X-Plane

シミュレーター名  X-Plane (Ver 2.7)

●このシミュレーターについて
 開発・発売元:Laminar Research 社
 価格:US$249

■あなたはフライトシムに何を求めますか?
「リアルなフライトモデルは当然として、様々な航法援助施設を駆使した本格的ナビゲーションもやってみたいし、乗れる機体もいっぱいあった方がいいなぁ。それに自分のオリジナルの機体も作れたら最高!機銃やミサイルなんか別になくてもいいよ。」そんなあなたは立派なリアルフライト派、すぐにMicrosoft Flight Simulator(MSFS)を手に入れましょう。「でもマック版のMSFS はバージョン4以降バージョンアップされる気配もないし、グラフィックは物足りないし、何しろ折角揃えたThrustmasterの3点セットでコントロールできないのが珠にキズなんだよな。」そうおっしゃるあなた、ちょっとお金を奮発してみる気はありますか?でしたら、X-Planeをお勧めします。

 X-Planeの"X"とはExperiment(実験)のことです。このシミュレーターでは、Experimental Planeすなわち様々な実験機を固定翼機、回転翼機に拘わらず、自由に組み立てて飛ばしてみることできます。既存の航空機からオリジナルデザインの機体まで、操縦できる機体数は無限、しかも仮想の島の上を飛ぶのではなく、現実のデータに基づいたアメリカの空を飛ぶことができます。気象条件や時間帯なども自由に設定することができ、実にリアルフライト派好みのシムです。

 製品は、X-Plane(フライトシミュレーター本体)、Plane-Maker(機体設計用ユーティリティ)、Part-Maker(パーツ設計用ユーティリティ)の3本のアプリケーションで構成されています。

 X-Planeは非常にリアルなフライトモデルを搭載したフライトシミュレータープログラムです。機体の空力的特性や操作系のシミュレートもMSFS4よりぐっとリアルになっています。計器類はただ正確なだけではなく、途中で故障するように設定することもできます。

 シーナリーは、アメリカ合衆国(大陸のみ)の全ての地形データ、主要な航空施設を網羅しています。地形データはアメリカ合衆国地質調査所(USGS)のデータに基づく正確なもので、実在の山脈や渓谷、平野や大海を眼下に眺めながら飛ぶことができます。これらのデータはテキストファイルで記述されており、そのフォーマットも公開されていますので、その気になれば(但しかなりの根気が必要ですが)日本国内のデータや仮想の国のデータなども作ることができます。

 地形のグラフィックはフラクタルの原理を利用して描かれており、遠景はぼんややりとかすんで見えます。また高高度に上れば、丸みを帯びた地平線を見ることもできます。ただ、地上の建造物などのデータはなく、大都会の上でも平原が広がっているのが見えるだけです(但し、ヘリポート用のビルディングが不自然に散在していますが…)。したがって山や川などを指標にしたVFRは可能ですが、建造物を目標にすることはできません。IFRに関してはほぼ満足できるだけのスペックがあります。但し、 X-PlaneはELITEなどのハイエンドのIFRトレーナーに対抗するものではなく、IFRの機能としてはむしろMSFSに近いものです。

 気象条件も多彩で、飛行中に動的に変化させることもできます。外気温が下がれば地上の積雪や機体の結氷も再現されます。もちろん結氷によるパフォーマンスの低下もシミュレートされます。水上では波の大きさや速度・方向も設定可能で、波打つ湖上に着水できます。

 最新バージョンでは、航空管制情報や気象情報を得ることができるようになりました。これらの情報はテキストで画面に表示されると同時に、Speech Manager対応の音声としても聞くことができます。また燃料残量や機体重量もフライトパフォーマンスに加味されるようになりました。

●出荷時に添付される機体データは以下の11機体です。
 固定翼機
   Cessna 172-RG (185馬力レシプロ単発機)
   Cessna 172 Hawk-XP on floats (185馬力レシプロフロート機)
   Glasair II-S RG (185馬力レシプロ単発小型機)
   Mooney TLS (270馬力レシプロ単発機)
   Celebrity Bi-Plane (双葉、105馬力レシプロ単発機)
  Marchetti SF260 (260馬力レシプロ単発機)
   Beech Baron 58 (300馬力レシプロ双発機)
   Beech King Air B200 (850馬力ターボプロップ双発機)
   Cessna Citation X BizJet (6400lbジェット双発機)
   Beechcraft Starship (先尾翼、推進式1200馬力ターボプロップ双発機)
   Schweizer 232 sailplane (無動力グライダー)
   Experimental Jet VTOL (垂直離着陸6400lb双発ジェット実験機)
   Flying Wing (2000lb単発ジェット無尾翼機)
   Pilatus PC-XII (1200馬力ターボプロップ単発機)
 Boeing 737-300 (22000lb双発中型ジェット旅客機)
 Orbital Rocket-Glider (スペースシャトル)
 Austin's Personal Plane (作者のオリジナル機)

