがあります。 これを赤緯・赤経と言います。

赤道儀
星の位置は刻々と変化します。というか地球は自転しています。当然、導入した星も 視界からはずれていきます。これを簡易に、もしくは自動で追尾するには赤道儀が 必要になります。星は北極星を軸に(厳密には違うが)回転しているように見えています。 そこで赤道儀の極軸を天の北極に向けるをことにより、赤緯のみの移動で追尾ができる ようにします。モーター付きの赤道儀であれば自動で追尾できることになります。

天の北極の角度は観測地によって異なります。以下を参照して下さい。また、方位磁石 の指す北と本当の北には"ずれ"があるため、偏角だけ極軸を東にずらす必要があります。

地名極軸の角度偏角地名極軸の角度偏角
札幌439名古屋356
青森418大阪356
秋田408岡山356
仙台387広島346
福島387鳥取367
東京366高知336
前橋366福岡336
新潟387長崎336
長野377鹿児島315
金沢377那覇264




撮影方法

コリメート法
コリメート法とはカメラのレンズを接眼レンズの前に合わせて撮影する方法です。 手軽ではありますが、シャッタースピードが遅くなる場合は手ぶれを起こしたり、 三脚を利用しても、移動する天体に合わせていくのは大変です。

デジカメとの接続
そこで、接眼レンズに直接、デジカメを接続してしまいます。これならば 手ぶれや、光軸がずれる心配がありません。接続にはMeade社のデジタルカメラ アダプターを利用しています。このアダプターの接眼レンズとの接続部分を 分解すると、T規格のネジが切ってあります。これをTリング等を介して43mm ネジに変換し、C-2020Zoomに直接接続できるようにしてあります。そのまま 利用しても可能ですが(^^;)。

VIXENのNSTアダプター43というカメラアダプターの部品を利用する事でも できるようです。

デジカメがNikon Coolpix800,950,990であればVIXENから28mmのネジを切った アダプターが販売されています。

画像処理(コンポジット、ダークフレームによるノイズ消去)
天体からの光はとても淡いものです。長時間露出出来ないデジカメではなおさら です。そこで、短時間のうちに連続して撮った写真を加算し、短時間ではほとんど 写らない部分を引き出すように処理します。これがコンポジットと呼ばれる画像合成 です。

また、デジカメは熱に弱く、長時間露出をするとノイズが発生し、実用になる画像が 得られません。例えばC-2020Zoomでは16秒が限界ですが、16秒も開けるとノイズが ひどく使い物になる写真にはなりません。そこで同条件(気温、露出等)でレンズの前を 覆った画像を撮影します。このノイズのみが撮影された画像を元画像から減算すること により、長時間露出でもノイズの少ない画像を得ることが出来ます。

動画による処理(AstroStack)
このソフトはBMPファイル、またはAVIファイルから自動的に位置調整を行い、コンポジット 処理を行ってくれます。ダークフレームによるノイズ消去にも対応しています。フリーなのが ありがたいです。天体画像処理ソフトでは「ステライメージ」が有名ですが、いいお値段なので ・・・。もちろん、日本語版で機能は充実しています。

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