回転翼機
   Bell 206-B3
   Robinson R-22
   Schweizer 300C
   Sikorsky S-76B

 但し、Plane-MakerやPartMakerを用いれば、オリジナルの機体を設計することができます。しかしいくつかの制限事項もあります。例えばエンジンは双発まで、主翼は双葉までしかサポートしていません。また航空力学の基礎知識が少ない人でも簡単に自分の機体を設計できると宣伝文句ですが、ゼロから作ろうとするとある程度の知識がないとできないでしょうし、楽しめないと思います。ただ、勉強してでもやってみたいという気にはさせてくれることでしょう。


●グラフィック4点
 遠くの山々がうっすらとぼやけて見えたり、水平線が丸く見えたりするのは◎ですが、地形データの中に都市の建造物がないのは何となく寂しい感じです。反対にヘリポート用のビルが山の中に突っ立っているのは全く興ざめです。また、外部ビューもサポートされていますが、表示される機体は単なるグレーのポリゴンの固まりでしかありません。まぁ、このシムの主旨からすれば外部ビューはなくても良いぐらいなのかもしれませんが、今後のバージョンでこれらの点が改善されれば、もっと多くのユーザーを惹きつけることができるのではないでしょうか。

●描画スピード3点
 PowerMac 7600/120での評価ですが、概ねスムーズに動きます。カタログによれば、プログラム自体がフレームレートをモニターし、マシンの性能に見合ったレベルにグラフィックのディテールを自動的に調整しているのだそうです。しかし時々動きがぎこちなくなることもあり、ロースペックのマシンではちょっと厳しいかもしれません。

●シミュレーター5点
 フライトモデルは航空力学的にかなり忠実にシミュレートされています。特に回転翼機のフライトモデルは一見の価値があると思います。今までこれほどリアルなヘリのシムはなかったと思います。計器類のシミュレートも非常に良くできています。

●総合評価4.5点
 総じて非常に魅力的なシムではありますし、完成度も高いと思います。メインとなるデザインシステムも良くできていますが、双発機までしかサポートしていないのは何とも惜しい限りです。大型機ファンの筆者としてはジャンボジェットなどにも乗ってみたかったのですが…。解像度が800x600固定である点や、バグが散見される点も減点の対象です。またマニュアルにも記載されていましたが、超音速域のシミュレートは不完全だそうです。マニュアルがそっけないのも減点ですね。計器の説明も不十分ですし、このシムのユーザーはある程度の航空機に対する予備知識を持っていることが前提となっているようです。
 しかし固定翼機だけでなくヘリにも乗れるのは嬉しい限りです。ヘリの操縦は困難の極致ですが、だからこそ本格派だとも言えると思います。初心者が簡単にコントロールできるヘリなんて、なんの面白味もないですからね。(^^)
 MSFSがMac版のバージョンアップを打ち切った今、航法を駆使してクロスカントリーできるシムはこのX-PlaneかIFR専用のELITEくらいしかありません。Thrustmasterにもダイレクトに対応しており、MSFSで焦燥させられていた皆さんはこれで溜飲が下がることでしょう。このシムの一番の泣き所は価格が高いことですが、Macで本格的ナビゲーションをやってみたい方や機体設計に興味がある方は買っても損はないと思います。

 X-Planeに関するサポート情報は、http://www.x-plane.comで入手できますので、興味のある方は覗いてみて下さい。時間制限付きのデモ版も置いてあります。

●対応スティック
 Thrustmaster FCS/WCS/RCS、CH Products Stick/Throttle/Rudder
 一応マウスだけでも飛べるようにはなっていますが、ラダーが使えないと機体のコントロールは難しいと思います。特にヘリではラダーは必須です。

●保存・リプレイ機能
 あり。保存・閲覧できるデータは、飛行経路はもとよりスロットル開度やプロペラピッチなど、総計50項目以上。非常に詳細なフライトレコーダー。

●ネットワーク対応
 なし。

●マルチモニタ対応
 なし。

●動作環境
 Power Macintoshのみ、8MB以上のRAM、5MB以上のハードディスク空き
 CD-ROMドライブが必要。
 System7以上。漢字トーク7.5.1、7.5.3、7.5.5で動作確認。

以上。 H.P.C.#095 / Surgeon

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